第二話 最初に出される試練はたいてい簡単
少し短くなってしまいました。
「どういうことですか、クロキさん?」
リラの双子の妹、リルが言った。
リラは活発な強い女の子だけど、リルは丸眼鏡をかけていておとなしい印象を与える女の子だ。
事務能力はクロキさんに認められるほど高いけど。
「そのままの意味だ。十五歳までに試練をクリアできなければリクは追放する」
クロキさんは表情の読めない顔で言う。
「そ、そんなの絶対に認めません」
「ふん、私の決定は絶対だ。貴様ごときに拒否権はない」
クロキさんはそこで言葉を切り、コーヒーに口をつけて続けた。
「そもそも受けるか受けないか決めるのはリクだろう」
「ですが……」
正論で突っ込まれ口ごもるリル。
「受けます」
俺はきっぱりと口にする。
これは俺が決めたことだ。
それが俺の乗り越えなくてはいけない試練ならやってみせる。
「よかろう。それでは試練の内容を告げよう。心が折れ、絶望することも多いだろう。だが、途中で投げ出すことは許さんぞ」
「分かっています」
ってあれ?
クロキさんが「絶望する」って宣言するレベルってヤバいんじゃね?
一瞬の思案の内にクロキさんは一つ目の試練、そして一番難しい試練の内容を告げた。
「一つ目の試練だ。模擬戦で手加減した私に対して一撃でも当ててみせよ」
自信満々に言い切ったクロキさんについ口が出てしまった。
「それ、最後に回してもらっていいですか?」
「む?なぜだ?一番簡単だろう?」
「「「なわけあるか」」」
みんなの声が重なった。
どうやら、俺の試練は前途多難なようだ。
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