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210話目【夢の続きと領主会議】

『父上、あの方達は誰なのでしょうか? 先程渡されたお金は…』

『ホラントよこの前話したであろう……』


『タルタ王、あの…いかがでしたか?』

『うむ、ダナブルは未然に防がれたようだが……』


『父上ここに住まうのですか?』

『仕方なかろう、ルコール共和国ではカード王国に干渉し難い……』


『父と共に行くことに決めたのですね、私を恨んでも構いませんよ』

『まさか、今でも君は私の恩人だよ、尊敬している、そして今でも父上のことを……』


「…朝か…この夢を見るのは久しぶりだな」


まどろむ頭を引きずりながら顔を洗いお茶を片手にベットに腰掛ける。


王都に到着し約1週間 、未だ裁判の日時は決まっていない、

見慣れない部屋の窓から見える見慣れない町並み、

見慣れた夢の続きはいつものように朝日に掻き消され、

いつものように記憶の彼方へ霞んで消えた。


「分かっていた筈なのに認めたくなかったのかなぁ…」


続きなど見えなくとも答えは既に自分の中にあるようで、自分に対して溜息を付いている。


「父上、私はあの頃と何も変わっていないようです」


そう言って見知らぬ窓から変わらぬ空を見上げるホラントは夢の中の少年と同じ顔をしていた。




そして地下牢にて。


「おはようございます父上」

「来たかホラント、決まったか?」

「いえ、未だ裁判の日程は決まっておりません」

「そうか、私としては有難いがどうも気になる、あまりにも時間が掛かり過ぎではないか?」

「どうやらいろいろと立て込んでいるようでして、そちらを優先しているそうです」

「ほう、キキン帝国とエルフハイド国のことだな、事実であれば一大事だ」

「えぇ、それに加え町の拡張整備に周辺の集落の方々の受け入れ態勢の構築など進められております、

 私達が考えていたよりも魔王に対する危機感は高いようですね」

「やはりタルタ国と王都では得られる情報に温度差が有るな、

 いやそれだけ早く魔王の影響が出ているとみるべきか…」

「それと急遽領主会議が執り行われる運びとなったようで全領主に緊急招集が掛けられています」

「何!? 本当かホラント?」

「はい、現在到着されているのはルート伯爵とロワール伯爵のみです」

「良いぞ、お2人が到着されているということは鳥便を飛ばしたのは私達が王都に入った後か?

 いずれにしろ数日の内にフラミルド伯爵も来られる、お力添え頂けるかもしれん」


フラミルド伯爵はハドリーの支援者がいる至高都市カースマルツゥの領主、

ハドリーの支援者とは元々自由都市ダナブルで既得権益を謳歌していた権力者達であり

ロックフォール伯爵によってハドリーと共に追放された者達、

そんなヤバい奴等が王都襲撃に加担していたともなれば力添えすれば首が飛びかねない訳で…

まぁ無理な話である。


因みに各都市に書簡を届けたのは鳥便(鳥の魔物を使った書簡便)ではなくいつものチビッ子、

現在はキキン帝国へ状況確認中のシルトアさんである、相変わらずこき使われている。


「そのように上手くいくとは思いませんが…」

「無論分かっている、だがこのまま行けば死罪となる可能性が高い、

 そこでだ、厳しいとは思うが交易の乱れの解消役を提案してみるつもりだ、

 本当に戦争が起きていればキキン帝国産の資源は滞る、

 特にミスリルやオリハルコン、アダマンタイトは大半を交易に頼っているからな」

「魔王対策で素材はいくらあっても困りませんからね、少なくとも価格は高騰するでしょう」

「そうだ、当然他国も欲するだろうから一番遠いカード王国が最も不利になる、

 だがキキン帝国の知り合いに取り継いで貰えば交易ルートを確保できるかもしれん」

「父上は戦争を望んでおられるのですか?」

「戦争というのは実にくだらない行いだ、負ければ全てを失い勝ったとしても外交的に見れば損失、

 当事者になることは望まん、だが今回は他国の話だ、

 世界にとって損失であっても私にとっては追い風なのだ」

「(やはりこの人は変わらないな…昔からそうだった)

