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185話目【慌てるシルトアと怒れる伯爵】

逃走するヒルカーム達を上空から確認するシルトア。


「よ、よかった~もう少しで全滅させられるところだったよ…

 援護があったとはいえ1人でやっちゃうんだもんなぁ~

 お腹刺されてピンピンしてるし、怖すぎるよあの人…

 一応助けに行った方かいいのかなぁ? でもあんまり近寄りたくない…お?」


丘上にルドルフがやって来た。


「凄い状態ね、大丈夫なのミーシャ? 剣刺さってるわよ」

「大丈夫な訳ねぇだろ~、腹に穴空いてんだぞ? 早いとこコレ抜いて血を止めねぇと…」

「まったく…我慢し過ぎよ、今の姿をカルニが見たら失神するわよ」

「もしくはぶん殴られるかもな…これどうにかならねぇかルドルフ、氷割ろうとすると痛ぇんだよ」

「助けてあげたいけど結局割るか魔法が解けるまで待つしかないわよ」

「マジかよ…仕方ねぇもう少し我慢すr」

「おらぁぁ!」


思いっきり杖でぶん殴るルドルフ。


「いってぇぇ!? いきなり何すんだルドルフ!?」

「何って、助けてあげようとしてるのよ、もう1発行くわよ~」

「おいやめろ! 振動が響いて痛ぇんだって! ちょ…マジで止めて!

 気持ちだけ受け取っておくからよ、マジありがとなルドルフ、な? これ位自分で割れるからよ」

「怪我人が無理するもんじゃないわ、私が手伝ってあげるわよ」

「いいって! ちょっと我慢すればいけるからよ、ふぅ~…ふん!」


力を入れると氷が粉砕されミーシャが自由になった。

 

「後はこれだな…はぁ…気合でやるしかねぇな」

「私が抜こうか?」

「いやいい、ルドルフに任せたら変なところ傷つけそうだからよ…うぐぅぅだぁ! マジで痛ぇ…」

「うわぁ…自分でよくやるわねぇミーシャ、私だったら絶対に嫌だわ」

「(ひ、ひぇぇ…)」


剣を引き抜き傷を塞ぐミーシャ、上空で目を覆ったシルトアがガタガタ震えている。


「さっきの女が城壁を破壊した張本人みたいね」

「ネサラって名前らしい、すまねぇな、捕まえようと思ったが逃がしちまった」

「氷の中級魔法を直接使うのは非効率な筈なんだけど、あの規模をあの速度、

 しかも城壁を破壊する程の威力なんてどうなってるのかしら?

 実力があるとしても何か腑に落ちないわね」

「他の奴等も変な感じだったぜ、仲間を巻き込んでたしよ、

 なんか魔法の威力が間違ってるっていうか、使いこなせてねぇ感じだった」


顎に手を当て考える2人。


「まぁ、取りあえず追うか、逃げられちまう」

「森に入られたら見つけるのは難しいわ、

 捕まえたら散々ぶん殴って情報聞き出そうと思ってたけど、仕方ないわね、

 あれだけのことをやってくれたんだもの、このまま逃がす位なら跡形もなく吹き飛ばしてやるわ」

「仕方ねぇか、町に影響がない程度で頼むぜ」

「分かってるわよ、後悔する間もなく償わせてやるわ」


杖を掲げ強く光らせるルドルフ、森の上空に火球が発生し大気を震わせながら収縮を始めた。


「な、なにこの感じ!? 風が乱れて…ほぁぁぁ!? なななな何アレェェ!?

 凄く危ない感じがするぅぅ!? も、もしかしてアレ…うそ? え? 上級魔法!?

