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120キロ女子異世界奮闘記  作者: 丸腰ペンギン
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朝食


視線が痛い……王族の方々からの視線を感じる。興味。疑心。

特にチリチリと痛いのは騎士様の視線。

私そんなに不審人物かなぁ?結構人畜無害に見られるのに……。

あと痛い視線がもう一つ。第二王子だ。

ジョギングでわざと気付かなかったふりをして、声をかけなかったのを根に持ってるのか……。


睨み返したいが、自分の今の立場が分からない状態で、権力に逆らうほどアホではないミナトはスッと目を逸らす。


目の前にスープと前菜が運ばれてきたので、手を合わせ「頂きます」をして手を付ける。


…あ、良かった。普通に食べられる。

欲を言えば出汁やコクが足りないくらいかな?元の世界も異世界も味覚はほぼ同じなのかもしれない。

でもパンは硬い……!スープに付けて柔らかくして食べたいけど、ここでのマナーが分からない……。


周りを見ると千切って食べているので大人しく手で千切って食べた。モサモサ、パサパサ。

周りの食べ方を見ても異世界特有の特殊なマナーも無さそうで安心した。


パンをなんとか食べ終わった後、執事っぽい人がグラスに水を入れながら「おかわりもありますので」と言ってくれた。……が、ミナトはすでに満腹だった。


「もうお腹いっぱいで……大丈夫です」

「スープと前菜とパンしか食べていませんよね。メインディッシュとデザートも残っていますから、遠慮なく召し上がって良いのですよ」


落ち着いた優しい声で女王様が話しかけてきた。美人な上に優しい。

話し方が自分の母親に似ていたので少しウルっとくる。家族も今頃朝ごはん食べてるのかな。


「女王様、せっかくのご好意なのにすみません。ですが私は元から少食なんです」

「あら、そうなのですか。そちらの世界ではあまり食事を必要としていないのかしら?」

「えっと、以前の世界でも私は他の人より食べれない方でした」


ジャックがテーブルにナイフを叩き置いた。


「それっぽっちの量でお前のデカイ体型になるわけねぇだろ。嘘言うんじゃねぇよ」

「ジャック!ミナト、愚弟がごめんね。弟が失礼な事をしたらやり返して良いから。言いにくかったら僕に言ってね。……もしかしてこちらの世界に来たばかりで食欲が無いのかな……?」


え、王族にやり返していいの??侮辱罪とかで訴えられない?

ていうか王族の中でこいつだけヤンキー過ぎない?

第二王子は昨日から失礼な奴だけど、第一王子は本当によく出来てる人だなぁ。


第一王子に軽くお礼をして、運ばれてきた紅茶の香りを楽しんでから飲んだ。


ミナトは何故か昔からそんなに食事を食べられなかった。病院にも行ったけど原因がわからず、肥満以外は健康に問題もなかったので、特に改善する必要も無かった。


目の前の高貴な方々が心配しているのが申し訳ないけど、本当にお腹が苦しい……。

みんなの食事が終わるまで、紅茶を飲んで待つことにしよう。


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