アルルの町で結婚式
魔人の国からアルルの町へと戻ったナオヤ一行は本格的に移住していく。
翌日、皆で話し合いリンディの結婚式はこの町で挙げることに決めた。
リンディは恥ずかしがって拒否してきたが、他の全員に押し切られて渋々頷いていた。
とりあえず領主のダイロンに服について相談しに行くと、そんな目出度い事は町全体でやるもんだと勝手に盛り上がってしまった。話しが大きくなってないか?
すると、モルティットが何故か仕切りだして式のドレスや宴会用の場所や食料などの手配を始めた。
「凄いね。こんなに事務方が得意とは思わなかったよ」
あれこれ書類に目を通しているモルティットに声をかけると、
「ふふっ。今回は身内だしね。それにご褒美があるから。ね!」
ウインクして答えた。ああ、なるほどね。納得した。手伝っているマクレイを見ると微笑んできた。ダメだ、かわいすぎる。
リンディはドレスの寸法取りやら、何やらで忙しそうだ。でも、町総出の事業になってしまったので、ご近所さんや今まで話さなかった人まで仲良くなれた。そして思った事は人が少ない! 確かに町じゃないね。
俺も何かあれば手伝って集会場の整備や馬車道の舗装や川の治水などを行った。…後半はあまり今回の件とは関係ないよね?
新しくできた町の広場の壇上に座って人の行き交う街並みを眺めている。活気があって皆、忙しそうだ。
すると背後から青い手が出てきて俺を抱きしめた。
「フフ。こんな所にいたんだ。探したよ」
「リンディ…」
頭だけ横に向けるとリンディが微笑んで隣に座ってきた。
「なんか大事になったけど、町の人も優しくて嬉しいね」
「ああ、そうだな。皆が幸せだったらそれで嬉しいよ、俺は」
そう言うとリンディは真っ直ぐ俺の目を見て聞いてきた。
「ナオヤはさ、何で一回もあたしやカレラの事を“嫌い”って言わないんだい? だからつけ込まれるんだよ」
「いや、だって嫌いじゃないし。い、今はす、好きだからさ。それに皆、あ、愛してるよ」
たぶん真っ赤な顔で答える。満面の笑みを浮かべたリンディが頬を赤くして囁いた。
「フフ。あたしも愛してるよ、ナオヤ」
お互い静かに優しく唇を重ねる。なんか駄目だ、リンディの誘惑には魔力があるような錯覚すらしてくる。
リンディの両肩をつかんで押し倒そうとして気がついた。
目の前にニヤけたダイロンがいた…。慌ててリンディから離れて座り直す。リンディも気がついたようで顔が真っ赤だ。
「昼から熱いな! そのまま続けてくれ!」
「しないから! 来たなら声をかけてくれよ!」
抗議するとダイロンは笑ってスルーした。
「ワハハ! 若いっていいな! ところでナオヤ、先にある川沿いの道が崩れたらしくてな。修復を手伝って欲しい、来てくれるか?」
「ああ、もちろん! 後で、リンディ!」
壇上から降りリンディを見ると頷いて微笑んでいる。なんか、今までのやんちゃな雰囲気が嘘のようなしおらしさ。
ダイロンと連れだって目的地へ向かう。
「ところで、ダイロンはなんでギルドにいるんだ? 屋敷に住んでるんだろ?」
今まで疑問に思ったことを聞くとダイロンは笑い始めた。
「ワハハ! 俺はお前と違って一人者だからな、こんな田舎じゃ暇なんだよ。正直に言うとな、今、この町に冒険者は俺を含めて五人しかいないんだよ」
「えぇー! マジで!? ビックリだよ!」
驚いた! でもよく考えたらこの町の人数は少ないもんな。笑いながらダイロンは続ける。
「ワハハ。そうだろう、俺もだ! さすがに辺境付近には冒険者がやって来ることなんてめったになくてな。ホント、お前がフラリとやってきたときは嬉しかったもんだ。無理矢理、冒険者ギルドを作った甲斐もあるってもんよ」
「あのときは助かったよ。ホントに感謝してるよ!」
歩きながら頭を下げると、ダイロンはニヤリとした。
「ま、気にするな! お互い様だからな。それにお前が来てくれたから後継者に悩む必要も無くなったぞ」
「は? いや、ダイロン。何言ってるの? 普通、そういうのはギルドから派遣されるんだろ?」
反論するが全く聞いていない感じで話しを続けた。
「ほら、あそこだ! あの道が崩れているんだ。このままだと川に滑って落ちるから危ないんだよ」
そう言って川沿いの小道を指し示す。確かにそうだけど、さっきの話しはどうなった?
