199話目【炎の精霊とフワフワ】
「もし~、もし~」
タルタ国の居住区に続く坑道から微かに聞こえる声。
「もし~、もし~、どなたかいませんか~? もし~」
食料保存庫の前で薄いピンク色の何かが人を呼んでいる。
「これだけ呼んでも誰もいないとなると…もしかして今は夜ですか、
はぁ~そうですかそうですか、納得です」
納得した様子で手を叩く薄ピンクの何か。
つぶらな瞳に背ビレと尾ビレ、首元から左右3本ずつフワフワの何かが出ている。
見た目がメキシコ産のアレに似ているためエラだと思われるが審議は不明。
…まぁ、全体的にフワフワした雰囲気なのであまり気にしてはいけない。
「ここはずっと明るいので時間の感覚がなくなりますねぇ~、
まぁ私達には元々時間の感覚はないのですけど、
いや~困りましたね~、勝手に頂いて良いものか…
しかし折角来たのに手ぶらで戻るというのもそはそれで…」
頬に手を当て悩む薄ピンク。
「そうですねぇ~それでは何か印を残して行きましょう、邪魔にならない隅の方にでも…」
おもむろに立てかけてあった棒で地面をゴリゴリし始めた。
「はぁ~なかなかうまく描けました、取りあえず今はこれで良しとしましょう、
え? それもそうですねぇ~、それではこれを横に置いて…これで私だとわかります」
首元のフワフワを1本千切り地面に描かれた似顔絵の横へ、
手頃な石を上に乗せ動かないように固定している。
…エラではないらしい、じゃあ何なのかとも思うが深く考えてはいけない。
フワフワの何かである。
「え~と確かコレとコレだったはず…頂いて行きますよ~」
黄色と白の粉が入った小袋を2つ抱え去って行く薄ピンクの何か。
どう見てもメキシコ産のアレっぽいのだが、
言葉を発し、両手を使い、2本足で歩き、ドワーフと同じ位の背丈があるので多分違う。
存在自体がフワフワの何かである。
そして夜が明けて皆が活動し始めた頃。
「あれ? 小麦粉とあぜ豆粉の数が合わないさね、小分けにしておいたはずなんだけどねぇ」
「あんた寝ぼけて数え間違えたんじゃないかい?」
「どれどれ? …いや、やっぱり間違ってないさね」
「ははは、それじゃ誰か腹が減って持っていったんだよ」
「笑い事じゃないさね、ただでさえ昨日大盤振る舞いで…あれ? ちょっとあんたアレ…」
「何だい? 見つかったのかい?」
「いや、そうじゃないさね、アレアレ」
「ん? んんん!?」
小麦粉とあぜ豆粉が積まれた場所から少し離れた位置で揺れるフワフワに駆け寄る2人。
「あらぁ~これあんた…え? そういうことかね?」
「そ、そうなんじゃないかい? だってこのフワフワはそうとしか考えられないさね…」
「と、とにかくアタシはルルグ様を呼んで来るさね、あんたは飛んでかないように見張ってな」
「こりゃまた…とんでもないことだよ…」
そして場所は変わり、坑道を進むルドルフ、ミーシャ、ロニー、イド。
「なぁルドルフ、火の精霊様ってどんな御姿だったっけ?」
「体は鱗に覆われていて手足には鋭い爪があり額には2本の角、
燃え盛る背びれをなびかせ炎を纏う御姿は実に気高く神々しい、みたいな」
「ん~…形的にはモギみてぇな感じか?」
「どちらかと言えばバジリスクが近いかもね、まぁ小さい頃に読んだ本の受け売りだから
どこまで本当なのかは分からないわ」
「概ねそのとおりじゃぞ、その本は結構正確じゃて」
「へぇ~子供向けの本だったから適当に書かれてると思ってたわ」
「良かったじゃねぇかルドルフ、昔から憧れだったんだろ?」
「そうなのよ~最初に見た時にビビっと来ちゃってねぇ~、
火の精霊様があまりにも格好いいもんだから火魔法ばっかり使っちゃって、気が付いたらこの有様よ」
「ほっほっほ、えぇの~、好きなことを続けられるなら最高じゃて、
それじゃ今日は長年の夢が叶うわけじゃな」
「ようやくね、本当はSランクになって落ち着いたらお会いしたいと思ってたんだけど、
あの事件のせいで私とミーシャはタルタ国に近寄れなくなっちゃったじゃない?
