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精霊を回収して日常に戻る

 

 横穴の出口で待っていた武官には魔物を退治した事を報告して、エキルは依り代としていたこと等をでっちあげて報告した。

 俺が報告する間、家族は苦笑いしていた。誰かフォローして!

 一応信じた武官は労いの言葉を掛け、次の目的地へ馬車を急がせる。

 途中で野営をして翌日には次の場所へ着いた。なんとも早いね。

 ここもエキルを封印していた岩山と同じものがあり、中腹には大きな横穴があった。

 前回と同様、武官が途中まで案内して歩みを止めると、俺達は先を進んで広間の柱の前までくる。

 アーテルが静かに出てきて教えてくれた。

「この子はナイール。よろしくお願いしますナオヤさん」

 そう言うと、俺の横にいてモルティットが封印を解除するのを見守っていた。

 手を握っているエキルはその光景を見て興奮している。仲間が解放されるから嬉しいのかな?

 詠唱を終えたモルティットが静かに俺達の後ろへさがった。全員二回目なので余裕がある。

 やがて柱が崩れると中にいた紫色の長い髪のナイールが中空から床に落ちて、覚醒した。


「ナイール!!」

 エキルが手を放し横たわっているナイールに駆けていき、抱きしめ叫んだ。

 気がついたナイールはエキルを見ると顔を崩し号泣し始めた。ついでエキルも涙で応え、なんともしんみりした空気に。

 近づいていき、二人の頭をなでると俺に抱きついてきた。なんで? 後ろから刺すような視線を感じるが気にしない。

 結局、二人して号泣しているので優しくあやして落ち着かせると、横にきたアーテルがナイールに言葉をかける。

「ごめんなさい。私が不手際なばかりに……」

「いえ、こうしてお会いできただけでも嬉しいです!」

 ナイールは俺の服を握って笑顔で答える。って、エキルとナイールはなんで俺にまとわりつくのかな?

 聞きたいが、聞いたらいけない気もするし。白髪エルフの視線が痛い。

 一応、収まったところで、再び武官の元へ行き前回同様のでっちあげを報告する。

 エキルとナイールをみた武官は何かいいたそうな顔をしていたが、面倒なので先を急いだ。


 三人目もやはり大きな岩山の中腹の穴にいた。

 解放するとエキルとナイールを抱きしめて号泣し、やはり俺に抱きついてきた。

 彼女は深緑の髪をした少女でユウナと紹介された。これで全て終わった。あー気遣いで疲れた。

 しかし、違う所で問題が生じた。エキルとナイールそれにユウナの内、二人が俺と手をつなぎ、一人は服を持っているため、フィアが手持ぶさたになったのだ。

 少し膨れているフィアに謝ると膨れた顔で知らんぷりしてマクレイの元へ向かっていってしまった。マクレイと目が合うと苦笑いで答えられた。なんかショックだ。ああ、癒しのフィアが……。

 それからドイトスの屋敷に向かう間、フィアが口をきいてくれなかった。

 屋敷に着き、ドイトスに会うと武官から話しが届いていたようで、すでに報告は受けたようだ。

 こんなにも早く事が終わったと喜ばれ、ついで豪華な晩餐を開いてもらった。料理も豪華だったが、今一つ薄味だった。残念だ……。

 ドイトスの好意で一泊し、翌日には地上へ出発して暗い坂道を登っていった。

「皆さん、このほどはありがとうございました。何かあれば我々も力になります。では、お達者で!」

 見送りに来ていたドイトスがお礼を述べ、来た坂道を下って行く。俺達も手を振り別れた。


 帰宅するまでの道のりはロックがエキルとナイール、ユウナを肩に乗せて移動している。もちろんモルティットは抱えられていた。

 先をズンズン進んでいるフィアに追いついてそっと手を握ると、少し顔を赤くしたフィアがニコリとしてきた。

 ふー。良かったー、怒ってないよ。機嫌がなおったので安心する。

 やがて家に着くと新しい仲間に各部屋を案内して居間でくつろいだ。エキル達はどれも興味深々であちこち探検している。なぜかクルールとレミアが先導しているのが見えた。もう仲が良くなったのかな?

 いろいろ疲れたので皆に「おやすみ」を言って先にベッドに潜る。はぁー、気疲れしたなぁー。そう思うのもつかの間、すぐに眠りについた……。


 体が押しつぶされる感覚でハッと目が覚める。

 ふと横を見るとソイルの顔があった。美しい顔立ちを観察していると静かに目を開いて頬を染める。

「起こしてごめんなさい。そんなに見つめられると嬉しいけど恥ずかしい……」

「ご、ゴメン。でも、なんでいるの?」

 聞くと俺の体に視線を向けて微笑んで答えた。

「フフ。この子達がいるから混ぜてもらったの」

 は? 慌てて毛布を上げて自身の体を見るとエキルとナイール二人が左右から抱きついて、ユウナが上に乗っていた……。どうりで重いわけだ。

「……なんで、この娘達は俺に抱きついてくるんだろう?」

「きっと、あなたに触れるのは大きな精霊量に安心するからよ。もちろん私も側にいられるだけで嬉しいわ」

 そう言うとソイルが唇を重ねてきた。…イカン、興奮してきた。が、今は身動きできない。そんな状態の俺に愛していると耳元で囁いてソイルは再び目を閉じた。

 悶々としていて目が冴えてなかなか寝られなかった……。


 ドスッ!

