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第10話 森の中、戦闘開始!

銃弾が飛び交い、山小屋は囲まれているのを感じる。


「端から順だ、待ってろ!

オヤジが言ったぜ、生きる為ならやれるだけやれってな。

これは戦争だ!たとえ敵が友軍でも、俺に銃を向けたら敵だ!

生き延びて、また家族に会いたきゃ容赦するなってな!」


ザザザッ


一気に一番近い一人の気配に向かい、慌てて銃を向けてくる相手を見つけると、木の幹に手をかけ方向を変える。


タタタンッ!


「みーーー・・っけ!!」


それは、妹との森での鬼ごっこの延長線。

その頃の彼は、目が見えないことは何の傷害でもなかった。


「このっ!」


タタタンッ!!

タタタンッ!!


「子供か?!」


銃弾が、素早く走るサトミのあとを追う。

グンとサトミが近づくと、身構える兵の前でいきなりダッと飛び上がり、回し蹴りが兵の後頭部にヒットする。

が、敵も反応がいい。

右手の小銃でガードされて、左手のハンドガンが向けられる。


「ハハッ!反応いいじゃん!」


「チッ!」

パンッパン!


サトミが弾を避けながら着地し、腰からサバイバルナイフを取る。


「こんなに近くにいるのによう!」


兵がハンドガンを向ける。その銃口を、懐に入ったサトミがナイフの柄で叩いて払う。


「くっ!」


「銃、ばっかだな!」


そして、クルリと背後に回ってナイフを突き立てた。


「ぐがっ!」


兵は反射的に銃の引き金を引きながらその場に倒れ、サトミは次に向かった。


「ああ、嫌だ嫌だ。

俺は今し方赤ん坊助けたってのに、俺に殺させるなクソ野郎!」


タタタンッ!タタタンッ!


「ビリー!ビリー!生きてるか?!」


死んだ奴と組んでる仲間だろう。

撃ちながら近づいてくる。

サトミが弾を避けながら、一旦後ろに下がる。


殺し合いか。

戦争なんて、人を狂わせるだけだ。


「雪よ、俺はお前使いたくなかったんだけどな〜。」


背に、右手を回して日本刀を抜いた。

それは、鰐切(わにきり) 雪雷(せつらい)、彼の相棒の日本刀だ。


「仕方ねえじゃん?雪よ、一仕事(ひとしごと)頼むぜ」


右に雪雷、左にサバイバルナイフ。

フッと一息はいて、次の目標に走り出した。


「くそっ!このガキッ!」


タタタンッ!!


キキキンッ!


「がっ!」


ナイフで弾き、一瞬で兵を切り裂く。

間髪入れず、次へと走ると敵兵が急に撃ちながら慌てたように引き始めた。


「あれ?動きが変わったな。奴らの服、俺らと一緒じゃねえし、なんか手が込んでるな」


タタタンッ!タタタンッ!


こちらを牽制しながら引いていく一人に、小さなスローイングナイフを1本投げる。


「ぐあっ!」


ナイフは逃げる男の大腿部に刺さり、たまらずその場にひっくり返った。


「く、くそっ!」


痛みに思わず柄を握って抜こうとしている。


「おっと、待ったー!」


サトミが駆けてきて男の手にある銃を蹴り飛ばし、クルリと回ってナイフを抜こうとする手を踏んで止まった。

衝撃に手首が嫌な音を立てる。


「ギャッ!!」


男が悲鳴を上げてサトミの戦闘服を掴む。

だが、子供の足はびくとも動かなかった。


「ダメダメ、抜いたら出血で死ぬじゃん?ナイフってのは刺さったままで病院に行けってオヤジに習ったんだ。」


「貴様!」


パンパンパン!


キンキン!


