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少年の指導
英風武館の看板
室内で机に向かい物書きをしている李英風。
トントン。
ドアをノックする音。
「先生、お茶です」
「入れ」
少年がドアを開け部屋に入り、お茶を持って来る。
「どうぞ」
「ありがとう。稽古まで掃除してくれ」と李が言うと「わかりました」と答え少年は部屋を出て行った。
その頃、さすらいの武術家、梅は河原で目を覚ました。
キセルを吹かし一服する。目覚めのタバコは本当に旨いと感じた。
タバコを吸い終わると梅は街に向かった。
英風武館では李が少年に拳法の稽古を指導していた。
「腰が高い。もっと腰を落とせ。足を曲げるんだ」李の指導は厳しい。
「もっと力を込め突くんだ」馬歩で突きを繰り返させる。
じっくり一時間、同じ繰返しで特訓を終えた。
「よし、休憩だ」李は少年に言った。