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プロローグ

破壊神(はかいしん)の名において、××の記憶を破壊する。破壊の力を以て、この人の命を転生させよ」

私がそう唱えた瞬間、抱き上げた××の体がホゥッと明るく灯った。パキッとどこがで炎のはじける音と、焦げ臭い匂いがそこには漂っていた。

もう少しでも、私の神力(しんりょく)が目覚めるときがはやければ、××を救えたかもしれない。他の二人も救えたかもしれない。


……彼らの運命を破壊できたなら。


四人のうち、生き残れたのは私だけだった。……否、私も一度死んだのだ。だが、死ぬ直前に目覚めた破壊の力で()()()()()()()したのだ。

私が再び目を覚ましたときにはもう、敵の姿はなく、焼き落ちた神殿と横たわる三人の仲間の骸だけがそこにあった。

せめてもの祈りとして、私は仲間の魂本体の記憶と体に宿る記憶を切り離し、次の世界で生きられるよう転生させたのだ。

実際に仲間の二人を先程転生させたばかりだ。

通常なら一人転生させるのに三人の魔力総量(まりょくそうりょう)全てが必要となるのだが、神にもなると三人の転生で私の魔力総量の半分を使うだけですんでしまっていた。

××の頬についた血をペロリと舐める。

私は紅九尾(くれないきゅうび)の母と吸血鬼の父を持つあやかしだ。

だから、血での魔力補充(まりょくほじゅう)が可能なのだ。

××の血にふくむ魔力は本当にすごい。少量の血を舐めただけなのに、一般の人間の血をコップ半分の量、吸血した時くらいの魔力が回復する。


××を取り巻く光が先程より輝きを増した。

もうすぐ××の転生が完了するだろう。

そっと××の唇に自分の唇を重ねる。強く抱き締めた瞬間、××の体が光の粒となって散った。私の腕がなにもない虚空をかすめる。

「……っ」

光の粒はまるで蛍のように空へ空へと上がっていく。

私はそれを滲む視界で見ていることしかできなかった。


―サヨウナラ、愛する人……また会いましょう。


はじめまして、白夢鈴蘭です!

不定期になると思いますが、更新していきます!

よろしくお願いします!

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