ほんといい迷惑よねぇ~」
などと覇気のない会話をしつつ火の精霊の元へ向かう一同、最後尾のロニーが目を細めている。
「…あの~、朝食の時からずっと思っていたのですが…
ルドルフさんとミーシャさんの目ってそんな感じでしたっけ?」
「「 え? 」」
振り返るミーシャとルドルフ、目が3になっている。
「…何よ?」
「なんだって?」
「いや…それですよそれ、なんか目がこう…変ですよ」
「あぁ目? まぁ確かに変かもね、ちょとショボショボしてるから」
「俺もちょっとショボショボだぜ、ほら部屋の外がずっと明るかったからよ、
なんか寝つきが悪くて…多分寝不足だな」
「そ、そうですか…」
タルタ国名物『1日中明るい居住区』に早速やられている2人、
滞在すると大抵の人間は体調を崩すのだ。
「大丈夫なんですか? 今日はハドリーさんを捕らえる予定ですけど…」
「大丈夫大丈夫、ちょと顔洗うわ」
「俺も」
手から出した水で顔を洗う2人、目が元に戻った。
「ほほぉ~付いたの、ここが火の精霊様の御寝所じゃて」
「「「 おぉ~ 」」」
坑道を塞ぐ木製の門、装飾が施されており荒々しい炎との四つ足で立つ火の精霊が描かれている。
「精霊様~入っても宜しいですかの~?」
「は~い、どうぞ~」
何やら緩い返事が返って来た。
「それじゃ失礼しますの~、皆くれぐれも失礼がないようにの」
「「「 はい~ 」」」
中に入るとドーム状の空間が広がっており、
1メートル程高くなった台座の上では半円を描くように炎が揺れている。
入って来た入口から伸びる通路の先にはもう1つ大きな木製の門が設置されるのが見える。
「お久しぶりですの、今日は人間の友人が是非ご挨拶をさせて頂きたいと申しまして」
「ルドルフです」
「ミーシャです」
「ロニーです」
「「「 よろしくお願いします! 」」」
「はぁ~人の子ですか~珍しいお客さんですねぇ~、少し待って下さい」
頭を下げた3人に台座の上から声が聞こえる。
「いや~今ちょっと取り込んでまして、今行きますよ~」
台座から降りて来て3人の前に立つ声の主。
「初めまして~畏まらずに顔を上げて下さい」
「「「 はい~…ん? 」」」
顔を上げる3人、目の前に立つ薄ピンクのフワフワに目を丸くしている。
「ちょ、ちょっと失礼します…おいルドルフちょっと来い」
「ちょっと!? 何よミーシャ!?」
「私も失礼します」
ルドルフを引っ張っていくミーシャ、断りを入れロニーも付いていく。
「あのよ、なんというかよ、なんか違くねぇか?」
「まぁちょっとだけイメージと違うわね」
「かなり違うと思いますけど…さっき鱗とか爪とか燃え盛る背びれとか言ってませんでした?」
「爪と背びれはあるじゃない、火の精霊様に関する資料は少ないんだから半分も合ってるなら十分でしょ、
光の3勇者様しかり精霊様しかり、伝説みたいな方々はすべからず誇張されるもんなのよ」
「そういうもんか? すっげぇフワフワしてるぜ? 特に首元が」
「そういうもんなのよ、愛らしい御姿じゃないの」
「火に関連が薄そうにも見えますが…」
「台座が燃えてるじゃない、光筋教団の団長が精霊様を疑うなんて罰が当たるわよ」
薄ピンクのフワフワをチラチラ確認しながらヒソヒソ話をする3人。
「はぁ~そうですかそうですか、その疑問はもっともです、
そこの人の子達、私は精霊ではありませんよ~」
「「「 え? 」」」
「私は火の精霊の従者、ウーパです、そして火の精霊はあっちですねぇ~」
台座を指差す薄ピンクのフワフワことウーパ、
半円上の炎が隆起し大きな顔が姿を現した。
「「「 ほぁ!? 」」」