 それが父上にとって唯一の道であればよいと思います」

「なんだホラント、今日は随分と物分かりがいいな」

「そうかもしれません…」


曖昧な返事を返し通路の壁に設置された椅子に腰かけるホラント。


「父上、もしキキン帝国との交易の件が認められた際はどうかお1人で行かれて下さい、

 薄情だとお思いになるかもしれませんが私は共に行けません」

「急にどうした?」

「10年前の件やダナブルの色物街の件について父上の考えは今でも変わり無いのでしょう」

「当り前だ、貴族とは優れた選ばれし者であり…」

「民を統治する責務があるですよね、幼い頃からよく説いて下さいました、

 私には優れた者こそが貴族に選ばれるのであり、貴族であるから優れているとは思えません」

「同じことだ」

「違います、少なくとも私にとっては違うのです…私はもう同じ道は歩めません、

 10年前に父上を止められなかったことをずっと悔いてきました、

 だから…同じ罰を受け楽になりたかった、背負ってしまったモノを投げ出して終わりにしたかった、

 死罪でいいと思える程に私にとっては重荷だったのです」

「ではお前は贖罪のために同行したというのか?」


ハドリーの問いにゆっくりと首を振るホラント。


「私はきっと王都までの旅で父上の考えが変わって下さると期待していたんだと思います、

 自らの行いを悔いて下さると…そんなことありえないと分かっていたんですけどね、

 父上の行ったことは絶対に許すことが出来ない、何度説かれようと賛同出来ない、

 それに気が付かない貴方を愚かだと思う、ですが…どうしても嫌いに…なれない…」

「ホラント…」

「どれ程憎もうとも、誰に貶されようとも私にとっては偉大な貴族で尊敬すべき父親なのです、

 その身勝手な憧れを押しつけていたのはきっと私の我儘なのでしょう…」


閉じた瞳の裏に見慣れた夢が浮かぶ。


『父と共に行くことに決めたのですね、私を恨んでも構いませんよ』

『まさか、今でも君は私の恩人だよ、尊敬している、そして今でも父上のことを……』

「(あぁ…そうだったなぁ…)」


幼い記憶が蘇り少し目尻が熱くなるのを感じた。


「父上、今でも愛しています、裁判までは共に、その後は私自身の道を進むことをお許し下さい」

 

