第十二話 どんなものでも集まるとキモくなりがち
リンネ「リクは大丈夫かしら?」
クロキ「今頃モンスターに出会って笑ってる頃じゃないか?」
リンネ「何度も言うけど、あれを(笑)で済ませられるのは貴方だけよ」
クロキ「そうなのか?」
リンネ「はぁ~」
「すごいな……」
森、というよりジャングルは様々な植物がいた。
イチゴとバナナというありえない共生や一部だけ砂漠化しサボテンが生えているところもあった。
更には、低地にコケモモが生えてる。
「なんか生態系がキモいな」
リルの授業でやった生物の授業がアホ臭くなってしまう。
まぁ、リルに言ったらボコボコにされそうだけど。
「ん?」
なにか居るのか?
強い視線を感じる。
『ジー』
レンズの付いた四角い箱が木の間からこっちを見てる。
箱にちっちゃい人型の身体が付いてる。
ちょっとかわいい。
歴史書にあった伝説の錬金術師、ワタ=シテンサイが開発したとされる高級品『キャメラ』を彷彿とさせるな。
見たところ敵意は無いようだ。
期待はしないが一応【鑑定】しとこ。
【カメラロケット】
盗撮野郎。以上。
地味にイラつく。
このスキル俺のこと絶対舐めてるだろ。
「あっ」
もう一度見ると、見られていることに気づいたのかロケットのように上空に飛んで行ってしまった。
「なにあいつ……」
もっと奥に進んで行くと少し開けた場所に出てきた。
そこで俺はたくさんの「目」と目が合い、足が止まる。
目に「Ω」みたいな足が生えており、ずっとキモく踊っている。
「うん!この島、絶対おかしい!」
俺はうんざりしながら、これも鑑定しておく。
【メキモ】
目と目が合うと一秒ぐらい魅了されて動けなくなるよ。
気を付けてね。
まぁ、誰にでも分かると思うけど……
俺はこめかみをピクピクさせながら周りを確認する。
魅了された瞬間にこの島の他のバケモノとエンカウントしたら確実にヤバいからな。
「ふぅ。大丈夫そうだな」
こいつ何なんだ?
何もしてこないし、ずっと踊ってるし。
十体以上がこっちを見たり、興味を示してくる。
集まると想像以上にキモイ。
そしてヤバい。
SAN値がゴリゴリ削れていく。
このままだと二人が言った通り、気絶か発狂してしてしまう。
「さっさと行こう」
俺は更に重たくなった足を動かしていった。
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