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175話目【フルムド・アントルのお食事会】

「お~い、そろそろ起きろマツモト、お~い」

「…ん? お? …バトーさん? そっか助けてもら…ってないですねこれ」


目を覚ました松本だが椅子にロープで縛られ、あまつさえ手足に鎖、鎖を辿ると重りが付いている。


「(捕まってるのは分かったけど、丸いテーブルに白いテーブルクロス…

  綺麗な内装…ガラス製のグラス…そしてドレス姿のカルニさん? 

  バトーさんはいつも通りの服で…何だこれ?)」


目の前の状況がイマイチ理解できず首を傾げる松本、辺りを観察していると腹の虫が鳴いた。


「ははは、腹へったよなマツモト、もうすぐ揃うからそれまでの辛抱だ」

「あの~そもそもこれはどういう状況なんですか?」

「ある方に夕食に招待されたんだ、普段こんな店で食べないから楽しみだな」

「はぁ…あのクソ眼鏡ですか…わざわざこんな高そうな店まで用意して…

 鞭の次は飴みたいな? 分かりやすいことを…俺ってそんなに単純に見えます?」

「見えるぞ」

「あ、そうですか…」


横でカルニも頷いている。


「あんまり滅多なこと言わない方がいいぞマツモト、クソ眼鏡は止めとけ」

「いいんですよ、俺の友達の妹を騙して捕まえるのに協力させたんですよ?、

 ジャンボシュークリームで知人を売ったなんて知ったら傷ついちゃいますよ、

 子供の純粋な心に浸けこんで己の欲求を満たそうだなんて、クズですねクズ」

「お前ジャンボシュークリームで売られたのか…」

「いやそこは強調しないで下さいよ…」

「(私は何も聞いてない…聞こえない…無知って怖いわ…)」


カルニのストレスが上昇した。


「この店って格式高そうですけど、ちゃんとした服じゃないと駄目なんじゃないですか?

 カルニさんはドレスだからいいとして、バトーさんは普通の服だし、

 俺に至っては見てこれ…首から足先まで麻のロープのボーダーライン、

 手足には太目の鉄製アクセサリー…とんでもないハイセンス着こなしちゃって…」

「心配しなくても貸し切りらしいから大丈夫だぞ、俺も食事マナーなんてよく知らないから助かるな」

「正直面倒ですよねぇ、そういう食事」

「まぁな、俺達みたいな庶民はいつもの酒場の方が気兼ねしなくていいな」

「そうですよねぇ」

「(私だけじゃなかったわ)」


内心ほっとした様子のカルニ。


「ところでマツモト君、私に隠してることない? 