父親を見据える息子の顔は幼い少年と同じ顔、少しだけ違うのは自信と憂いを帯びた瞳。


「…ようやくか、進めホラント、責務を果たせ」

「はい、父上」


2人隔てる鉄格子が示すのは互いの立場と分かれた道、

地下牢にハドリーを残しホラントは地上へと去って行った。



「っは、あんな歯の浮くようなセリフをよく父親相手に言えたもんだねぇ、私には理解できないよ」

「ちょっと静かにしてお母さん、聞こえちゃうって…」

「別にいいだろうさ、あぁ~鬱陶しいねぇ、ほらパンでも食べな」

「んもうっ!」


一番奥の牢獄で横になりながらゲボが出そうな目で悪態を付くネサラ、

口を押えるネヒルを追い払うために何処からともなく取り出したパンを掲げている。


一番奥の独房はアダマンタイトの檻に囲まれた特別性、

壁の中にもしっかり網目状のアダマンタイト、お高いお高い凶悪犯向けの特別房、

現在はネサラとネヒルの仮住まいである。


※アダマンタイトは魔法を通し難いとかなんとか、

 ミスリルとオリハルコンは魔法を通すとかなんとか。






「(責務を果たせ…か、私には父上のような人脈はない、

  交易の実績はルコール共和国に出したあぜ酒のみだし…)」


地下牢を出たホラントは父の言葉に頭を捻りながら通路を歩いている、

そんなことをしていれば当然人にぶつかる訳で…


「あっ、すみません考え事をしていまして…え?」

「うむ、元気そうだなホラント」

「タ、タルタ王!? 何故このような場所に!?」


周りの衛兵達が驚いて振り向いた。


「っはっはっは、王宮の膝元をこのような場所とは不敬罪にあたるのではないか?」

「い、いえ、そういう意味では…」

「様子を伺いに来たのだがいらぬ心配であったな、実に良い顔になった」

「ぁ…気づいておいででしたか…心配をお掛けして申し訳ありませんでした、

 そのためだけにわざわざ来られたのですか?」

「驚く程のことではない、さぁ付いて参れ」

「え? あ、はぁ…」


衛兵の兵舎から外に出て裏に回るタルタ王とホラント。


「ホ、ホラント様ぁぁ! よかったぁぁ心配したんですよ!」

「クラージさん!? クラージさんも来てたんですか!?」

 よ、よくタルタ国からここまで…あのちょっと、腕が…肩がクラージさん」

「本当によかったですぅぅ!」


クラージに両手をブンブン振り回され肩にダメージが蓄積している。


「クラージよ、ホラントはもう心配ない」

「そうなんですかホラント様?」

「えぇ、クラージさんにもご心配をお掛けしたみたいで…わざわざ王都まで来ていただいて」

「良いのです、いつかは旅をしてみたいと思っていましたし、

 何より掛けがえのない友人のためですから!」


ドンと胸と叩き誇らしげに語るクラージ。


「掛けがえのない友人か、そう言って頂けて本当に嬉しいです、

 クラージさん私に様を付けるのは辞めて頂けませんか?

