第二十二話 観戦者巻き添え型戦闘
モクモクする。
「【微塵切り】」
いつの間にかファイティングキモイに接近していたタカナシさんから、ロールパンを一撃で消滅させた技が放たれる。
だが、ファイティングキモイは両腕を赤黒く変色させて斬撃に合わせる。
『ハクアァイアダ!』
「はは、相変わらず硬いね」
乾いた笑みを浮かべる。
『クルルルゥ!』
返事とばかりにファイティングキモイから蹴りが放たれる。
「君さ。地味に話せる言葉多いの何なの?」
躱しながら言う。
『ギャンギャン!』
ファイティングキモイのペンギンの覆面のくちばしから赤黒いビームが撃ち出された。
「出た!謎ビーム!」
だがタカナシさんは空中を蹴り、方向転換することで躱す。
ビームは丘に衝突すると馬鹿でかいクレーターを生み出した。
俺、巻き込まれたらヤバくね。
「【千切り】!【炒】!」
タカナシさんはその隙に接近し斬撃と大火炎を撃つ。
『ワダハヅグゲッ!』
沢山の斬撃と熱攻撃を受け、一瞬形が崩れたがすぐに再生し右ストレートを放つ。
その衝撃で地形が変化する。
「それ、マジでくそでしかない」
タカナシさんは大剣で受け止めたが大きく吹っ飛ぶ。
ファイティングキモイは大きく拳を構え、タカナシさんはトゲトゲの付いた大きなハンマーを亜空間から取り出した。
あれはたしか肉を柔らかくする料理器具だったような……。
「ふっ!はぁッ!」
タカナシさんは赤黒く変色したファイティングキモイにハンマーをぶつけていく。
受け止めた衝撃がここまで来る。
「ハハハッ!潰れてくれ!」
『ゴトワルガンアンダンデ!!』
拳を合わせて対応するファイティングキモイ。
赤黒い攻撃と紫紺の攻撃が激突する。
斬撃や火、ときに氷を放ちながら動き回るタカナシさん。
そのすべてを打ち砕く化け物、ファイティングキモイ。
地図があるのか知らないが書き直さないといけないだろう。
俺はというとその余波に巻き込まれないよう逃げるのだった。
???『男の意識が完全に逸れた?』
『チャンスは一度きり……』
『失敗するかもしれない』
『……………………』
『僕には愚行権がある』
『少年、こっちにおいで』
『お願いだから…………。僕はもう、耐えれない』
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