額に生えた2本の角、光を反射する美しい鱗、背中で揺れる炎の背びれ、
その姿は燃え盛る業火のように猛々しく、そして言葉を失う程に神々しい。
「これが火の精霊様…カッコイイ…」
子供のように瞳を輝かせ火の精霊を見上げるルドルフ。
「火の精霊ことサラマンドラです、またはサラマンダーとも呼ばれていますね~」
「火の精霊様はワシ等の言葉は話されんからの、ウーパさんが対応して下さるんじゃ」
「なるほど、そうだったのですか」
「お~いルドルフ、お~い、聞こえてねぇなこれ」
「ほっほっほ、子供の頃からの憧れじゃからの~目がキラキラじゃて、暫くはそのままじゃの」
ルドルフの目からほとばしるキラキラがサラマンダーの鼻先に突き刺さっている。
「私は光の精霊様と水の精霊様にお会いしたことがあるのですが、
従者の方とお話させて頂くのは初めてです」
「確かにな、レム様のところのワニ美ちゃんは喋らなかったぜ」
「ほ~そうなのかの? ワシは火の精霊様とウーパさんしかしらんからの~」
「精霊側が話すなら従者が話す必要はありませんからねぇ~、え? はぁ~そうですかそうですか」
「「 ? 」」
ウーパの言葉に首を傾げるミーシャとロニー。
「それはまた久しぶりですねぇ~、試してみたらどうですか?」
「試すって何をだ?」
「あの~ウーパさん、話の繋がりがよく分からないのですが…」
「ウーパさんは火の精霊様と話しをされとるんじゃの」
「そなんです、従者と精霊は深~いところで繋がっているので話が出来るのですよ~」
「「 へぇ~ 」」
「私は従者と呼ばれていますけど元々はサラマンドラの一部なので大本は同じなんですねぇ~
分離した後は別々の自我として存在しているので良い話相手です、1人では寂しですからねぇ~」
「へぇ~そういう関係だったのか」
「知らない事ばかりで驚きです」
「はぁ~そうですかそうですか、それだとまた驚いてしまうかもしれませんねぇ~」
「「「 ん? 」」」
首元のフワフワをフワフワさせながらサラマンドラを指さすウーパ、
3人が振り返ると台座から身を乗り出しルドルフに顔を近づけていた。
「「「 おぉ~ 」」」
などと3人が見上げているとサラマンドラの口が開きルドルフが炎に包まれた。
「「「 ほぁぁぁ!? 」」」
「ル、ルドルフゥゥ!?」
「大変じゃてぇぇ!? えぇ!? うそこれ…えぇ!?」
「早く消火して下さい! 水魔法を! あれ!? 全然消えないんですけど!?」
大慌てで消火しようとする3人だが全然火が消えない。
「精霊の炎ですからねぇ~その程度では消せませんよ~」
「ウーパさん何とかなんねぇかこれ!? このまままじゃルドルフがよ…」
「心配しなくても大丈夫ですよ、サラマンドラが直接会話しているだけです」
「そ、そうなのか? そういわれると確かに涼しい顔してるな、
もしかしてルドルフ…お前…俺と同じで我慢してんのか?」
「いや、そんなことやるのはミーシャさんだけだけですよ」
「お主以外誰もやらんて」
真顔で否定されるミーシャ。
「それはマナの塊ですからねぇ~、触っても熱くありませんよ」
「どれどれ、お、本当だ、熱くないぜ~」
「こんなにはっきりと見えているのに…不思議ですね」
「凄いの~ワシも初めて見るわい、しかし精霊様が話をされとるとはどういうことかの?」
「ルドルフさんは火の魔法を深く理解されているのでマナを通して会話が可能なんですねぇ~、
サラマンドラが直接会話できるお客さんは本当に久しぶりです」
「「「 へぇ~ 」」」
結構凄いことだったりする。
「火の精霊様、従者様失礼しまぁぁぁ!? どどどどうしたんだいこれ!?