 マツモト君が普通の子供とは違うってのは分かるけど、今回の件は流石にちょっとね」

「当然ありますよ、隠し事が無い人なんていません、人は全てを曝け出して生きてはいけないんですよ」

「またそんなこと言って…」

「面倒なことになるんですよ~、あの事だってそう思って秘密にするようにしたんですから」

「まぁそれはわかるけど、私もギルド長としての責任があってね、下の子達に説明したいのよ」


あの事とはパンを出せる事である。


「お願いですからそっとしておいてください、特殊な能力とか強力な力ってのはそっとしておいた方がいいんです、

 俺がバトーさんみたいに強かったら降りかかる火の粉を自分で払えますけど、

 今みたいに直ぐに捕まって見世物にされたり、実験されたり、下手すれば解剖されたり、

 これがもし世界を揺るがすような力だったら国を巻き込んでの戦争になったり、ろくなことにならないんですから」

「そう、そこまで言うなら仕方ないわね」

「知らない文字が読めたんだよ、この間のネネ様の日記とかな」

「おいぃぃぃぃ!? 何サラッとばらしてんのぉぉ!? 俺の話聞いてました? ほんの数秒前の話!」

「カルニはいいだろ、他の話も知ってるんだし」

「そうですけどね! 知らなければ害が及ばないとかそういう俺の心使いを汲み取って欲しかったですけどね!」

「本当なのマツモト君?」

「まぁ、その話はもう少し後にしましょう、揃ったみたいですから」

「お待たせしました」


正装に身を包んだフルムド伯爵、ピッチリドレスのノルドヴェル、

ゴスロリのタレンギ、ツナギ姿のカプアとハンクがやって来た。


「(クソ眼鏡、Sランク冒険者2人、あのツナギの2人確かクルミパパの時に見たな…どういう繋がりだ?)」

「(はぁ、こういう店も服も慣れないな…マツモト君を説得するための材料だからしかた無いけど)」

「(正装だとしっかり貴族っぽいわ…ドレス着て来てよかったぁ~)」

「(あら~カルニギルド長素敵、胸が無くても映えるドレスね、今度ルドルフにも着せてみようかしら)」

「(あの人がカルニが言ってた槍のノルドヴェルさんか? 見た目はともかく相当強いな)」

「(あれが金獅子バトー、ミーシャ程じゃないけどガッシリとした体格、

  服の上からでも分かる筋肉、イイ男じゃないの~)」

「(いいお店だわ、間違いなく美味しい料理がでる、持ち帰り用の容器持って来て正解だったわ)」

「(こんな短期間で豪華な食事に2度もあり付けるなんて…主任に付いてきて良かった!)」


松本陣営とフルムド陣営、各々の思惑を含んだ視線が交差する。

まぁ松本とフルムド伯爵以外はどうでも良い。


「僕としてはマツモト君の話の続きを聞きたいのだけど」

「もう必要ないんじゃないですか? あんな騒ぎまで起こして確かめたんですから」

「まだ状況証拠だからね、ハッキリさせたいのさ」

「っは、白々しい、取りあえずこれ解いて下さいよ、虐待ですよ、幼児虐待」

「そうだね、それじゃ食事も出来ないし、お願いします」

「「 了解です 」」


カプアとハンクがゴソゴソすると松本の拘束を解かれた。


「ふぅ~ようやく自由になった、手首に跡付いちゃって隙ありぎゃぁぁぁ!?」


逃げようとしたがバトーに足首を掴まれ顔を強打する松本、顔を抑え蹲っている。


「うぅ…鼻痛い…」

「ほらな、言った通りだろカルニ」

「一瞬だったわねぇ」

「一緒に生活してるからな大体の行動は読めるぞ、いまから食事なんだ逃げるなよマツモト」

「あだだ…この面子を相手に逃げれると思ってませんよ、挨拶みたいなものですって…いだだ」

「それでは食事にしましょう、堅苦しいのは苦手なので皆さん適当に好きな場所に座って下さい」

『 はい~ 』


フルムド伯爵のお言葉で各々席に着く、マツモトの左右にバトーとカルニ、対面にフルムド伯爵。


