第六十七話 中二病って魔法ある世界だとどうなるの?
少し遅れました。
最近、暗い文章な気がするのは私だけでしょうか?
『【神閃なる一撃】!』
振り下ろされた神秘的な輝きを持つ一撃。
「間に合えぇぇぇ!!」
サツキの前に躍り出し、俺の持つ元は白かったはずの剣を振るう。
「【柳】ッ!」
今は黒く染まった剣。
というか何で変わったんだ?
「ぁ………………」
横目に口を小さく開いたサツキの絶望の顔が映る。
どうしてそんな顔するんだよ。
俺はまだ諦めていないぞ?
「はぁぁぁ!」
ぶつかり合う二本の剣。
教祖の黄色い剣からは虹色の流線形の無数の光が溢れ、俺の黒く染まった剣からは黒い渦を巻く闇が滲む。
『さっさとぉ!潰れろぉお!』
「くっ!」
俺は教祖のあまりのエネルギーに膝をついた。
受け流そうとしているにも拘らず、力が強大過ぎて受け流しきれない!
「リクさん!」
サツキの悲痛そうな声が響く。
バキッ!
俺の剣が嫌な音をたて、教祖とぶつけ合った部分が粉々に砕け散る。
「ぐはっ!」
俺は虹色の力の奔流に呑まれ、吹き飛ばされる。
「かあじゃ!」
「べるうh!!」
「kつhv!」
「ぼあkじゃ!」
いくつもの建物を貫通し、ようやく止まる。
左目の視界が真っ黒だ。
身体の感覚がない。
肺が、苦しい。
俺は何とか動かせる右手で痛む胸に触れる。
にゅちょ………
「―――ッ!」
ゆっくりと震える右手を左目の前にかざす。
そこに映ったのは真っ赤に染まった俺の手だった。
「おえぇぇ!」
気持ちが、悪い。
ここまでの重傷は初めてだ。
俺は……………ここで本当に死ぬのか?
エホウとの戦闘の時とは比にならない恐怖が俺を襲う。
『なにぃ………休んでるのぉ?』
俺が開けた穴から、ゆらゆらと揺れるシスターが着るような修道服の教祖が歩いてくる。
もうやめてくれ………
俺は肺いっぱいに鉄臭い空気を吸い込む。
『これからだよぉ?』
幻想的に光る蒼い瞳を輝かせてそう言うと飛び上がり、空を泳ぐように加速する。
俺は…………
『終わりぃ!』
俺には…………きっと、無理だったんだ。
ニヤニヤと意地悪く笑う教祖。
『―――ッ!?【未来世束】ッ!』
教祖が上を向いた瞬間に上空から降り注ぐ火の矢。
「ふはは!街に火が上がっていると思って来てみれば……………シースー教の教祖様じゃないか!」
俺は無心で上を見上げ、思考が停止した。
「久しぶりだな!……………え?瀕死の奴いるじゃん……………」
ようやく俺に気付く少年。
黒髪に赤いメッシュが入っていて、黒と金のオットアイズ。
右腕には赤い包帯が巻かれており、黒のコートを着ている。
このままでも十分怪しいが問題はそこじゃない。
「大丈夫か?……うーん、大丈夫な訳ないか……」
なんか………変なポーズ取ったまま、ゆっくりと上空から落ちてきてる。
ヤバすぎる。
これまで色んな人を見てきたけど上位十名を争うぐらいに変人だ。
「俺の名前はヒガン=アガレア!よろしくな!」
更にポーズを変えて言うヒガンと名乗る少年。
「まずはあいつを倒すのが良いと俺の天命は告げている!すまんが行くぞ!」
少年は真剣な顔をすると周りの空間が歪み、そして姿を消した。
は?
何コイツ?誰?
ガンツ「腹が痛いの………」
マオちゃん「ガンツ爺、大丈夫か?」
ガンツ「そう信じたいところじゃが………」
マオちゃん「何食べたのじゃ?」
ガンツ「アイリーンお手製のスープじゃ………」
マオちゃん「あやつ………お仕置きが必要じゃのう………」
アイリーン「くしゅん……ひぃっ!急に悪寒が………!」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字等あれば報告ください。
中二病のポーズ…………それを考えるのに友達と議論してました。
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