 私はもうタルタ国の客人ではありません、1人の友人としてお願いします」

「そうですか、わかりました」

「我儘言ってすみません」

「ホラントさん、あぜ酒工場の皆も来ていますよ」

「えぇ!? そんな…クラージさんだけでも驚きなのに…」

「あそこです」


隅っこの壁を指差すクラージ、6名ほどのドワーフが壁に張り付いて虚ろな目をしている。


「…あの、何であんな壁際に…っていうかなんか生気が…」

「大きな建物とか沢山の人間の方々に圧倒されてしまいまして」

「…大丈夫なんですか?」

「問題ない、町を出れば時期に元に戻る、一過性の発作のようなものだ、

 ウルダにも立ち寄った際も同様でな、ここまで来るのに少々時間が掛かってしまった」

「そ、そうですか…」

「一応町中でもあぜ酒を飲ませると一時的に元に戻ります」

「はぁ…」


一番手前の女性のドワーフにあぜ酒を飲ませるクラージ、虚ろな目に色が戻ってゆく。


「う、うま…っは!?」

「だ、大丈夫ですかマジエさん?」

「あぁ~大丈夫大丈夫、すこし驚いてただけさね、それよりホラントさんが無事でよかったよ」

「ご心配をお掛けしてすみません」

「謝らなくたっていいよぉ、これからどうする気なんだい?」

「それを聞かれるとちょっと…何かをやらないといけないとは思っているのですが

 何が出来るのか分からなくてですね、今は進むべき道を探しているところです」

「ならまた一緒にあざ酒を造ったらいいいさね、歓迎するよ工場長」

「あはは、それもいいかもしれませんねぇ、ただもう少し時間を掛けて考えてみたいのです」

「そうなのかい? まぁとにかく元気そうでよかったさね、 

 顔を見れただけでもわざわざ国を出て来た甲斐があったってもん…あふ…」

「あれ…ちょ、ちょとマジエさん、マジエさん!?」


再び色が薄れ虚ろな目になるマジエ、吸い寄せられるように壁に張り付いた。


「時間切れです」

「えぇ!? 短くないですか?」

「マジエさんは長い方ですよ、お肉とか魚とかを一緒に食べさせると時間が伸びます」

「そ、そうなんですか…(タルタ国の人達が国を出るのは大変なんだな…)」


肉と魚、きっとあぜ酒の肴である。


「このままにしてはおけぬ、クラージ、皆をイドの店まで皆を連れて行くぞ」

「はい、王よ」

「私も手伝います」


タルタ国御一行はイドの店『ユミルの右手』の工場に連れて行くと正気に戻ったそうな。


「そ、そこは入ったら駄目じゃて! やめるんじゃぁぁ!」

『 あ 』


イドの密造あぜ酒が発見されたのは言うまでもない。

樽の中身は空になったが秘密は守られたそうな。






そして2日後、全ての領主が揃い領主会議が開かれた。


「フラミルド伯爵よりも到着が遅れるとは緊急招集だというのに随分と時間が掛かったな」

「す、すみませんレジャーノ伯爵…」

「ふふふ、諸事情です、ご了承ください」


レジャーノ伯爵に睨まれ小さくなるフルムド伯爵、

ロックフォール伯爵は不敵な笑みを浮かべている。


「ふざけおって、内容次第では只ではおかんぞ」

「これはまた、今日は随分とご機嫌が宜しくないようですねレジャーノ伯爵、

 そんなに凄まれては眉間のシワが消えなくなってしまいますよ」

「いらぬ世話だ、口を慎めロックフォール伯爵」

「ふふふ、容姿を整えるのも領主の務め、軽んじては求心力に影響がでます、

 民を想うのであれば常に美しく、常に優雅に立ちう振る舞うべきかと、

 宜しければよい化粧水をご紹介しますよ、合わせて乳液も…」

「いらぬ世話だと言っている」


凄味をますレジャーノ伯爵、背景が歪み始めた。


「(ひぃぃやめてよペニシリィィ)」

「(なんてことを…それ以上刺激するでないロックフォール伯爵…)」

「(恐ろしい…ロイダよりも恐ろしい…)」

「(私は関係ないぞ、関係ないよな?)」

「(お願いだからこっち見ないで…)」


他の領主達は巻き込まれないように目を背けている。


「気を静めよレジャーノ、ロックフォールもその辺にな」

「「 っは 」」


入室して来たカード王に声を掛けられ立ち上がるレジャーノ伯爵とロックフォール伯爵、

他の領主達も立り上がり頭を下げた。


「うむ、皆座ってくれ」

『 っは 』


全員座るとカード王が話し出した。


「まずは急ぎの招集に応じてくれたこと感謝する、

 こうして無事に皆と顔を合わせられ嬉しく思う、

 さて領主会議に入る前に皆に紹介せねばならぬ御仁がおる」


カード王が合図すると扉が開きタルタ王が入って来た。


「(なに? ということはこの場で全てを…)」

「(ふふふ、そういうことでしたか)」

「(タルタ王!?)」

「我が盟友のタルタ王だ、今回の議題に深く関わっておるため参加して頂く運びとなった」

「幾人か見知った顔もあるが初めても者もおるようだ、我はタルタ国国王ロマノス、よろしく頼もう」


頭を下げる領主達、タルタ王はカード王の隣に座った。