「直ぐに料理が来ます、改めて僕の素性と目的を説明する前に

 マツモト君のことをはっきりさせたいのだけどいいかな?」

「自分の手の内を明かす前に俺に明かせと? 相変わらすクソ眼鏡ですね」

「ちょっといろいろ事情があってね、僕側の話もかなりの秘密だったりするんだ、

 それこそタレンギさんやノルドヴェルさんも知らない話」

「はぁ…まぁもうバレてますしね、そのための貸し切りなんですよね?」

「そういうこと」

「わかりました、腹割って話しますよ、けど理由を聞かれても困りますからね

 俺も原因を上手く説明できませんから(天界とか説明してもねぇ…)」

「それでいいよ」

「知らない文字が理解できます、恐らく全ての文字が理解できる筈です、

 ただし、読めるだけで話したり書いたりは出来ません」

「本当なら便利でしょうけど…ちょっと唐突過ぎてねぇ」


左隣で訝しむカルニ。


「(うわぁ…信じて無さそう)本当です」

「だってねぇバトー」

「本当っぽいぞカルニ、よく分からんけどな」

「何か知らない文字で書かれた本でもあれば証明できますけど、誰か持ってませんか?」

「僕が作ろう、すみません紙とペンをお願いします」


店員さんから紙とペンを受け取り何やら書き込むフルムド伯爵。


「ハンクさんマツモト君に回して下さい」

「わかりました、…全然読めませんね」

「その文章は3つの文字で構成されていますから、普通の人では無理ですよ」


ハンク、タレンギ、カルニを経由して紙が回って来る、3人共首を傾げている。


「はいマツモト君、難しいわよ~」

「難しくないですよたぶん」

「凄いなこれ、見たこと無い文字だぞ」


隣で覗き込むバトーも首を傾げている。


「どれどれ?(私の名前はフルムド・アントル…!?!?!?)」


白目を剥く松本、カタカタと小刻みに震えている。


「どうしたマツモト?」

「なんで震えてるのマツモト君?」

「いやいやいや…違う絶対違う…」

「読めないのか?」

「マツモト君嘘ついちゃ駄目よ? こんな騒ぎになって言い出しにくいのは分かるけど、

 駄目なら駄目でちゃんと謝らないと」

「違う違う…そうじゃ…そうじゃない…」


ラブソングの帝王の名曲みたいなことをブツブツ呟きながら汗ダラダラの松本。


「あんなに黙っちゃって、これはやっぱり読めないんじゃないですか!」

「そうですよ、主任の言う通りですよ!」

「ははは、僕は読めたらから黙ってるんだと思うけどね」


読めないことを期待するカプアとハンクを笑って否定するフルムド伯爵。


「どうなんだマツモト? 読めるのか? 読めないのか?」

「よ…読めま…す」

「じゃあ読み上げてマツモト君」

「い…いや…ちょっと…」

「読めるんだろ?」

「…読めます」

「読み上げて」

「いや…」


イヤイヤと首を横に振る松本、しびれを切らしたバトーとカルニが席を立つ。


「ハッキリしろマツモトー!」

「読めるっているなら読み上げなさいマツモト君!」

「いやぁぁぁ! いやぁぁ! やめてぇぇぇ!」


上半身をカルニ、下半身をバトーに持ち上げられ捩じられる松本、

テーブルに置かれた紙に顔を押し付けられながら首を横に振っている。


「(貸し切りにしてよかった…)」

「(金獅子容赦ないわね…)」

「(子供ってあんなに捩じれるのね…)」


ネジネジの松本、バトーが容赦なく下半身捩じっている。

料理が運ばれて来た。


「あの、カルニギルド長、バトーさん料理も来ましたのでその辺に…」

「ハッキリしなさいマツモト君!」

「どうなんだマツモト、もう少し捻るか?」

「やめてぇぇ! でも認めたくなぁぁい!」


頑なに読み上げずネジネジの松本にフルムド伯爵が助け舟を出す。


「まぁまぁ落ち着いて下さい2人共、僕は別に怒ってないから読み上げてくれないかなマツモト君?

