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第二十八話 ツンデレが混じってる気がする ※クロキ視点

※第一話のクロキ視点です。

 第一話と合わせて読むのをお勧めします。

「リクをウェイクアップさせにいくね★」


クラウンがクネクネしたダンスをしながらリクの部屋に向かっていった。


「あら、いつの間にかクラウンに変なスイッチが入っちゃったみたいね」


リンネが私のすぐ横でリンゴを齧りながら呟く。

少し、近い…………。


「追放は確定なので皆さん実力行使に出ないでくださいね」


リルが皆に聞こえるように言う。

この前の会議で確認しただろう?

なぜここで再び確認する?


「クロキにそんなことする奴がいるわけないだろ」


やはりな。

リルの言葉を聞いて、銀髪の口調の悪い男が言う。


「一応です!確認しただけです!」


「だが、そもそもリクのことをとやかくいう奴なんてこのギルドの半数もいないだろ。会ったことがない奴も多いんだし」


「そんな言い方無いでしょう!」


「事実じゃねぇか!」


うるさい…………。

これから大事な朝食の時間だというのに。

銀髪全部抜いてやろうか?


「黙れ」


私は軽く不機嫌になりながら睨む。


「ギルドの者同士での喧嘩はするなと言ったはずだが?」


「すいません」


すぐに謝るリル。

大人しいリルが感情的になるなんて珍しいな。

最近夜更かしをしているようだし体調が心配だ。


「すまん、クロキ。つい感情的になっちまった」


何が「つい」だ。

お前はずっとだろう。


「おはようございます」


「おっは~」


入ってきたリクにリラが答える。


リラ、いつの間に起きたんだ?

次々と挨拶していく面々。


「おっす、リク」


なんだかんだ言って銀髪も軽く挨拶する。


「起きるのが少し遅いんじゃないか?」


リクが席に着いてから聞く。

夜更かしでもしたのか?


「すいません」


「主役が遅れると予定が崩れる。謝らなくていいから、行動で示せ」


「はい」


「おいおい、ミスター.クロキ。彼は今日、ハッピーバースデイだろう?ハッピーにしないと」


「む?」


そういえばリクは十歳になったのか。


「ま、まさか。忘れてたのか?」


そんな訳ないだろう。

私はギルドメンバー全員の誕生日と歳を覚えているぞ。


「…………」


私は大きくなったな、とリクを見つめる。

これから様々な困難があるだろうが頑張ってもらいたい。


「リクく~ん、これ誕生日プレゼントだよ~」


リラがプレゼントを渡す。

それを皮切りに皆がプレゼントを渡していく。

ちなみにだが、銀髪の男も笑顔で渡していた。


さて、私もプレゼントを渡そうか。


「リク、こちらに来なさい」


「はい」


「プレゼントのことなんだが……」


早く渡しておきたい。


「俺からお願いしたいことがあります」


リクは緊張した様子で言う。


「俺を正式にこのギルドの一員にしてください」


「…………」


どうしたものか……。

今のリクにはギルドの一員は荷が重い。


「力不足だろうけど頑張ります。お願いします」


ここまで言うか…………。


ふむ、これは私のプレゼントは没だな。


追放するのは確定だったが、チャンスぐらいは与えてやるか。


「……ふむ、よかろう。ただし、これから提示する十の試練を十五歳までにクリアしてみせよ」


「ありがとうございます!」


私はそっとプレゼントをしまったのだった。

クラウン「プレゼント渡し損ねたね、クロキ」

クロキ「ふん、アイツが望んだことがプレゼントの方がいいだろう」

クラウン「あれ?もしかして拗ねてる?」

クロキ「…………」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字等あれば報告ください。

コメントがあると嬉しくなります。


第一章が完全に終わりました。

いぇい。

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