「(全然お変わりない、あの頃のままだ…)」

「我に何か?」

「い、いえ…」

「ふはははは、少し謙虚になったようだな、それとも伯爵という立場が躊躇させるか?」

「え?」

「我の髭で遊んでいた幼子が出世したものだ、そのうえ魔王対策の中心の1人とは、

 お互いあの頃からは考えられぬなアントル」

「私のことを覚えておいでなのですか!?」

「無論だ、我が国を訪れる客人は少ない、子供となればなおさらでな、

 今後とも宜しく頼むフルムド伯爵」

「は、はい! 宜しくお願い致します! (よかったぁ、ペニシリの話は本当だったんだ)」


嬉しそうにペコペコするフルムド伯爵、

10年前の王都襲撃の真実は厳重な緘口令が敷かれていたため

領主と言えど知っているのは直接関係のあるロックフォール伯爵とレジャーノ伯爵のみ、

それ故フルムド伯爵は幼い頃にお世話になったタルタ王が

野心に駆られてカード王国に攻め入ったと解釈し内心悲しんでいた。


だが松本の調査を終えウルダからダナブルへ戻る最中に

ひょんなことから真実を小耳に挟むこととなる、

どうしても気になったフルムド伯爵は王都へ向かう馬車の中で

ロックフォール伯爵を締め上げ事の顛末を知ったのだった。



「それでは領主会議を始める、先ずはとある裁判についてなのだが…

 その前に皆には知って貰わねばならぬことがある」


カード王の口から語られた10年前の王都襲撃の真実に領主達は頭を抱えた。


「(なんと愚かな…)」

「(私の領地も他人事ではないか…)」

「(もしやハドリー殿の支援者というのは…なら私への進言の意図は…いつからだ…)」

「(く、空気が重い…そりゃそうなるよ…)」


中でもハドリーの支援者である元ダナブルの権力者達を受け入れた、

至高都市カースマルツゥの領主、フラミルド・サルデーニ伯爵は

文字通り両手で頭を抱えテーブルに体を預けている。


「大丈夫ですかフラミルド伯爵? ご気分が優れないようでしたら少し休憩を挟んでは如何でしょう?」

「い、いや大丈夫です、お気遣い感謝しますロックフォール伯爵、

 …いや、感謝よりも先に謝罪をせねばいけません、私は今まで…」

「必要ありませんよフラミルド伯爵、カード王の仰られた通りです、

 私は真実を知り貴方は知らなかった、であれば致し方ないではありませんか」

「そう言って頂けると…感謝します」


フラミルド伯爵のロックフォール伯爵に対する一方的な蟠りは解消された。


「ふむ、では話を進めよう、裁判についてだが法に照らし合わせれば死罪だ、

 だが問題は罪人の内1人が貴族であり、1人が元貴族であることで…」

「カード王、お言葉ですが何も問題ありません、

 法とは地位や身分に関係なく万人に対し等しく照らされるべきです、死罪でよろしいかと」

『(うわぁ…原因はこれかぁ…)』


丁寧な口調だが圧が強いレジャーノ伯爵、明らかに内心カチ切れている。

ようやく10年越しの悲願を叶えようとした時にカード王に横やりを刺され苛立っていたそうな。


「そう怒るでないレジャーノ、お主の考えは正しいのだが今後の影響も考慮せねばならん、

 建前上この件は既に解決したことになっておるし、

 貴族が大罪を犯したとなれば民からの信頼を損ねる可能性もある、

 今は魔王に備え団結せねばならぬ時、それを踏まえ皆の意見を聞き決めようというのだ」

「っは、出過ぎた真似をいたしました」

「よい、すまぬなレジャーノ、皆はどうするべきと考える?」

「ぬぅぅぅ…」

『(…こ、答えづらい…)』


睨みを効かせるレジャーノ伯爵の背景が歪んでいる。


「(相変わらず目つきが鋭いなレジャーノ伯爵、これでは誰も意見せぬであろう…)」


タルタ王も困惑気味である。


「いかがですかフルムド伯爵?」

「ほわぁ!? ちょ、何で僕なのさ!? いや、何で私に問うのですかロックフォール伯爵?」

「ふふふ、そんなに怯えなくてもレジャーノ伯爵は噛みついたりはしませんよ、

 では誰も意見されないようですので私から、レジャーノ伯爵と同じく町を襲撃された立場としては…」


ロックフォール伯爵が意見を述べ、その後はレジャーノ伯爵の圧に晒されながらも領主達が続いた。


「ではこれを元に裁判を執り行うとする、よいなレジャーノ」

「っは、日程は2日後でよいかと」

「うむ、任せる」


裁判は2日後に決定。



「では次は魔王に関してだ、レジャーノ頼めるか?」

「っは、先日タルタ国へ赴いた爆炎と不屈からの報告で…」


その後はルドルフとミーシャが持ち帰った情報や、

各都市の工事の進捗状況、ネネの槍の解析結果、松本というイレギュラー、

キキン帝国とシルフハイド国の状況やその後の方針、

ハドリーが捕えられたためシード計画の全貌が全領主に開示されるなどなど、


緊急領主会議は1日に渡って執り行われ、全員ぐったりしたそうな。



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