ちょうど道を見張っていた町人が俺達を発見して手を上げている。
ダイロンも手を上げて応える。二人で現場に近づいて状況を確認して、ソイル達に道を修復と補強をお願いした。いつもありがとう。
俺が到着してすぐに直すと町人は口を開けて驚いていた。何度か一緒に作業をしているダイロンは慣れたのか笑っていた。
いつのまにか町の修繕屋になっていた俺はあちこちへ行き、壊れた所を直したり修理していた。機械関連についてはフィアにお願いして直してもらい。重労働の部分ではロックに手伝ってもらったりしていた。
そうしてる内に式の準備が整い、町を挙げての結婚式が始まった。
町人が皆、広場に集まり賑やかにしている。俺達は壇上に登り式の開始を待っていた。
モルティット達が仕立てたリンディのドレスはとてもよく似合っていて、言葉にできないくらい美しかった。
マクレイやカレラ、モルティットも着飾っていて、こちらも美しい。もう、泣きそう…。
「ナオヤ、まだ早いよ。始まってもないんだよ」
リンディが俺に近づき囁いてきた。そう言われても。
「む、無理だ。でも、これは緊張の汗なんだ」
「フフ。どうでもいいことで強がちゃって。かわいいね」
嬉しそうなリンディが手を握ってきた。後ろにいるマクレイ達は温かく見守っている。
やがて準備ができた領主のダイロンが壇上に来て、服を整えると町人に向かって挨拶をし始めた。緊張しているため、全然声が耳に入ってこない。
やがて挨拶が終わるとフィアが前に立ち歌い始めた。は? フィアって歌えたんだ?
耳をすますと透き通るような歌声が響き渡る。めちゃくちゃ上手い! 何故、いままで披露しなかったんだ。凄く残念。
歌が終わると歓声と嵐のような拍手がフィアを迎えた。照れているフィアは顔を赤くしてこちらに向かって来た。
「とても上手だったよ! 聞き惚れたよ!」
そう言うとフィアは恥ずかしそうに下を向いて、
「ありがとうございマす。初めてで緊張しまシた」
モジモジしている。かわいすぎて抱きしめてしまった。
それから町の人が出てきて火を使ったパフォーマンスを始めた。あれ? 趣旨が変わってないか?
