第四十五話 ごめん、名前が出てこない
一緒に小説を書こうと言っていた友達が全然書いてくれなくて私一人しか小説を書いてないです。
寂しいです。
俺は宿の部屋でシース教について考えていた。
シースー教について昨日の戦闘で分かることは三つ。
マグロ怪人が組織の中でそこまでの可能性はあるがとりあえず置いておく。
一つ目、幹部には最高幹部と幹部、そして教祖がいる。
幹部の実力は正確には分からないが最高幹部よりは弱いだろう。
最高幹部クラスであればサツキさんのバフと俺の【加速】があれば倒せる。
教祖に関しては見つかったら、寿司にされる可能性が高い。
まだ実力を隠していそうだ。
特にあの濁った黄色の剣、正面から俺の攻撃を防ぎやがった。
そして二つ目、魚の武器を持つ幹部には料理スキル(魚)に弱いということ。
タカナシさん直伝のスキルにある【三枚おろし】や【骨切り】が結構効いてた。
出来るだけ多用していこう。
最期に三つ目、最高幹部はユニークスキルを持っている可能性が高い。
ユニークスキルとは普通のスキルと違い、自分にしか使えないスキルだ。
それの獲得には自己のアイデンティティの確立がキーとなる。
自己のアイデンティティの確立、つまり自分が何者で何のために生き、何を成すのか、それを明確に認識しているということだ。
ブルーフィン、まぁマグロ怪人のことだが、あいつはマグロへの愛だろう。
「……………………」
てか自己アイデンティティがマグロへの愛ってなんだ?
…………考えないようにしよう。
「リクさん♥おはようございます♡」
メイド喫茶で働いているとき同じように計算されつくされた完璧な動きで挨拶するサツキ。
俺は眼鏡とサツキと待ち合わせをしていた。
「なぁ、眼鏡はどうしたんだ?」
眼鏡がいない。
戦力は分からないがいないよりはましだろう。
「ワキヲ様ならシースー教の情報を集めてますよ。『拙者にしかできないことがある』、って」
サツキはニンニンと可愛らしくポーズをした。
「どうやら昔の伝手を使うそうです」
アイツ結構やるかもしれない。
「今日はどうします?私、店はしばらく開けないですし………」
ちょっと口を尖らせて言う。
「幹部って普段どこにいるんだ?」
ちょっと気になる。
「その辺に居ますよ」
サツキは向こうを指さした。
向こうから落ち着いた声が聞こえる。
「…………子供たちよ、全人類が寿司になれば世界は平和になるのだ」
渋いおっさんが遊んでいる子供たちに布教していた。
完全に絵柄がアウトな奴じゃん。
「だから、私は特に恵方巻になることをお勧めする。恵方巻は人々の幸福を願うもの。それ故に世界に幸福が…………」
だが相手は子どもだ。
「面白くなーい」
「おじさん、なんか嫌」
子どもたちが容赦のない言葉のナイフで抉っていく。
「しかし、幸せというものは…………」
「こいつ生臭くね」
「ホントだ~!くっさ~い」
もうやめて!おじさんのライフはもうゼロよ!
「ガキどもが!私が下手に出ていれば調子をこきおって!」
青筋を浮かべるおじさん。
「私はシースー教最高幹部が一人、エホウ。私に楯突いたことを寿司なってからも後悔しろ!」
エホウは長い長い巻きずしを構えた。
リル「…………」
リラ「何?怖いんだけど?」
リル「…………」
リラ「だから何よ?」
リル「何かが起こる?」
リラ「いつも言ってるけど意味のない意味深なセリフやめてよ!」
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