 そうしないと話も食事も先に進まないから」

「わ…わかりました…すみませんでした…伯爵様」


ネジネジから解放された松本、料理を前にして震えた声で内容を読み上げる。


「わ、私の名前はフルムド・アントル…元は庶民ですが現在は貴族で爵位は伯爵です…

 カンタルの領主を務めています…く…クソ眼鏡ではありません…」

『 あぁ~… 』


松本が渋った理由に納得の一同。


「それではマツモト君の調査も完了したことですし、食べましょうか」

『 頂きま~す 』

「おいしいぃぃ! 凄く柔らかいお肉溶けるぅぅぅ」

「最高ですね主任、今回の旅は贅沢だなぁ」

「喜んでもらえてよかったです、お2人にもかなり無理を聞いて頂いて感謝しています」

「なんのなんの、あの程度の鍵いつでも作りますよ」

「どちらかというと扉の設置の方が大変でしたね主任」

「そうですか、料金は僕が払いますので好きなだけ食べて下さい」

「「 ありがとう御座いますフルムド伯爵 」」


料理に夢中のカプアとハンク、松本が閉じ込められた扉の仕掛けは2人の仕事である。


「カルニギルド長、飲み物のお代わりはどうされますか?」

「え? そんな気にしないで下くださいタレンギさん、自分で頼みますから」

「同じ冒険者なんですから堅苦しいのは無しにしましょう、折角フルムド伯爵がお許し下さったんですから、

 宜しければ私のオススメを試してみませんか?」

「そ、それじゃお願いします」

「ターレ、私のも一緒に頼んで貰える?」

「すみません、新世界3つお願いします、あら知らない? ビールと果実所を半分ずつ混ぜたもので…」


高級店で新世界を頼むタレンギ達、初めて聞く注文のようだが臨機応変に店員さんが対応している。


「旨いなマツモト」

「そ、そうですか? なんかあんまり味がしないというか…」

「ははは、伯爵様は気にしないって言って下さったんだから忘れろよマツモト、

 こんな上品な料理なかなか食べる機会ないからな、楽しまないと損だぞ」

「いやまぁそうなんですけど…最初っから教えて貰えてたらこんなことには…」


食事を楽しむバトーと青ざめた松本、フォークで豆と突いている。


「まぁまぁ、これでも食べて元気出してよマツモト君」

「ありがとうございひぇっ!?」


ステーキの乗った皿を横から差し入れるフルムド伯爵、松本がビビり散かしている。


「そんなに怖がらないでくれないかな、さっき書いた通り僕は元々君と同じ庶民なんだ、

 正直この服もこういうお店も慣れて無くてね」

「はぁ…」

「そろそろ僕達の話をしよう、何故マツモト君に協力して欲しいかもね、食べながら聞いてよ」

「わかりました」


席に戻ったフルムド伯爵は話を始めた。


「皆さんも食べながらで良いので聞いて下さい、ただしここでの話は内密にお願いします」

『 はい~ 』

「マツモト君、掻い摘んで説明するけど僕とカプアさんとハンクさんは魔王対策の組織に属してるんだ」

「魔王ですか? …ん?」

「どうしたマツモト?」

「いや、なんか聞き覚えが…」

「俺の顔がどうかしたか?」

「いやぁ…」


バトーの顔を見ながら松本が首を捻っている。


「あぁ~シード計画」

「なんだそれ?」

「いやほら、獣人の里でプリモハさんがチラッと言ってたヤツですよ、たぶん」

「なんか言ってたか?」

「その一環でネネ様について調査しに来たって」

「そうだったか?」

「たぶんですけど、実は俺もうろ覚えで…」

「そんなこと言ってたか? う~ん?」


今度はバトーが首を捻り出した、

シード計画についてはプリモハが当時の族長アンプロに説明する際にチラッと説明している。


「それで合ってるよ、名称はシード計画、

 同じような組織は世界にいくつか存在していて秘密裏に活動している、

 情報を共有しながら魔王に関する研究や対策を考えているんだ、

 でも正直魔王については殆ど分かっていなくてね、

 どうやって現れるのか、目的は何なのか、何故千年周期なのかとかね、

 だから、組織の主な活動は『魔王に滅ぼさた後の世界が速やかに復興する為の対策』だね、

 様々な植物や生き物の種を集めて保管しているんだ、

 最近では技術や情報なども出来る限り保存しようという機運が高まっている、

