殺人編
ある日、柏木警部に誘われて神戸に出かけフェリーに乗ることになった。
内海梅子六十五歳、独身 フェリーに乗るなんて初めてだ。
ずっと教員の仕事一筋で男性とフェリーに乗るのも初めてだ。
相手は、柏木警部だが。
フェリーには、有名なタイタニックの音楽が流れてる。
(この船、沈没するのかな)
そんなことを考えながらフェリーの中で、美味しいものを食べ、デッキへ行き涼みにいった。
(この頃、柏木警部と一緒が多いわね。年の差婚があるけど、20歳離れてるのか、悪くないかも)
そんなバカな考えをしながら涼んでる時、柏木警部がやって来た。
「梅子さん、殺人事件です。大富豪の横水健一氏が殺されました。男子トイレ前で殺されてました。
首を切られたそうです。」
大富豪の横水健一は金持ちでテレビの取材もよくあるし有名だった。
その有名人が同じフェリーに乗り殺されるなんて
梅子は、呆気にとられてしまった。
死体を見に行ったら、仰向けでクビには血がたくさん流れてた。
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「あらまぁ、血がいっぱい出てるわね。頸動脈を切られたのかしら?」
呆れた顔で柏木が「そ、そうですね。あなた死体好きですね。全然怖がらないや。」
「そうね。最初の事件から怖がってないわねぇ。犯人誰かしら?」
「犯人を今から捜すのが我々警察の仕事ですから」
フェリーの客は100人はいる。その中から犯人を捜すのは難しい。
殺された横水の知り合いがいるかもしれない。しかし、知っているのに知らないふりを されるかもしれない。
犯人捜しは難航することは間違いない。
「とにかく、横水の知り合いを集めます。知り合いと乗ってるのは確実でしょう。一人でフェリーに乗ることはないですからね。」
梅子は意気揚々と「そうと決まれば、知り合い探しを始めるわよ!」
若い二人の女性に声をかけた。
「横水健一さんをご存じありませんか?」
「知ってます。テレビで出てますよね?彼どうかしたんですか?」
柏木警部は「彼は、殺害されました」
「エッ?そうなんですか?だから騒がしかったんだ。けど、私たち知り合いではないので」
そそくさと行ってしまった。殺人事件に関わりたくないようだ。普通の人はこういう行動をとるのだ。
梅子は特別だ。 殺人が大好きだ。こんな人間はサイコパスに近いだろう。
いや、サイコパスだろう。
警察が集めた横水の知人は3名だった。
有名人でも知人は少ないほうだったのだろう。
1人目は、山口いずみ 30歳 横水の愛人と噂されてる人物だ。
2人目は、諸沢国男 45歳 共同経営を横水から持ち掛けられ金をだまし取られた過去を持つ。
3人目は、小泉春生 50歳 横水の同級生で、横水から誘われてフェリーに乗った。
横水自身は忘れてたかもしれないが、学生時代横水から虐めを受けてたとネットに書き込まれてた。
続く