 だめぇぇ! ダメダメダメダメ…」


異変を察知したシルトアが大慌てで下降して来る。


「ダメダメダメェ! やめてぇぇ! その魔法ダメェェェ!」

「ん? なんか声がしなかったか?」

「私も聞こえた気がするけど…誰もいないわね?」


キョロキョロと周りを見渡すルドルフとミーシャ。


「いねぇな、気のせいだな」

「そうね、もう少しで出来るわよ~」


杖を練り練りするルドルフ、特に意味はない。


「やめてぇぇぇ! お願いだからやめて下さぁぁい!」

「おわ!? びっくりしたぁ!?」

「何で浮いてんだ?」


上空から降りて来たシルトアに驚く2人。


「あ、もしかしてこれがハイエルフってやつか? 俺初めて見たぜ~」

「ち、違います、僕は人間です、Sランク冒険者のシルトアといいます」

「へぇ~聞いたかルドルフ、人間って飛べるらしいぞ、

 こんなに小せぇのにSランクなのか、すげぇな坊主」

「いや僕は女…」

「え? そうなのか?」

「なに素直に信じてるのよミーシャ、人間が飛べるわけないでしょ、

 私達が知らない亜人種よきっと、王都なんだからいろいろいるんでしょ、さ出来たわよ~」

「え? そうなのか?」

「ダメダメダメ! やめて下さい! 僕は人間ですし本当にSランク冒険者です!

 ほら紋章もありますし、ね? 信じて下さい! そしてその魔法を止めて下さいお願いします!」

「悪いけど私はあのクズ共を逃がす気はないの、

 この練り上げたエクスプロードで確実に始末してやるわ、子供は引っ込んでなさい」

「始末したら駄目なんですって! 逃げて貰わないと困るんです!」

「おぉん? なんでよ?」


必死に止めようとするシルトア、不満炸裂のルドルフ、上空の火球エクスプロードが威力を増した。


「お、お願いですから話を聞いて下さい!

 僕はレジャーノ伯爵から逃亡した襲撃者の追跡を依頼されてるんです!

