第二十話 トラウマ再び
クルクルする。
タカナシさんに俺は降ろしてもらって顔面犬ムキムキ男と俺が戦闘した砂浜に来た。
『グル?』
果たしてそこには全裸でムキムキ、そして犬の首を持った怪物が遊んでいた。
やはり、油のようなもので光って見える。
ううっ、トラウマが……
球体と化した顔面犬ムキムキ男はすでに俺に多大なる精神的ダメージを与えていた。
「これから、これの調理方法を説明するよ」
なんてことない顔で黒い包丁を持って構えるタカナシさん。
今日の獲物は昨日見たのと違って本当に普通サイズの包丁だ。
紫色のオーラが少しだけ溢れる。
『ガルッ!』
それを見て危機を感じたのか、すぐに飛びだしてきた。
顔面犬ムキムキ男に合わせてタカナシさんは攻撃を合わせる。
「【弱火】」
『キャン!』
初級魔法と斬撃を同タイミング、同か所に当てる。
パネェ……。
これ、結構な繊細なコントロールが要される業だ。
何事もなくこれをするのは熟練の技術が必要だと思われる。
顔面犬ムキムキ男の足が綺麗に切断される。
「こいつは炎に合わせると再生しない。だから、火と同時に解体することで状態のいいままで素材が手に入る」
タカナシさんはそう言って顔面犬ムキムキ男をバラしてしまった。
技が綺麗でつい見惚れてしまったがよく考えたらグロいな。
「君もやってごらん」
タカナシさんの顔の彫りが少し深くなった。
俺は唾を飲む。
「分かりました」
集中しないと。
俺はこれができるようになるまで集中して顔面犬ムキムキ男を狩り続けた。
発狂しそう……
すべて【過剰超火】で燃やしてしまいたい。
「次はこれ」
示されたのは特に何もしてこなかったメキモ。
目があってその下に「Ω」みたいな足がついている。
ずっと踊ってるけど何をしてるんだろ?
「これはうまく狩らないと大怪我するからよく見るんだよ」
大怪我?
「この島のモンスターにしては無害な方だと思いますが?」
「まぁ、見てて」
その辺にあった石を投げつけた。
まぁ、それでも一般人が直撃すれば死ぬだろうという速度は出ているが。
ドゴーン!
結構離れていたのに熱風が頬を撫でる。
「とまぁ、そのまま殺すと大爆発する」
大きくできたクレーターを確認し、静かに俺は冷や汗を流すのだった。
攻撃しないで良かった!
???『子供がいる?』
『無意識間に干渉することで誘導を……』
『それでは奴にばれてしまう』
『これ以上待てない!』
『落ち着かなきゃどうしようもない』
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