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第四十七話 寿司は伸びます。

今日、朝起きたら手が切れてました。

とてもビックリしました。

どこで引っ搔いたのでしょうか?

身体じゅうが痛い。

骨にひびが入ったかもしれない。


俺は剣を地面に刺して、何とか立ち上がる。

頭から血が出ていて視界が(にじ)む。


「お前はここで寿司になる。それは運命だ!」


エホウの掲げた巻き寿司が伸びていく。

如意棒(にょいぼう)みたいな寿司だな。


エホウはそのまま巻き寿司を振り下ろす。


頭が痛い。

身体に力が入らない。


俺はここで死ぬのか?

いや、奴らの言葉を借りるなら寿司になるのか?

そもそも寿司になるとはなんだ?


そんなクソしょうもないことを考える刹那、俺は走馬灯を見た。




ギルドの地下室で俺は第四の試練を受けていた。


「相手がもし、あなたよりも力が強いときは攻撃を正面から受けるのは得策ではないわ」


薄いピンク色の髪の少女が言う。

お世辞にも背が高いとは言えないが、俺の剣の師匠だ。


「避けるのが一番。こうやって敵を翻弄するの」


舞うように剣を振りながらステップを刻む。

『舞姫』の名に恥じない可憐な舞。


俺は少しの間見惚れたが、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。


「もし相手が俺よりも力が強くて速かったらどうするんですか?」


「そうね…………」


考える薄いピンクの髪の少女。


壁に掛けられた天才錬金術師、ワタ=シテンサイが発明した時計の針が半周する頃、口を開いた。


「まぁ、その時は諦めなさい!」


「あ、諦めるんですか!?」


冗談よ、と少女は笑う。


「そういう時は受け流しをするの。難易度が高すぎてそういう流派じゃないと滅多にやらないけど……」


「受け流しですか?」


たしかに受け流し、って聞いたことあるけどギルドの誰も使ってないな。


「でも、クロキ相手だと使えないと厳しいわね…………仕方ないから教えてあげるわ」


それから少女は俺を近くに呼んだ。




俺の意識が現実に戻ってくる。


そうか!受け流し!


第一の試練の時にもやって以降、体勢が崩れるからあれから使ってなかった。

だから完全に忘れてた技。


「【柳】」


ほぼ限界の身体から放たれた技はあまりにも(つたな)く、師匠が見たらボコボコにされそうな出来だったが何とか受け流すことに成功する。


右頬を血が伝わる。

そして俺の見える世界が爆音と共に白に染められた。


「ぐはっ!」


俺は吹き飛ばされる。

音が聞こえない。

砂埃で周りが見えない。

そんな中、俺は地面に倒れこむ。


砂埃が晴れると街は崩壊していた。

ピンクの髪の少女はもっと早くに出す予定でしたがタカナシに出番を奪われました。

ちょっと可哀想です。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字等あれば報告ください。

コメントがあると嬉しくなります。

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