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「『ハロウィンだから狼に仮装しただけ』だって!!それが浮気する理由になるの!?ほんとなんなのあいつ!」
君はそう言いながら、瞳に涙を溜めた。
これで君の愚痴を聞くのは何回目だろう。
そんなに嫌なことがあるなら別れればいいのに。
…なんて口が裂けても言えない。それでも好きで、別れられないから苦しんでるんだろう。
経験の少ない というか 経験がない僕からかけてあげられる言葉なんて見つからない。
悲しさと悔しさに震えるその小さな背中に触れることも出来ない。君にはアイツがいるから。
ただヨダレを垂らしながら、ただ鼻息を荒げながら眺めることしか出来なかった。
いっそ僕が仮装できればいいのに。
警備員に。音響の関係のなんかそんな仕事をしてる人に。
いや、立派な銃とマラカッチをこしらえた猟師に。
そうすればアイツは、あの狼は、しっぽを巻いて逃げるだろう。
そしたら君を迎えに行くよ。
王子様の仮装をして迎えに行くよ。
いっぱいえっちしようね。