俺の怪しむ顔を見たのかモルティットが寄ってきて小声で言ってきた。
「心配しないで。あなた達は最後よ。こんな日だから町の人も楽しまなきゃ。ね」
ウインクしてまた離れていった。ああ、なるほどね。娯楽が少なさそうだもんね。
何組か壇上でさまざまなパフォーマンスを繰り広げた後、ダイロンが出てきて結婚式を執り行う旨の話しをした。
やっとか、だけどまた緊張してきた。リンディを見ると頬が赤くなっている。
ダイロンに呼ばれ、壇上の前に移動する。リンディと二人並ぶとダイロンが結婚の許可を与え夫婦となったことを宣言した。
もうダメだ。あまりに美しいリンディを見てたら涙が溢れてきた。それを見たリンディは微笑んでいる。
エルフの里でもそうだったけど、ここでも泣きながら式を挙げ、笑顔のマクレイ達に祝福を受けた。
その後は町人参加の立食パーティーになり、皆、用意された料理に舌鼓を打っていた。
「はぁ~。なんか疲れたー。さすがにこれ以上は無理だ」
グッタリ居間の椅子に座り、テーブルに突っ伏した。
パーティーが終わり、フラフラ帰って居間に直行している。
「お疲れ様。リンディはとても綺麗だったよ。フフ」
マクレイが俺の頭をくしゃくしゃして隣に座った。
「あたしは楽しかったよ。ダンナ様」
リンディが前に座って微笑んでいる。そこにフィアがお茶を持ってきた。
「みなさン、どウぞ」
「ありがとう」
お茶を一口すすって落ち着く。はぁー。
「あれ? モルティットとカレラは?」
「モルティットはもう直ぐ帰ってくるよ。カレラは部屋の整理をしているみたいだねぇ」
コップを持ちながらマクレイが言うとリンディが聞いてきた。
「でもさ、大丈夫かな? きっと親父は探してるよ?」
「ん~、かもね。でも西の大陸の田舎にいるなんて考えつかないよ」
少し考えながら答えるとマクレイが続けた。
「ま、大丈夫だよ。いざとなりゃアタシらがいるし、それにナオがここにいるからね」
素敵な笑顔で言ってきた。そんなに信頼されると照れる。
「フフ。そうだね。“契約者”に手を出すなんて、とんだ恐れ知らずだね」
リンディが俺の手を握って言う。そんなに評価されると迂闊な事ができない…。
それから談笑してそれぞれ寝床に行った。クルールは俺の肩に乗って寝ていた。かわいい寝顔は幸せそうだ。
部屋に入りクルールを専用の小さなベッドに寝かせ、自分のベッドに向かうとそこにはモルティットが待っていた。
「あれ? いつの間に戻ったの? って、なんでそこにいるの?」
「もう! 質問がいっぱいだね。私はご褒美を待ってたの!」
あー、ご褒美ってこれの事か…。全然違う事を想像してた。そんな俺の顔を見てモルティットはクスクスして、
「ふふっ。てっきりデートかと思った? それもいいけどね」
なぜ見透かされているのか? そう思ったが誘惑には逆らえず、モルティットを抱きしめ口づけを交わした。
「ナオヤー、あたしさー…」
いきなり部屋のドアを開けてリンディが入って来た! 俺とモルティットを見て固まる。こちらも同じだ。
「プッ。ほら! リンディも来て! 今日はお祝いだし、ね!」
モルティットが誘うとリンディがダイブしてきた!
「も、もう遠慮しないから! あたしはさ」
リンディが宣言するとモルティットは笑顔で頷いた。仲が良いですね。
そんな美人に囲まれ愛情を確かめ合う。疲れと理性が飛んでいった……。
翌日、ダイロンが訪ねて来た。
「よう! おめでとさん! 昨日は楽しかったよ。ワハハ!」
「フフ、ありがと! 中へどうぞ、ダンナも起きてるよ」
リンディが出て居間へ通す。テーブルには全員が着いていた。
「おお、全員いるな! 丁度いい。…しかし美人ばかりというのも大変そうだなナオヤ?」
「そうなんだよ、ダイロン! もう大変だよ!」
ダイロンの言葉にめちゃ賛同する。隣のマクレイが微笑んで腕をつねってきた。痛いって。
椅子に座ったダイロンにフィアがお茶を出し、再び席に着いた。
お茶を一口飲んでダイロンが話し始めた。
「よし、いいか? 実は王都の方から要請があって、しばらくこの町を離れなければならなくなった。そこで俺の代理にナオヤを立てるので補佐して欲しい。それと、俺の屋敷にいる者を一人を寄こすので分からない事があれば聞いてくれ」
「いや、待て! ダイロン! 何で勝手に決めてんの?」
慌てて言うが、まるで聞いていないように進めている。
「昨日の式で町民はお前達の顔を覚えてるから丁度良かった。一応、三日後に出発するからよろしくな!」
「ちょっと! どういうことだ?」
そう声を出すと、やっと俺にダイロンが顔を向けた。
「ま、最初は緊張するかもしれんがよろしくな!」
ニカっと笑って言ってきた。マジかよ…。全然聞いてくれない!
