第六十九話 いきなり現れた中二病がチート過ぎる件
最後の方に心を抉る内容をプレゼントしました。
自分はどうなのだろうか?と考えてみてくださいね
「【ネロ・ステッラ】!」
『黒い星』を冠する『』が放たれる。
それは光をも呑み込む深淵だった。
「これで終焉だ!」
紫黒の氾濫する荒れ狂う力は周囲のもの全てを喰らい尽くしながら教祖に迫る。
『潰すぅぅぅ!!』
蒼い光を更に自身に集約させて、迫りくる『終焉』に黄色い剣を構える。
『【未来世束】!!』
逃げないのではない。
逃げられないのだ。
『―――!?』
教祖が大きく蒼く美しい瞳を見開く。
『それならぁ!これでぇぇ!【神閃なる連鎖劇】ぅぅ!』
輝く海月や魚たちが舞い、教祖を包む。
『死ねええぇぇぇぇぇえ゛え゛!!』
「死ぬのはお前だ…………」
ヒガンが少し悲しげに呟き続ける。
「ユニークスキル【黒歴史を語る者】、発動!」
球体の姿をしていた『黒い星』は教祖の剣に触れる直前に姿を変え、パックリと開く。
『―――ッ!?』
教祖はあり得ないものを見るような表情をして、言葉を失った。
「これの正式名称は【ネロ・マンジャーレ】…………」
口のように大きく開く力の塊。
意志を持ったかのようなそれは――――
パクリ
―――一撃で教祖を呑み込み消滅した。
「俺が使える最強の一撃だ。世界第七位のな」
わざわざ誰もいない空間の中、斜めにポーズを決めて言った。
「リクさん……………!」
私は震える手でリクさんに触れようと腕を伸ばしました。
パシン
『触らないでくれるかな?小娘』
リクさんの中から闇が広がりました。
辺り一帯が黒く染まります。
「―――ッ!?」
な、何!?
心臓が、痛い!
息が、できない!
身体中の細胞が痛ましく叫びます。
立っていられません。
『僕が出向いたのは君とお話しするためだよ?心して聞いてくれる?』
両手を口にあて、激しくうなずくことしかできません。
『それ』はゆっくりと私に近づいてきました。
私の毛がすべて逆立ったかのような感覚が私を襲います。
事実、私に『それ』を目視することはできませんが『それ』がそこに存在するのは分かります。
『リク君がこうなった理由、分かってるよね?』
私が悪いのは分かっています。
だから私はもう一度うなずこうとしました。
『言葉で話してくれる?そうじゃないと分からないよ?』
「―――ッ!」
黒い無数の手指が私を掴みます。
『それ』は私の髪を、顔を、首を握り、そのまま持ち上げました。
『話すときは目を合わせようね?失礼だと思わない?』
「んっ!?」
全身が泡立ち、沸騰したかのような嫌悪が私の中で荒れ狂います。
『これで何思っているのか話さなくても分かるよ。あぁ僕って親切だなぁ』
感情の乏しい声が脳内に響きます。
『リク君のことだけじゃない。この街で起きた一連の事件……まぁテロに近いけど………全て君のせいだよ?』
「ん!?」
さっきとは違う意味で心臓に痛みを感じます。
今度は締め付けるというより抉るような痛みです。
『あれもこれも全て。君のせいだよ?』
視界が滲み、心が悲痛な声でなきました。
そして、頬に涙がつたり、私のポケットに落ちました。
『君、生きてる価値あるかい?何のために生きてるのかい?』
私の、価値………?
あれ?私、何で今まで生きて………
『生きてるだけで人を不幸にするよ?』
私、は、生きてるだけで、人を、不幸にする?
『君は何様のつもりなんだい?』
私は………誰?
『もう一度言おう。全て君のせいだ』
すべて私のせい……………
心が休息に冷めていくような、そんな感情がひんやりと染みわたっていきます。
『どうして生きているの?』
そっかぁ…………私は………
『どうしてまだ死んでないの?』
………要らない人間だよね?
「サツキ様は人々を照らす希望のような人間、猫耳キャウーンアイドルでござる!」
………ワキ……ヲ……?
『何!?』
私のポケットが光り輝きます。
私はほぼ反射的にポケットから寿司になってしまったワキヲを取り出しました。
「サツキ様は……!サツキ様は……!拙者が命を賭してもいいと思える立派な人間でござる!」
私の心は再び少し暖かくなったようです。
リラ「ね~リル、聞いて~」
リル「はい?どうかしました?」
リラ「ツンデレがモテる理由が分かった」
リル「はい?」
リラ「ゲインロス効果って言われる感情の好感度の波を作ることでギャップ萌えを狙っているんだって~」
リル「は、はぁ……?」(いきなり何?)
リラ「終わり~」
リル「?????」
リラ「バイバ~イ」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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