 何処から来たかとか、誰が指示したのかとかいろいろ調べないといけないんですよぉ、

 だから逃げて貰わないと困るんです、この人が大暴れしたせいでもう残ってないんですよぉ」

「え? 俺か?」


ミーシャを指差しながらルドルフに懇願するシルトア。 

凄惨な現場だが特に取り乱すことはないらしい、流石はSランク冒険者である。


「…アンタ、今の話が嘘だったら只じゃおかなわよ、絶対に見つけ出して責任を取らせる」

「ひぇ…」

「子供をそんなに脅すなよルドルフ~、紋章だってあるし話の筋も通ってるしよ~

 俺は信じてもいいと思うぜ?」

「(や、優しい! 怖い人かと思ったけどこの人優しいぃぃ!)」


キラキラのシルトア、ミーシャの印象が改善した。


「私達暫く王都の滞在するから調査結果を教えなさい、それが条件よ」

「わかりました、ふぅ…よかった…それじゃ僕行きますね」

「気を付けてな~」


シルトアは襲撃犯を追うため飛び立った。


「変な子供だったわね、ちゃんと約束守るかしら?」

「俺は信じてるぜ、ところでよ、アレどうすんだルドルフ?」

「どうって、爆発させるしかないでしょ、完成した魔法を引っ込めることなんて出来ないんだから」

「…大丈夫なのか?」

「出来るだけ抑えるから大丈夫でしょ、んじゃやるわよ~」


1度収縮し急激に膨張する火球、森の上空で控えめなエクスプロードが炸裂した。

いくら控えめとは言え上級魔法、中級のフレイムとは威力も範囲も次元が違う、

吹き荒れる爆風は木々を揺らし、解き放たれた炎が大地を照らす。


「え…嘘…」


そして上空のシルトアは血の気の引いた顔で絶句した。


「いやぁぁぁ…」

「なぁルドルフ、あれシルトアだよな? どっか飛んでったぞ」

「…まぁ、飛んでるし大丈夫よきっと」

「お、持ち直したみてぇだ、へぇ~すげぇ、俺も空飛んでみてぇな~」

「はぁ…はぁ…危なかった…」


なんとか墜落の危機を免れたシルトアは殺意を覚えたそうな。


「おいなんだこれ?」

「上だよ、これは何の魔法かねぇ? 私も見たことないよ」

「止まるなネサラ、急いでここから離れるぞ、俺はこれ以上危ねぇもんには近寄りたくねぇ」

「私も同じだよ、ダナブルの方は上手くやったのかねぇ?」

「さぁな、俺達はきっちり仕事したんだ、他のことは知らねぇな」


この後、ヒルカームとネサラと他2名はシルトアの尾行に気が付くことなくタルタ国へと逃亡する。

一方、ダナブル側の襲撃は2人の衛兵により未然に防がれ大事には至らなかった、

風の噂では槍に長けた衛兵と水魔法に長けた衛兵だったとか。




「戻るわよミーシャ、後始末は他の冒険者にでも任せましょう」

「そうだな、瓦礫どかすの手伝わねぇとよ」

「あんた三つ編み無くなってるわよ」

「マジかよ…マジだわ」


町に戻ったルドルフとミーシャはウェンハム衛兵長に状況を報告、

襲撃者撃退の報告が各地に伝達された。

駆け付けた冒険者達により丘の後始末と襲撃者の調査が行われ、

数名が各地のギルドを追放された元冒険者であったことが判明したが、

それ以上の情報は得られなかった。





その日の夜、場所はレジャーノ伯爵邸。

浮かない顔をしたダルトンギルド長が部屋に入って来た。


「遅くなりました、報告を…」

「ふぅ…まぁ座れダルトン、紅茶でも飲むか?」

「頂きます」


椅子に腰かけるダルトン、レジャーノ伯爵が立ち上がり紅茶を淹れる。


「え? レジャーノ伯爵が淹れるんですか?」

「なんだ不満か? パニーよりは間違いなく旨いから安心しろ」

「いえ…その、パニーかカーネルさんは?」

「パニーは病院に行かせた、カーネルは野暮用でな」

「…パニーは右目ですか」

「あぁ、私を守るために右目を失った、刺さった馬車の破片を自分で引き抜き

 回復魔法で強引に塞いだみたいでな、今は中に残った木片を除去しているところだ」

「何処の病院で処置を?」

「安心しろ、ポルザの知り合いの医者に頼んである、

 ポルザも同伴しているから迂闊には手は出せんさ、リコッタ産の茶葉だ、気が落ち着くぞ」

「どうも」


紅茶を2つテーブルに置き椅子に座るレジャーノ伯爵。


「その様子ではマイロは死んだか」

「…残念ですが」

「そうか…マイロは町の為によく働いてくれた、この様な形で死ぬべき者ではなかったな、

 重責を担わせた私の責任だ」

「俺にも責任があります」

「というと?」

「目撃者の証言では犯人は2人組で内1人は2刀使いだったそうです、

 使用人含め全て的確に首を落とされていました、やったのはヒルカームでしょうね」

「お前にカード王と私の襲撃を伝えに来た男だったな」

「はい、まんまと踊らされたって訳です、ヒルカームの言葉を信じた俺が馬鹿でした」

「間違いなく陽動だな、だがそのお陰で私は助かったとも言える、

 調べてみたが本来いる筈の警備が半分以上削られていた、

 襲撃犯が潜んでいた場所はよりによって衛兵の監視所だ、

 シルトアが来なければ私も危うかったやもしれぬ、お前の的確な指示で救われたのだ」


紅茶を飲むダルトン、気を落ち着かせて顔を上げた。


「…ふぅ、そういうことにしておきます、それで捕まえた賊は?」

「1人はカーネルが尋問中だ、後の2人は何者かに殺された」

「は!? 殺された?」

「あぁ、お前がマイロの元に向かった後だ、

 シルトアが捕えた2人を衛兵達に確認に行かせたのだが既に手遅れだった、

 口封じだな、賊が生きていては都合が悪い者がこの町にいるということだ」

「リーヌス総務長ですか?」

「恐らくな、だが今のところリーヌスに繋がるが決定的な証拠はない、

 今回の襲撃は私とマイロが標的で間違いないだろう、

 町の人々やパニーは単なる巻き添えだ、被害の状況は分かるか?」

「まだ正確には…現在ウェンハム衛兵長が確認中です、少なくとも2、300人はいるでしょう、

 ギルドメンバーも6人程…」


震えた手で空のカップを置くレジャーノ伯爵。


「…たった2人の愚かな貴族のために300人か…ふざけおって、

 民をなんだと思っている! 己の欲の為に民を犠牲にして何が貴族か!