突然、横から弾が飛んできた。

避けてナイフで弾き、ため息ついて首を振る。

一人、遠くからこちらに気がつき、加勢してきた。


「うっせーな、黙って撤退しろよ!」


サバイバルナイフを腰に戻し、ナイフベルトからスローイングナイフを一本取ってポンと上に放る。

雪雷で放ったナイフの柄の頭を叩き、弾道の来た方角へ打ち込んだ。

足下の兵がハッとそちらを見ると、遠くで木に隠れながらこちらに撃っていた仲間が1人、顔を出した瞬間、倒れて動かなくなる。

少年の正確無比さに、ゾッとした。


「お、お前は……」


「で!それは、いいとして。

あんたら何者?なんで引くの?教えてくんない?」


「貴様ら、何故この山小屋にいる?!」


男が腰からナイフを取ろうと片手を腰に回す。

が、その喉元に刀の切っ先を突きつけられ、動きを止めて息をのんだ。

問いを問いで返されて、サトミがため息をつく。


「聞いてるのはこっちだ、あんたどこの隊の人?ここにいた奴らとは違うよね。

反応がいい、ちょい強え感じ?装備いっぱい持ってるし、上に近いんじゃね?」


「貴様のようなガキが…!」


パンッ!バシッ!


銃声がして、足で踏んでいる男の頭に見事にヒットして事切れた。


「ああっ!あー、くそっ、マジで絡んでるのって、偉い奴なんだなあ。

大人って汚え〜」


キンキンッ!


自分に向かってくる弾をナイフで弾き、ステップ踏んで避けると走り出す。

しかし、仲間の兵を口封じに殺した奴の気配がつかみにくい。

軍に入って、こう言うことは初めてだ。


「何だ?こいつ、面白えな。」


雑念が無い。

気配を消すのが上手い。


「なるほど軍にはオヤジみたいな奴もいるって事か。

ククッ、面白いな、こう言うの久しぶりだ。」


とりあえず走って逃げる。

山小屋から離れ、走って普通にわかる1人の気配を負う。

そいつは近づくまでサトミに気がつかなかったらしく、振り向いて慌てて銃を向けた。


タタ…


身を落とし、ドッと胸を切り裂き走り過ぎる。


「ぐあっ!」


パンッ!


キンッ!


見えない奴は隙を探すように、攻撃中を狙ってハンドガンで撃ってくる。

外さずきっちりヒットさせてくるので、ナイフで弾く。

その繰り返しだ。


「なんでつかめないんだろうな、人間なのに」


木々の緑の中、次々と木を避けて走る。

サトミはそれを、目に頼らない。

ただ、見慣れないと、目の前を枝が過ぎるだけでドキッとする。

自分はこんなに早く動いていたのかと、再認識した。


緑、どこを見ても緑だ、森の木漏れ日に鮮やかな緑の海が、目に痛い。


パンッパン!


キンッ!


まだ追ってくる。

若い奴か、それともゴリラか、スタミナがある。


「しつこいなー」


自分の集中力が落ちたのか、それともサトミレーダーの性能が落ちたのか。

人の多い町中では、雑念多すぎて性能の落ちるレーダーは、こういう人の少ない山中では性能アップする。

ところがこいつ一人だけ、何故か感じない。弾道の来る方向で、ボヤッとその辺だとわかるくらいだ。

なんでだろうなー、と立ち止まり、息を整え大きな岩に隠れて考える。


少し、山小屋から離れすぎた。

そろそろ戻らなきゃと、思う。

と、ふと気がついた。


「そうか!俺は目が見えない方が丁度いい!」


口を覆った首の迷彩スカーフをずらし、ゴーグルを外す。

そして目を閉じて、心を研ぎ澄ませた。

サトミレーダーは、サトミの超人的な感応力です。

性別もなんとなく把握できるし、知ってる奴なら個人もわかります。

え?なんとなくってどういう事か?

それはロンド郵便局局長のように、性別男性なのに心はレディのような人がいるという事ですよ。


「トランスジェンダーの存在なんて知らなかったんだよおーーーっ」


だ、そうです。

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