えぇ!? お客人ががががが…」
御寝所にやって来たルルグが燃えるルドルフを見て腰を抜かしている。
「まぁそうなるじゃろうな…大丈夫じゃてルルグ、
それは精霊様がルドルフと直接話をされているだけじゃて」
「そ、そうなのかい? とても大丈夫そうには見えないけどねぇ…」
「ほれ、触っても全然熱くないの」
「はぁ~不思議なこともあるもんさね…」
「ところでその仰々しい包みはなんじゃ?」
「これかい? ちょっととんでもない物が落ちてたもんでね、
アタイがお返しに来たんだよ、ちょと前を失礼するよお客人方」
そういってミーシャとロニーの前に出て膝を付くルルグ、
仰々しい包みを開けるとフワフワしたアレが出て来た。
「あれ? これは…」
「なんか見たことあるな…」
「んなぁぁ!? どどどどうしたんじゃソレ!?」
フワフワを見て今度はイドが腰を抜かしている。
「だから落ちてたって言ったさね、ちょっと静かにしてなよ、
火の精霊様の従者様、今朝食糧庫でお身体の一部を見つけましたので
タルタ国を代表しお返しに参りました、どうぞお受け取り下さい」
「はぁ~そうですかそうですか、わざわざありがとう御座います~、
でも返さなくて大丈夫ですよ、それは私が食料を少し分けて頂きましたよ~、
っという証に置いて来たものですからねぇ~」
「ですがお身体が…」
「大丈夫ですよ~またすぐに生えてきますから、それは貴方達に差し上げます」
「では有難く頂戴致します、国の宝として大切に保管させて頂きます」
「タルタ国の民として光栄の極みじゃて、ウーパさん有難う御座いますの」
深々と頭を下げフワフワを受け取るルルグ、イドも隣で感激している。
「「 (あぁ~首元のアレか…) 」」
ミーシャとロニーはフワフワの出所を見つけたらしい。
フワフワして親しみやすいウーパさんだが精霊の従者とはそれはもう尊き存在である。
その体の一部ともなれば聖遺物と言っても過言ではない。
だからと言って特に何かしらの効果がある訳ではなく、見ていて心がフワフワする程度である。
ドワーフ達の反応を見ると松本の行動がどれほど不敬かよく分かる。
「それじゃお堅い仕事は終わりさね、精霊様とウーパさんが所望の品もお持ちしましたよ」
「はぁ~美味しいお団子、これは嬉しいですねぇ~」
黄色いお団子でウーパさんのフワフワ感が増した。
「やっぱりねぇ~あぜ豆粉と小麦粉をお持ちになられたと聞いてピンと来たさね」
「いや~作ろうとしたのですけど2つ程問題がありまして困っていたんですよ~」
台座からお椀を取り見せるウーパ、黄色い生地が鎮座している。
「ここまでは出来たんですけどねぇ~この後がどうしたらよいかわからなくて
サラマンドラと一緒に悩んでいたんですよ、
このままではあまり美味しくありませんでしたねぇ~」
「そりゃ生の生地ですから美味しくはないさね
後は茹でるだけですからアタイ達が代わりに作らせて頂きますよ」
「それではお願いします~」
イド、ミーシャ、ロニーが生地を適度な大きさに千切って丸め、
何処からともなく取り出した鍋でルルグが茹でると、あっという間に団子完成である。
「ウーパさん完成したさね~、あれ?」
「はぁ~美味しいですねぇ~もうすぐ私が捏ねたお団子も食べられますよ~、
大丈夫です、きっと美味しくなりますから」
ウーパと火の精霊は台座の上で献上されたお団子をモッチモッチしている。
「あれま、あんなに気に入られていたなんて知らなかったさね」
