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第六十八話 瀕死の主人公とチートな中二病

今日、ようやく書き方の感覚が戻ってきました。

カオスをお楽しみください。

俺はヒガンと名乗る明らかに怪しい少年がいた夜空を眺める。


「………」


欠けた月が綺麗(きれい)に輝いている。


無言で天に手を伸ばす。


「―――うっ!」


俺は口元を抑える。

血生臭い鉄の味。


「リクさん!」


ドタバタと走ってくるサツキ。


そうか、一応守れたのか………?


「き………教祖は………?」


さっきから爆音が鳴り響いている。

ヒガンが来てからよく分からない状況だ。



「ヒガンさんが戦っています……そんなことよりその傷………!」


痛ましいげに悲しげにこちらを見るサツキ。


ちゃんと傷を見ていないけどそんなに酷いのか………

本当に俺は死ぬのかもしれない。


『君は死にたいのかい?』


いつか聞こえた例の声が頭に響く。


『諦めないでよ………僕はそうなったら悲しいよ?』


()ねるようにそう言う声の主。


どうしてか分からないがはっきりと声が聴こえる。


「ごめん、なさい……!私、の、せいで………!」


サツキが泣いている?


『あ~あ。リク君、女の子泣かせた~』


「うる、さい………」


「ごめん、なさい………」


お前じゃねぇよ!


サツキには聞こえていないのか?


『そりぁね?それよりも聞くけど、君は生きたいのかい?それとも、ここで死にたいのかい?』


何を当たり前の、ことを言ってるんだ………?

聞くまでもないだろ?


「生き、たい…!」


「リク、さん?」


サツキは何が起こっているのか分からないようだ。


……………俺にも分からない。


「まだ、死にたく、ない………!」


喉が焼けるように熱い。


『そうかい。その言葉を待っていたよ』


俺の意識が闇に沈んでいく。


よく考えてみればなかなかに酷い幻覚だな。


「リクさん!」


サツキが叫ぶ。


優しく不器用な闇に抱きしめられたように感じた。


『絶対に死なせやしないよ!君が望まない限り!』



片目しか見えていない視界が暗転する。


「リクさん!リクさ――――」


サツキの叫び声がその場に響き渡った。





火の矢の雨を避けた教祖の前に高速で迫るヒガン。

速すぎてこの場で視界に捉えられるのは教祖しかいないが。


「ていっ!」


そのまま赤い包帯を巻きつけた右腕を振り下ろす。


『【渦汰破戒ショルダー・ブレイク】ぅぅ……』


教祖は左手を地面に触れ、辺りを呑み込む蒼い大波を起こし、自身を守る壁を生み出す。


「あ、やべ……あばっ」


ポチャン


蒼い波に呑まれるヒガン。


(ちょうど息吐いてたから苦し……あっ!)


波の中をグルグル回転しながら、今思い付いた技を試してみる。


「【ブラックボム】!」


バン!


爆音と共に崩れおちる波の壁。


『―――ッ!?』


「とうっ!」


無駄に空中でアクロバティックな動きをしながら着地すると教祖を見据え、銃の形に構えた右手を向ける。


「【よく分からない魔弾(アンノウン・バレット)】!」


紫色に(にご)った力の塊が飛んでいく。


『【未来世束(みらいよそく)】ぅ!』


神秘的に光る瞳を更に輝かせて対応する教祖。


「ふははは!」


笑ながら縦横無尽(じゅうおうむじん)に教祖に攻撃を浴びせていく。


『あんたぁ!』


「何?」


聞かれたので立ち止まるヒガン。


『【神閃なる一撃フレッシュ・シュラッシュ】ぅ!』


ヒガンはとりあえず赤い包帯が巻かれた右手を上にかざし、受け止める。


ドン!


(え………くそ痛いんだけど?)


「見ろ、この美しい闇夜を!だからさ!こんなことやめようぜ?」


(だから止めて、痛い)


『意味がぁ!分からなぁい!【神閃なる一撃フレッシュ・シュラッシュ】ぅ!』


「お願い!一回止まって!」


『【神閃なる一撃フレッシュ・シュラッシュ】ぅ!』


「おまっ!」


『【神閃なる一撃フレッシュ・シュラッシュ】ぅ!』


「くっ!これが天命なのか!?」


『……………』


「何か言えよ!」


無風の中、黒いコートを(なび)かせながら説得を試みるヒガン。


『無理ぃ!』


警戒しまくっている教祖はバックスッテプで距離を取り、闘銃『豆汁(ソイソース)』から黒くドロリとした弾丸を放つ。


「とりあえず!止まれ!」


ヒガンは右腕を前に出す。


空中で停止した黒い塊。


『ユニークスキル【寿司ビーム】ぅ!』


「な、何だ!?破壊光線(・・・・)か!?」


金色に輝く瞳が妖しく光る。

あと、ヤバそうなので避けるヒガン。


ドカン!


ヒガンが避けた先にあった瓦礫に当たり、爆発(・・)を起こす。


『―――ッ!?』


「やはり破壊光線だったのか!俺は今日も勘が冴えているようだな!」


ヒガンは、わはは!と笑うとまっすぐと教祖を見据える。


「お前も『それ(イット)』の一つなんだろ?」


『!?』


「そうか………一撃で(ほうむ)ってやるから、灰燼(かいじん)と化すがいい!」


左手を無駄に整った顔の前に添え、赤い包帯の巻かれた右腕を天にかざす。


「【ネロ・ステッラ】!」


光をも呑み込む深淵(しんえん)が放たれた。

クロキ「ん?」

リンネ「すぅすぅ………」

クロキ「もうすぐ着くな……リンネ、起きろ。リンネ?」

リンネ「んぐっ………すぅすぅ…………」

クロキ「起きろ。起きないと悪戯(いたずら)するぞ?」(耳元(ささや)きボイス)

リンネ「ん゛」(ビクッ!)

クロキ「どうした?大丈夫か、リンネ?」

リンネ「ぁ………えぇ。だ……大丈夫よ………」

クロキ「そうなのか?行くぞ?」

リンネ「さ………先に行ってもらって……いいかしら?」

クロキ「本当に大丈夫か?」

リンネ「い………一旦離れて!」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字等あれば報告ください。

「面白い!」「続きが読みたい!」と思った人は高評価、ブックマークの方、よろしくお願いします!


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[良い点] 後書きが謎の甘々で草 [一言] 伏線に痺れる憧れるゥ!
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