第五十一話 シュレディンガーの猫
googleで『キモキモアイランド』と検索するとトップに出てきました。
使っているの私だけだったんですね。
「リク殿!大丈夫でござるか!?」
お前の頭が大丈夫か聞きたい。
「何でヤクザなんだよ!?マフィアじゃないかよ!?」
俺は頭痛の痛みを抑えながら聞く。
「製作者がそう名付けたでござる」
「誰?その製作者?」
「この高名な天才錬金術師、ワタ=シテンサイでござる」
ワタ=シテンサイって刀作れたんだ。
流石、天才錬金術師。
名前まで天才級だな。
もういいや。
ツッコミ疲れた。
「それでここは?」
たぶん逃がしてくれたんだろうけど。
「拙者らが使っていたアジトでござる」
なんか虎の蒔絵とか刀が掛けられてたり、床見たら畳なんだけど?
実はワタ=シテンサイの判断は正しかった…………?
「フェリスファミリアの初代は異界人だったそうです」
サツキが補足する。
「目つきの鋭い人だったそうでござるよ」
普通にそれ、ヤクザじゃね?
しばらく話していると障子が開く。
「起きたんだな!恩人!」
黄色のマフラーを巻いた、サツキに似た猫耳の少女が現れる。
そういえばエホウとの戦闘でいたな。
ワキヲと同じように無傷だった気がする。
「オレ様の姉貴を二度も助けてくれたんだってな!ありがとよ!」
「どういたしまして」
ありがとうという言葉を考えた人は天才だと思う。
この一言だけでこれまでの苦労がいいものに思えてくる。
「こら!恩人だったら敬語を使いなさい!」
サツキから『ぷんすか』って効果音がしてる。
ちょっと可愛い。
え?よく見たら文字が出てんだけど!?
これが『猫耳キャウーンアイドル』の成せる業なのか!?
「べ、別にいいですよ。それにしても愛らしい妹さんですね」
「いえ、私たち姉弟なんですよ?」
姉弟?
「オレ様はヤヨイっていうぜ。よろしくな」
ニャと笑う可愛らしい少女。
俺はある単語を思い出していた。
『性別行方不明者』
男の場合は男の娘、女の場合はイケメン女子というらしい。
それぞれともに人々の欲望の捌け口にされやすく、保護する必要のある存在だ。
この世界に総数は少なく見つけることは困難だという。
また、男の娘の定義は未だ確立されておらず、『この言葉の定義をめぐる領域は、銃弾飛び交う戦場にも似てい』るらしい。(この一文だけWiki●edia参照)
リンネさんが熱弁していた。
そういえばWiki●ediaって何?
リル「リンネさんの論文読みましたか?」
クラウン「たしかワードスラングに関するものだったよね?」
リル「異界の言葉を知るのは楽しいです!そういえば『意識高い系(笑)』って言葉知ってますか?」
クラウン「い、いや~。し、知らないな~」(上手な口笛)
リル「それによると『意識高い系(笑)』というのは『Engrishなどの横文字の単語を多用』、『海外旅行に行って価値観が変わったと発言』といった行動をするそうですよ!」
クラウン「へぇー、そうなんだー」(遠い目)
リル「さらにですね!ほかにも…………」
クラウン「うん、そうだね…………」
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