「喜んで頂けて良かったの~また持ってくるべきじゃな」
「当然さね、このことを知ったら皆喜ぶよ、んじゃこれもお渡しして来るさね」
茹で上がった団子を持って台座に上がっていくルルグ。
「イドさん、あのお団子って味付けは不要なのですか?」
「あったらあったでいいんじゃがの~あぜ豆来粉が甘いからなくても美味しいんじゃ」
「へぇ~食べてみてぇな、ん? 精霊様が団子を食べてるってことはよ、お~いルドルフ」
「あだっ!? いきなり振り向くんじゃないわよ、鼻打ったじゃない…」
「なんだすぐ後ろにいたのかよ」
「あたた…皆集まって何してたのよ?」
「お団子を作っていたのですよ、途中からですけどね」
「なんでいきなり団子? 人増えてるし…」
「まぁいいだろ、それより精霊様と何話したんだ?」
「主に魔王についてよ、でも正直よく分からなかったわ」
鼻を擦りながら顔を上げるルドルフ、目じりにちょっとだけ涙が溜まっている。
「だはは! 涙が出てるぞルドルフ!」
「あんたのせいだっての! 斧の柄が直撃したんだから痛いに決まってるでしょ!」
「ちょっと、お2人ともお静かに」
「精霊様の御寝所じゃて」
「「 すみません 」」
「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ~」
「「 いや本当にすみませんでした! 」」
ウーパのお許しで更に平謝りのミーシャとルドルフ、90度にペコペコしている。
「んで、魔王がなんだって?」
「ん~それが要約すると…魔王は理であり一部であり歪である、
故に滅ぼすことは出来ない、らしいわ」
「「「 ん? 」」」
「まぁそんな顔になるわよね、火の精霊様もハッキリと知っている訳では無くて
そう感じるってことらしいのよ、感覚的な話ってことね、
これをどう解釈すべきなのか今の私にはちょっとわからないわね」
「そもそも理って何かの? 難しいの~」
「滅ぼすことは出来ないですか…1000年前に光の3勇者様が討伐されているので
私は何かしら対応は可能と考えていますが…」
「そうでも考えねぇと正直キツイわな、まぁ昼からやることがあるしよ、
これは情報として持ち帰ろうぜ」
「「「 はい~ 」」
台座の下で首を傾げる4人は精霊の言葉を胸に止めつつ、一先ず横に置くことにした。
一方台座の上では。
「精霊様、ウーパさん、先ほどのお団子お持ちしました」
「ありがとう御座います~どうなったか楽しみです、
はぁ~なるほどなるほど、これはこれで美味しいですねぇ~、
サラマンドラもそう思いますか、はぁ~それはそれは、良かったです」
自分で捏ねた団子に満足そうなウーパ、精霊と一緒にモッチモッチしている。
「満足して頂けたようで何よりさね、ただこのお団子は少し匂いが違う気がするのですが…」
「それは以前頂いたあぜ酒で捏ねたからですねぇ~
私達は水の魔法は使えませんの困ってしまいまして、代用したんですよ~」
「あぁ~それが2つ目の問題でしたか」
「良かったら味見に1つどうぞ」
「それでは有難く頂きます、ふ~む…微かにあぜ酒の風味が残っていて…これはこれでありさね」
「はぁ~サラマンドラ聞きましたか? ありだそうです、そうですねぇ~
味覚は私達とあまり変わらないのかもしれません、今度はあぜ酒で作って頂けるかもしれませんよ」
「それは勿論、是非作らせて頂きます」
「はぁ~嬉しいですねぇ~」
フワフワが増すウーパさん、
これが後の酒饅頭ならぬ酒団子である。




