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第一話 十の試練

これからの概要

第一章 伏線を張りつつふざけ倒す

第二章 もともと閑話でふざけるつもりだった

第三章 熱い展開やバトルシーンを多めにしてふざける


あれ?ずっとふざけてる?

「グッドモーニング!リク!今日は何の日か知っているかい?そう!君の十歳の誕生日だ!ハッピーバースデイ、リク!」


眼前に現れるはピエロのメイクにカラフルな衣装を身にまとう中性的な顔立ちの男、クラウンだ。

なんかエプロンを巻いてる。

ピンク色でお花の刺繍(ししゅう)がしてある。


「は、はぁ。おはようございます……」


「どうしたんだい、リク?元気がないようだが?今日は君の誕生日だぞ?」


クネクネしていて気持ち悪い。


「そりゃ、朝起きて目の前にエプロン姿のピエロがいたら誰だって元気が無くなりますよ」


「そんなことはないだろう?私だったら嬉しさのあまり涙を流してしまう」


両手を顔に当て上を向くクラウン。

それはお前だけだろうという視線をクラウンに向けベットから降りて着替え始める。


「もうすぐ朝食の時間だから早めに降りてきてね。それじゃっ、グッバイ!」


クラウンも言っていたが今日は俺の誕生日。

十歳の誕生日だ。


俺はとある覚悟を決めてみんなの集まっているであろう食堂に赴いた。




食堂に入ると既にほとんどが着席していた。


「おはようございます」


「おっは~」


一番返すのが早かったのはリラ。


すごく眠そうだ。

俺のために早起きしてくれたのだろう。

いつもはもう少し遅いのにありがたいな。


それから俺はみんなから挨拶をしてもらい席につく。

長い長い、長テーブルの席で俺がいつも座っているのは端っこ。

正面にはこのギルドのボス、クロキさんがいる。


クロキさんが口を開いた。


「起きるのが少し遅いんじゃないか?」


「すいません」


「主役が遅れると予定が崩れる。謝らなくていいから、行動で示せ」


「はい」


いきなりクロキさんに説教されてしまった。

クロキさんはことあるごとに俺のことを説教しに来る。

俺がこのギルドの中で唯一苦手な人だ。

みんなどうしてこの人についていくんだろう?


「おいおい、ミスター.クロキ。彼は今日、ハッピーバースデイだろう?ハッピーにしないと」


クラウンが助け舟を出してくれる。


「む?」


「ま、まさか。忘れてたのか?」


いや、そんなわけないじゃん。

さっき俺のこと「主役」って言ってたじゃん。


「ああ、そうか……。もうそんな歳か」


「あはは、君はいつも抜けているねぇ」


クラウン、信じちゃだめだよ。

てか、口調が素になってない?


「…………」


すると、クロキさんがこちらをじっと見てきた。

えっ?怖っ。何?


「リクく~ん、これ誕生日プレゼントだよ~」


リラが視線を遮ぎってくれた。感謝の念を送る。


「ありがとうございます」


リラが俺に対し、細長い箱を渡す。


「開けて開けて♪」


「すごく綺麗な剣……」


「ガンツとウチのプレゼントだよ♪」


ガンツに視線を向けると反らされた。

ガンツはこのギルドの鍛冶師だ。

『神代の鍛冶師』とか大層な名前で呼ばれているみたいだが、俺からすればただの強面の愛妻家でしかない。


「ガンツさん、ありがとうございます」


「まぁ、かわいいリク坊のためだからな」


感謝するとおっさんの照れ顔っていう誰得な光景が見れた。


「ウチが材料を揃えたんだ~」


リラとガンツを筆頭にみんなからプレゼントを渡される。

やっぱり誕生日っていいな。

クロキさんはくれないのかな。

このギルドっていつも朝にプレゼント渡すんだな。

なんて感傷に浸っているとクロキさんに呼ばれた。


「リク、こちらに来なさい」


「はい」


「プレゼントのことなんだが……」


クロキさんの言葉が詰まる。

用意してないとかを言いたいんだろうか。

じゃあ、さっきのは素なのか?

この場合どうなるのか気になるが、まぁそれなら、言いたいことを言おう。


「それに関してなんですが、俺からお願いしたいことがあります」


俺は今日、かねてから思っていたことを言うんだ。


「俺を正式にこのギルドの一員にしてください」


「…………」


周りが静かになる。

難しそうな顔をするクロキさん。

ダメっぽいかもしれない。


「力不足だろうけど頑張ります。お願いします」


「…………………ふむ、よかろう。では、これから提示する十の試練を十五歳までにクリアしてみせよ」


「ありがとうございます!」


俺は歓喜のあまり飛び上がりそうなった。


「ただし、クリアできなければこのギルドを出て行ってもらう」


「「「「え?」」」」


周りの人も同じように驚く。


「当たり前だ。それくらいの覚悟の無いものにこのギルドの者は務まらんからな。覚悟はしているのだろう?」


唾を飲み込んで俺は言った。


「やってみせます!」


このとき俺は、この十の試練が地獄だということは知らなかった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字等あれば教えていただきたいです。

これからも頑張りますね。



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