 そうまでして自尊心を満たしたいかリーヌスゥゥ!」


テーブルに拳を3度叩きつけるレジャーノ伯爵、

鈍い音が響き慌ててダルトンが止めに入る。


「ちょ、ちょっとぉ、やめて下いよレジャーノ伯爵、これ小指折れてんじゃないですか!?」

「指がどうした!、多くの者が家を、家族を、命を失っているのだ!」

「だからってレジャーノ伯爵が骨折ってもしかたないでしょ」

「…取り乱してすまなかった、自分で治せる」

「その怒りは俺も分りますんで、取りあえず紅茶でも飲んで落ち着いて下さいよ、

 新しいの淹れますんで」

「それは私がやりましょう、どうぞお客様はお座りになって下さい」


扉が開きカーネルがやって来た。


「来たかカーネル、どうだった?」

「まずは紅茶をどうぞレジャーノ伯爵、ダルトン様も新しい物を」

「疲れているだろう、カーネルも紅茶を持って座れ」

「いえ、私は執事ですので」

「いいから座れ、お前も病み上がりだ、歳を自覚しろ、ダルトンも文句は言わん」

「文句なんてありませんよ、紅茶有難う御座います」

「歳は取りたくありませんね、では失礼致します」


レジャーノ伯爵に睨まれしぶしぶ座るカーネル。


「それで、何が分かった?」

「残念ですがリーヌス総務長に繋がる情報はありませんでした、

 あの者はどうやら道中で勧誘されたらしく、詳しい情報は聞かされていなかったようです、

 雇い主はいるようですが名前などは知りませんでした、

 今回の襲撃犯の主犯格は2人、ヒルカームという男性とネサラという女性でどちらも元Aランク冒険者です」

「やっぱりか」

「内通者については?」

「雇い主しか知らぬようです、ただ正門の検査や屋敷前の監視所については

 事前に話が通してあったと、カード王の襲撃は計画には入っていなかったようです」

「あたりだなダルトン」

「ヒルカームは最初からレジャーノ伯爵を襲撃した奴らを切り捨てる気だったんでしょう、

 アイツはそういうヤツです」

「それと気になる点が2つありまして、襲撃者の装備ですがどうやらドワーフ製であると」

「何?」

「そんな高価な物をわざわざ切り捨てる奴らにも使わせたと?」

「えぇ、ほぼ全員に支給されたようです、まぁ本人達は切り捨てられた自覚はありませんが」

「「 … 」」


考えるレジャーノ伯爵とダルトン。


「仲間内にドワーフがいたか、雇い主が金持ちかですかね?」

「そもそもドワーフ製の装備は殆ど流通しておらぬ、

 全員分となれば金があっても数が揃えられん、

 ドワーフの鍛冶屋があるのはカード王国内ではバルジャーノだけの筈、

 販売された物の可能性もあるが…ダルトン、襲撃者の装備はどうしている?」

「回収済みです、ギルドに保管してあります」

「よし、絶対に破棄させるな、明日私と共にユミルの右手へ確認に行くぞ」

「わかりました、イド爺さんはリーヌス総務長が嫌いですからね

 喜んで協力してくれますよ」

「もう1つの気になる点ですが、どうやら別動隊がダナブルへ同様の襲撃を仕掛けたそうです、

 対象はロックフォール伯爵と商業組合長であると」

「何だと!?」

「いやまたなんでダナブル? 急に意味が分からなくなりましたね」

「いや…ロックフォール伯爵に恨みを持つ者なら心当たりがある、

 しかし商業組合長はなんだ? …分からぬな、