「補佐と言ってもどうするの? 大抵の事なら私達だけでもできるよ?」
モルティットが質問してきた。って、やる前提なのね。
「うむ。ま、そうだが、何事も経験って事だな。よし! こう見えても忙しいのでな。お邪魔したな!」
そうダイロンは言うと立ち上がり、俺と握手を交わす。結局、俺の疑問は解消されないままだ。
玄関まで見送った後、居間に戻り、モルティットに質問した。
「モルティット、俺は何するの?」
「あら? 分からなかったの? つまりここの冒険者ギルドの運営よ」
ウインクして答えられた。あー、そっちか。てっきり領主の仕事かと思った。良かった。
「フフ。その顔はとんでもない事、考えてたね」
ニヤニヤしたマクレイが突っ込んできた。当たってるよ…。
そして今、冒険者ギルドの受付に座っている。誰も来ないから、すっごく暇だ。
「ほら、資料を持ってきたよ」
マクレイが一冊の本を手に隣に座った。
「ありがと」
礼を言い、受け取って開いてみると何やら計算式とかギルドの規則などの文章が書いてあった。うーん、読む気が無い。
「ホント、わかり易いねー。やる気ないだろ?」
マクレイが頬杖して聞いてきた。その通りだから困る。
「……ま、まあ、頑張るよ」
苦笑いで答えると笑っていた。はっ! 今がチャンス!
マクレイの肩に手を回し顔を近づけると気がついたのか目を閉じてきた。
唇を奪って互いに深く口づけをする。と、マクレイが真っ赤な顔で離れた。
「な、ナオ。やっぱり、こんな所じゃ恥ずかしいよ!」
「でも、誰も居ないし!」
そう言うと、入り口から声がした。
「あの…すみません。ここにいました……」
は? マクレイと二人で顔を向けると若い人族の女性が受付カウンターの向こうに立っていた。
「あああ、アタシは用事があるから! 後でね!」
真っ赤な顔のマクレイは素早くギルドから出て行った…。なぜ逃げる?
するとカウンター前の女性はクスクス笑っている。
「ご、ごめん。恥ずかしいところ見せて…」
冷や汗で謝ると、
「いいえ、大丈夫ですよ。だって夫婦でしょ? フフ。お熱いですね!」
笑顔で言ってきた。いや、恥ずかしい…。
とりあえず気を持ち直し聞いてみる。
「と、ところで何の用かな?」
「それでしたら父から聞いてませんか? 手伝いが来るって」
苦笑いで答えてきた。え? ああ!
「ひょっとしてダイロンの娘さん?」
「はい。ベネットです。ナオヤさんの話しは父から聞いていますから。それに町では有名ですよ」
「マジか…有名なのか。でもダイロンから娘さんがいるなんて聞いてなかったよ」
そう言うとベネットは少し困った顔で
「結婚式にいましたよ。気がつきませんでしたか?」
ヤバい、全然覚えてない。リンディの美しさしか覚えてない…。
「ご、ゴメン。緊張してて周りが見えてなかったよ…」
「フフ。それにずいぶん泣いてましたから。そうだと思いました」
なんかニヤニヤして答えられた。恥ずかしい…。さっきから恥ずかしい所ばっかり見られてるな。
それからベネットがカウンターの中へ入って隣の椅子に座った。
冒険者ギルドの受付の仕事についてベネットから教わっている。ダイロンが出られない時は、たまに手伝っていたので大体のやり方は覚えているそうだ。ちなみにベネットも冒険者だった。って、ダイロン親子以外だと俺達だけじゃん、冒険者って。
「……と、こんな感じで進めれば大丈夫です。後は父が帰ったら引き継げば問題はありませんよ」
ベネットはすごくわかり易く教えてくれた。ありがたい。
「ありがとう。でも、俺じゃなくてベネットで良い気がしてきたな…」
「フフ。父には考えがあるのでしょう。頑張ってください!」
ベネットに励まされた。これはやるしかない!
