第三十八話 明るい奴に悪い奴はいないと思いたい
前回で終わりだと思いましたね?
それは私も思いました。
実は二時間ぐらい悩みました。
「着いたで、リク」
シャクセンさんが奥に遠くに見える陸地を指して言う。
この航路は順調だった。
クラーケンのようなモンスターは出なかったし、特に問題はなかった。
一つだけ驚いたのはこの戦艦、俺とシャクセンさん以外誰も乗っていないのだ。
めっちゃデカい船なのに一人で動かすってどんな原理なんだろ?
「この港はマリトッツォっちゅうねん」
「へぇ、なんだかかっこいいですね」
「ま、まぁそうやな」
何故か目を泳がして言った。
なにか間違っているだろうか?
マリトッツォってかっこいいと思うんだけど?
「ほな、頑張れよ。ガキンチョ」
「はい!」
俺はこれから強くなって今度こそ…………。
港はなんだか活気がなかった。
たぶん地元に馬鹿でかい軍艦が来たからだろう。
俺だったら絶対嫌だわ。
戦争かと思うじゃん。
「腹減ったし、まず腹ごしらえにしよう!」
クラウンが旅をしていた時の話で言ってたけど旅の醍醐味はその土地の食事だそうだ。
お金ならちょっと多いぐらい持ってる。
かばんの中にこっそり入れられてた。
たぶんクロキさんかガンツ辺りだと思う。
俺は陽キャそうな男性が髪の毛を金髪に染めるか銀髪に染めるか話していたので、質問することにした。
「あの、少しいいですか?」
「あん?」
なんだお前は?みたいな目でみられてしまった。
まぁ、そうかな。
「お伺いしたいことがあるんですけど、いいですか?」
陽キャそうな男は話していた人に断ってこちらに向く。
「おう、あんたみたいないい顔をしている男は久しぶりに見たぜ!あんた、陽キャの素質があるな?」
「ありがとうございます…………?」
陽キャの素質ってなんだろ?
「それで?何が聞きたいんだ?」
陽キャはいい。
人に優しい奴が多いのだ。
「この辺で美味しい店知りません?俺、初めて来たんですよ」
美味しい、辺りでビクッと身体を震わせる陽キャの男。
「わ、わりぃな、他を当たってくれ。力になれねぇ」
そう言って去ってしまった。
「変なの…………」
俺は三十人に聞いて全員に断られた。
なんでぇ?
「あの、すいません。ちょっと質問いいですか?」
俺は猫背で黒い縁の太い眼鏡に女の子のキャラクターの絵柄が描かれたシャツを着た男性に話しかけた。
初めて見るタイプの人間だ!
世界は広いな!
「おぬし。拙者に、な、なんの用でござるか!」
わぁお。独特だぁ。
「この辺に美味しい店知りません?」
でも聞くしかない。
「美味しい店でござるか?」
眼鏡をスチャッとして言った。
おっ?当たりか?
「うむうむ。いいところがあるでござるよ!拙者について参れ。い、いや、付いてきてください!」
「ありがとうございます!」
人は見かけによらないな。
俺はオタッキーな男性についていくのだった。
リンネ「クロちゃん、クロちゃん。遊びましょ」
クロキ「なんだ?突然?」
リンネ「ノアと遊んでたって聞いたのだけれども?」
クロキ「国を滅ぼすのを遊びとは呼ばんが?」
リンネ「たしかにそうね…………」(やっぱ駄目かしら…………)
クロキ「ふむ、少しぐらいはいいだろう」
リンネ「え?いいの?」
クロキ「む?貴様が望んだのだろう?」
リンネ「ありがと」
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