 魔族が出現してからは蜂の巣を突いたような騒ぎだよ」

「なるほど、魔王を倒すことは考えないのですか?」

「難しいね、人の寿命は長くて100年程度、亜人種なら300年近く生きる種もいるけど千年には遠く及ばない、

 一時的に優秀な戦力が現れてもいずれ死んでしまうから魔王の出現に合わせるのは運次第、

 今回の魔王が前回と同様とも限らない、不確定要素が多すぎて

 現代の剣と魔法でどこまで対抗できるのか予測出来ないんだ」

『 う~ん… 』


食事を取りながら頭を悩ませる一同。


「1度世界が滅ぶということは想像を絶するほど過酷なんだ、

 作物は枯れ、あらゆる生物の数が激減し、築いた文明は崩壊する、

 その度膨大な時間を掛けて復興して来たのだけど、新しい文明は過去の遺物を消滅させてしまう、

 光の3勇者様が前回の魔王を討伐して下さったお陰で今の世界は多少文明を継承することが出来た、

 でも失った物の方が圧倒的に多い、前回の魔王以前の世界がどうだったかも分からないんだ、

 2千年前の書物なんて滅多に残って無いしね」

「え? 滅多にってことは残ってるんですか?」

「あるよ、正確にはいつの物か分からない書物だけどね」

「へぇ~、ステーキ旨っ」


落ち着きを取り戻した松本、ようやく味覚が戻って来たらしい。


「とまぁ、ここまではつい最近の話で約1ヶ月前に大きな変化があったんだ」

「ネネ様の日記と槍ですか」

「そう、流石に当事者だね」

「時を超えて現れたネネ様の槍、素敵よね~一度でいいから振ってみたいわ」

「伝説の槍よ、扱いきれるのノル?」

「光の3勇者様と比べられちゃうとちょっと自信ないわ、ネネ様ってどれくらい強かったのかしら?」

「コカトリスを素手で倒せるくらいです」

「「 え? 」」

「コカトリス程度なら素手で倒せるって日記に書いてありました」

「「 ネネ様怖っ… 」」

「マツモトこれ美味しかったぞ」

「本当ですか? 旨っ、芋旨っ」

 

ネネ様の強さに衝撃のノルドヴェルとタレンギ。  

芋の美味しさに衝撃の松本。


「あの槍の発見はとても大きいよ、もしかしたら打開策になるかもしれない、

 そしてもう1つの大きな発見はマツモト君、君さ」

「俺ですか?」

「僕の領地のカンタルは砂に埋もれた遺跡なんだ、元は千年前の王都だったらしい、

 埋もれて忘れ去られた後は不毛の土地として新しい都市は築かれなかった、

 お陰で今でも数多くの遺物が残っていてね、

 現在も発掘中で随時調査中、もしかするとその中に魔王関連の記録が残されているかもしれない」

「(なるほどな、世界に比べたら子供1人の人権なんて軽いわな、むしろ気を使って貰った方か…)」

「僕達にはあまり時間が残されていないと思う、一緒に来て協力して貰えないかなマツモト君」

「解剖とかされないですか?」

「しないよ、約束する、生活も保障するよ」

「ふぅ~、バトーさん俺の買い込んだ荷物お願いします」

「いいぞ、頑張れよマツモト」

「頑張ります~」


こうして松本の次の行先が決まったのである。


「そういやその傷コカトリスにやられたんだってな、カルニから聞いたぞ」

「毒にやられちゃって危なかったですね、助けて貰わなかったら確実に死んでましたよ」

「友達守ろうとしたんだろ? 恐怖に立ち向かうってのは難しいからな、いい経験だ」

「確かに、でももうコリゴリですね、俺は補助系依頼で冒険者の星になります」

「安定して稼げるからそれもありだな、でももっと強くなったら素手で倒せるようになるかもしないぞ」

「それが出来たら勇者ですよ」

「そうだな」

「「 はははは! 」」

「頑張ったんでその肉下さい」

「ダメだ、俺もいろいろ頑張ってたからな」

「「 はははは! 」」


久しぶりの再会で笑う松本とバトー。


「(事情が分かったのはいいけど、秘密事項が多すぎてあの子達には説明出来ないわね…肉旨っ)」


肉を食べながらカルニはもどかしい顔をしていた。


「(今の内に容器に詰めて貰っておこうかしら…)」

「(あ、主任が良からぬことを考えてる…)」


カプアは料理をお持ち帰りした、なんだかんだ言いつつハンクも持って帰った。




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