第二十一話 要求されるもの
ぞわぞわする。
メキモの攻略方法は結構簡単だった。
的確に目の水晶体を抉り取ればいいらしい。
タカナシさんはメキモをスパスパと解体していく。
「慎重にするんだよ」
「はい!」
「うん、いい返事だね!」
狩っていてふと気づいたことを聞いてみる。
「そういえば、これの特殊効果って何ですか?」
「ええっとね。たしか、魅力が少し高まるとかだった気がする。あとちなみに顔面犬ムキムキ男は再生能力だったかな」
へぇ。
やっぱり一個一個違うんだ。
「まぁ、上級料理人クラスじゃなきゃクセが強くて美味しくできないかもだけどね」
ニコニコして言う。
あれっ?たしか俺の試練ってこの島で料理することだったよな?
俺って、もしかしてプロレベル要求されてる?
「リク、ちょっとおいで」
気持ち良く狩りをしていたところ、草むらに隠れるタカナシさんに呼ばれた。
いや、やっぱ気持ち悪いわ。
タカナシさんの二メートルほど近くに行く。
そこから見えたのはペンギンの覆面にジーパン、そして上半身は全裸のムキムキ怪人がいた。
キモい。
そしてなぜか胸の筋肉をピクピクさせてる。
「アイツの名は【ファイティングキモイ】。見つけられると厄介だ。行くよ」
「厄介ってどういうことですか?」
『キモキモアイランド』のモンスターはどれも厄介な性質あると思うが、タカナシさんは様々な攻略法方法を編み出していたのに。
「生物を見かけると所構わず戦闘してくる上に再生能力が非常に高い。更に炎、氷、雷などいろいろ試したが上手くいかなかった。唯一倒していたのはクロキだけだと思う」
あのペンギンの覆面が?
「じゃあ、クロキさんはどうやって倒したんですか?」
結構気になる。
めちゃくちゃ強いタカナシさんに倒せなくて異次元に強いクロキさんに倒せた理由が。
「原理はよく分からないけど、高笑いしながら光の柱で消滅させてた」
怖っ!
そんなクロキさん恐怖でしかない。
「う~ん。今思うと悔しいな。後輩の前だし、挑戦はするかな」
クロキさん悔しいってこと思う人いるんだ……。
指を鳴らすと普通サイズの包丁が消え、昨日の戦闘で使っていた大剣がタカナシさんの手に握られる。
布を解くとタカナシさんは黒い大剣を正面に構えた。
ゆっくりと世界の色が紫色に変化していった。
???『誰か助けてぇ?』
『奴にばれれば存在が危うい……』
『僕は誰?』
『あの子供は器たりうるのか?壊れそう……』
『やはり誘導を……』
『僕は僕だ』
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