と意気込んだが誰一人として訪れる人はいなかった。暇だ…。やることが無い。ベネットは読書をしていた。
「ベネット。お昼にしない?」
「そう、ですね。どうしましょうか? 食堂に行きます?」
ベネットが提案してきた丁度その時にフィアが荷物を持ってやって来た。
「お待たせしまシた。こんにチは、ベネットさン」
フィアはベネットを知っているらしく挨拶してカウンターに荷物を置いた。
「これは?」
不思議そうに見るベネットに、
「ああ、これはお昼だよ。フィアに作ってもらったんだ。一緒に食べよう」
そう説明して荷物を広げると、できたての料理が出てきた。どれも美味しそうだ。
料理を並べて、フィアも一緒にご飯を食べる。
「とても美味しい! これはフィアさんが作ったの?」
「ハイ。今日はワタシ一人で作りまシた」
ベネットの質問に少し照れながらフィアが答える。
「ハハハ。フィアの料理はいつも美味しいから楽しみだよ」
そう言うとフィアは微笑んで食べている。ベネットも喜んでガツガツ食べていた。
食事が終わると片付けてフィアは自宅へ戻っていった。
その後ろ姿を見送りながらベネットがため息をつく。
「はぁ~。私の家にもフィアさんが来ないかしら?」
「ハハ。それは無理だけど、遊びに来たら? いつでも歓迎するよ」
そう言うと嬉しそうにベネットが俺の手を取って
「ありがとうございます! 絶対に行きますから! お昼がいいですか? それとも夜?」
お礼を言いながら質問攻めにしてくる。なんかスイッチが入った…。
「え、ええと、好きな時に来ればいいよ。あ、でも、たまに俺達は出かける時があるけど、その時はごめんね」
「わかりました! お言葉に甘えます!」
ベネットはめちゃ喜んでる。ま、まあ、良かったのか?
それからまた受付の仕事へ戻った。
暇だ。よく考えたら冒険者は俺達しかいないから意味がないような気もしてきた。
余りにも暇で寝ようとした時に町人が訪ねて来た。
「ナオヤさん。ここでしたか! ちょっと来てくれないか? ミックの家の床が抜けたらしくて…」
「わかった。今、行くよ。ベネット、申し訳ないけど留守をお願い」
町人に答えてベネットに言うと、にこやかに頷いている。
「ありがとう! それじゃちょっと行ってくるよ」
「ああ、助かった! こっちだ!」
町人につれられてミックの家へ急ぐ。
小さい町だからすぐに目的の家へ着く。すると外からわかるぐらい家が傾いていた。
家の前に暗い顔で佇んでいたミックが俺達に気がついた。
「あ! ナオヤ! すまないけどお願いします」
そう言って両手で握手をしてきた。少し離れてもらって、
「ソイル、シルワお願い」
すると家が持ち上がり傾きが直っていく。ソイル、シルワ、いつもありがとう!
「おお! さすが精霊使い様だ! ありがとうナオヤ!」
ミックは感激して最初より大げさに両手で握手してきた。二人にお礼を言われ、気にしないでと伝えてギルドに戻る。
こうしてギルドにいると町の人が困った時に来るようになった。
魔物退治などの依頼はギルドのやり方に従って処理し、マクレイやモルティットにお願いした。流石に二人だけだと厳しい事があるかもしれないので、リンディとカレラにも冒険者ギルドに登録してもらった。
一気に冒険者の数が増えた! これで安心って、ほとんど俺の身内だよ。
ベネットもたまに家に尋ねてきてお昼を共にしたり、夕食時に現れて一緒に食事をした。
最近はクルールも慣れたのかベネットがいても気にならないようだ。ベネットはクルールのかわいさに目じりが下がりっぱなしだった。