 ここから先はシルトアの報告に期待だな、病み上がりで無理をさせたなカーネル」

「いえ、この役はパニーに任せる訳にはいきませんので、

 尋問した者は麻痺薬で拘束しております、いかがいたしましょう?」

「これ以上情報は引き出せぬだろう、衛兵に引き渡せ」

「畏まりました、それでは失礼致します」


カーネルは扉の向こうに消えた。


「ダルトン、他に生きて捕えた者はいるか?」

「それが、ウチのギルドメンバーが到着する前に壊滅させられたようでして、

 賊が陣取っていた丘上は血の海になっていましたよ、生き残った4人は逃走中です」

「どういうことだ? 亡くなった6名が対処したのか?」

「いや、その者達は初動で数名の衛兵と共に対処しようとしたのですが、

 残念ながら丘上から魔法を撃たれ全滅したと」

「尊い犠牲だ、その者達の勇気ある行動に感謝を」

「えぇ、丁重に弔います、ウェンハム衛兵長の話だと壊滅させたのは後から来た2人で、

 名前はルドルフとミーシャ、Sランク試験を受けに来ていたウルダのAランク冒険者です、

 にわかには信じらないんですけどねぇ、1人は魔法を受けながら平然と丘を歩いて登ったとか、

 もう1人は炎の上位魔法を使用出来る可能性があります、

 襲撃が収まったあと森側で大きな爆発があったじゃないですか、アレがそうらしいです」

「アレか、私もこの目で確認した、正直体が震えたよ、

 Sランクの推薦状を持っているのであれば心配ないとは思うが、

 もし敵となれば町の1つや2つ簡単に吹き飛ばせるぞ」

「ウルダのギルド長は『酔いどれラガー』って呼ばれる程酒好きでいっつも酔っぱらってますけど、

 剣の腕と人を見る目は確かです、俺は信じますね」

「そうでなくては困る、その2人は今どこにいる?」

「瓦礫の撤去を手伝っています」

「そうか、少なくともその2人が迅速に対処したお陰で被害が抑えられたことは事実だ、感謝せねばな」

「そうですね」

「被害を受けた者達に支援が必要だがリーヌスは当てにならん、

 マイロが死んだ今、ヤツにとってはこの状況は好機だ、被害を受けた者達すら利用するだろう」

「ほんと虫唾が走りますよ、俺にも我慢の限界ってヤツがあります」

「私は既に限界を超えている、証拠があれば今すぐにでもリーヌスを極刑に処すところだ、

 だが今は耐えろ、法務長がリーヌスについている限りこちらが負ける、そうなればリーヌスの思う壺だ」

「わかってますよ、暴走しないように出来る限り抑えます」

「被害を受けた者達への支援が滞る場合は遠慮なく言え、その時は私の私財で補う、

 それとウェンハムにマイロの件はまだ伝えるな、真面目な男だ、責任を感じるだろうからな」

「いつまでも隠し切れませんよ」

「数日でよい、今の状況が一段落したら私から伝える」

「わかりました、それじゃ俺はこれで、まだ賊が残ってるかもしれませんからね、

 迂闊に出歩かないで下さいよ」

「分かっている」

「それじゃまた明日来ます」

「あぁ、気を付けて帰れ」


ダルトンは部屋を出て行った。

王都襲撃犯についてシルトアの報告が待たれる中、

カード王の元に予想外の人物から真実がもたらされることとなる。


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