第五十三話 優秀なオタクは素晴らしい!
コギト・エルゴ・スム
(我思う故に我在り)
――ルネ=デカルト――
私は彼を自分以外何も信じれなくなった可哀そうな人と解釈してます。※個人の感想です。
嫌な予感がする。
クラウンが悪戯をしてくるときの感覚とは違う。
これはヤバいのが来る感覚だ。
『キモキモアイランド』に行ってから神威と同じく感じるようになった。
野生の勘的なアレだ。
俺は急いで着替えて居間に降りる。
「あっ、おはようございます♥」
サツキが完璧にポーズを決めて挨拶する。
こいつ、いつもこんななの?
無意識が大事だとは言うけどさ。
「リク殿も起きたでござるか。昨晩の内にシースー教について情報をまとめたでござるよ」
謎に巻物だ。
「何々?この街の幹部の人数は全部で15名。教祖も入れて16名」
めちゃくちゃ幹部いるじゃん。
「最高幹部はブルーフィン、エホウ、イナリ、テッカ=マキ、カッパ=マキの5名」
残り2名もいるの?
「諜報員が様々な場所で確認されおり、常に警戒を怠ってならない」
他にも色々な情報が書いてあった。
組織の場所、幹部の巡回ルートまで記されている。
ワキヲ、優秀すぎてヤバい。
「最後に、教祖に出会ったら逃げること。って強いからか?」
本気でやっても勝てるビジョンが浮かばないんだが?
二つのバフの状態で技を放ったのに止められたし。
「それもあるが奴の真に恐ろしいところは……………」
部屋の中を爆発音が響く。
「ここが本拠地なのかなぁ?カッパ?」
「教祖の言う少年がいるからそうじゃないかな?」
煙が晴れると赤と緑の髪で黒の修道服の男女が現れた。
顔が似ているので姉弟だろう。
「まぁ、いいっかぁ。全部燃やすだけだし」
俺は白い剣を赤髪の少女に突き付ける。
人の家を爆破しやがって。
「消す」
俺は【加速】を詠唱しながら接近する。
「よく言うね?ねぇ?エホウ殺しのバケモンッ!」
水で造られた壁で止められる。
「ハイハイ。ここから【爆水】、でどう?」
「くっ!」
水の壁が爆発し、少し後退する。
「仕上げぇ、上級魔法【過剰超火】」
「―――ッ!」
子どもの鯨ほどの炎が俺を包む。
だが、俺はギリギリ【加速】が発動し、間一髪下に避ける。
「拙者も加勢するでござる」
「オレ様もいるぜ?恩人?」
ヤヨイが苦無を投げ、ワキヲがスーパーヤクザソードで緑の髪の少年に切り込む。
ワキヲは美少女のシャツを激しく揺らしながら逆手に刀を持った。
「サツキ様は逃がしたでござる」
「バフなしか……………いけるか?」
横に来た時にぼそりと小声で言うワキヲ。
「君たち、ヤクザかい?」
緑の髪の少年が後ろに下がり水の槍を放ちながら言う。
「ヤクザじゃない!マフィアだぜ!」
ヤヨイが叫ぶ。
「フーン……………」
ニッと笑う赤髪の少女。
「じゃあ、殺すぅ!」
ワキヲと俺が攻撃を仕掛け、ヤヨイが苦無を投げた。
「【河渦】!」
「【渦煉】!」
上級魔法を同時に!?
「ぐっ!」
炎と水の渦に飲まれる!
「ヤヨイ様!」
「師匠!」
ワキヲ、師匠なんだ……………。
俺は力の奔流に呑まれた。
クラウン「リク、元気にしてるかなぁ?」
タカナシ「そうじゃないすか?」
クラウン「ジャーニーをエンジョイしてるといいけど……」
タカナシ「ちょっと分かりにくい言葉やめてもらっていいですか?」
クラウン「……………心折れそう」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字等あれば報告ください。
コメントがあればそのキャラの後書きを書きます。