「はうっ!!」

 何かが体に落ちてきて、肺の空気が抜けながら変な声が出た!

 ビックリして目を覚ますと笑顔の精霊三人娘が俺の上に乗っている。

「おはよー、“契約者”さまー」

 エキルが嬉々として首に抱きついてきて、ナイールとユウナも楽しそうに続いた。って、重い!

「おはよう! わかったから! 起きられないから一旦離れよう!」

「「「はーい!」」」

 三人は大人しく離れると横に座ってニコニコと待っていた。

 急いで起き上がるとすでにソイルはいなかった……。服を着替えると三人を連れ立って下に降りる。

 居間ではフィアがテーブルに朝食を並べているところだった。

「おはよー、フィア」「「「おはようーー」」」

「あ、おはようございマす。みなサん」

 少し怖い笑顔のフィアが挨拶を返した。だんだんモルティットに似てきたな……。ああ、癒やしが…。

「エキル達もフィアを手伝ってもらっていいかな?」

「「「はーーーい!」」」

 三人は返事をすると嬉しそうにフィアにまとわりついた。ふー、これで一安心。

 ちょうどそこへリンディやカレラ、ベネットが降りてきた。

「おー、早いね! みんな、おはよー!」

 へリンディが声をかけてきたので皆で挨拶を返す。なぜかベネットは手を振っている。

 それから賑やかに準備を進めていると庭からマクレイとモルティット、ソイルが入って来た。

 気がついたマクレイが椅子に腰掛けながらリンディに話しかける。

「おや? リンディが早いなんてめずらしいねぇ」

「まーね。昨日はすぐ寝たから起きるのも早かったよ。ハハ!」

 笑いながらリンディも腰掛ける。トコトコとモーピアが背に妖精を乗せ居間へ入ってきて、俺を見つけるとまっしぐらに来た。

 なんとなく頭を撫でると目を細める。ついで妖精二人も撫でておくとクルールとレミアも嬉しそうにしている。かわいいなぁ……。

 ここでハッと気がつく。……いや、待て。少し考えろ。

 よく考えたらこの町に定住してから家族やらが増えている気がする。

 今、この家に住んでいるのは…ソイルとロックを含めて九人、妖精二人、新しく加わった精霊三人、モーピア一匹……。総勢一四人と一匹……。

 大所帯な気がしてきた。そういえば居間のテーブルも手狭になってきてたな。庭も広い方がいいし。

 後で増築するか……。


 朝食後、皆に外に出てもらって精霊主達にお願いして家を大きくしてもらっている。敷地を勝手に拡大してるけどいいのかな? 後でダイロンに報告しておこう。

 と、ベネットが慌てて来た。

「ナオヤさん、待ってください! ちゃんと部屋の壁を薄くしましたか? あ、あと、のぞき穴も!」

「ダメだって! ベネットはもう少しガマンし…」

 いきなり涙目になっているベネットを見て言いかけて止まる。ええぇ!?

「な、なんで泣くの?」

「……グスン……じゃあ、結婚してください!」

 うろたえていると、とんでもないこと言ってきた! 短絡すぎだろ!

「もう少し考えようよ? ね?」

「イヤです! ナオヤさんはわかりやすいから夜は聞けたんです。それがなくなったら私……」

 ベネットが泣きながら反論してきた。

 は!? な、なんだと! 夜の営みが筒抜けってこと!? めちゃくちゃ恥ずかしい!

 全身が熱くなりガックリと膝を落とす。あああああ、泣きたくなってきた。

 そこへリンディが現れるとベネットを抱きしめて耳元で何か囁いている。

 途中からベネットの顔つきが変わってきてニヤニヤしはじめた。とんでもないことを言ってそう。

「リンディ! やめてくれー!」

 慌てて止めに行くとベネットから離れたリンディが俺を引っ張ってきた。

「ちょっと、リンディ!?」

「ここじゃアレだから、さ」

 ウインクして皆から遠ざかると説明してきた。

「ふぅ、この辺でいいかな。エルフは地獄耳だしね。ベネットにはうまいこと言っておいたよ。それにさ、理解してあげなよ? 欲求は彼女の性質みたいなもんだしさ、あたしも燃えるから」

「理解はしてるけど、その“うまいこと”の中身が知りたい。あと、どうして燃えるの?」

 全然納得いかない説明に詳しく問いただすがリンディは口づけした後に笑って行ってしまった…。皆から離れた意味ないじゃん。


 やがて新しい家が出来上がる。が、どう見てもちょっとした屋敷になっている。建物の周りには背の高い塀が囲み、庭が広くて池が静かに水を湛えていた。ソイルを見ると微笑んで頷いている。

 いや、俺はわかってないからね? 気を利かせすぎな気もするな、これは。

 それから新しい門をくぐり中庭を抜け、家というか屋敷に入る。皆それぞれ自室を確認しに広い廊下を歩きだした。

 なんとなく部屋は想像できるのでモーピアや妖精と一緒に庭でくつろいだ。精霊三人はフィアと一緒に回っている。

 ひょっとして、これはお手伝いさんを雇った方がいいのか?

「ナオヤ、どうですか?」

 ソイルがいつの間にか横に来ていた。

「ああ、ずいぶんと立派なんで驚いたよ。ちょっと張り切り過ぎなんじゃないか?」

「フフ。そうかもしれませんね」

 答えるソイルの手を取って、一緒に座る。

「ここまで大きいと掃除や庭の手入れも一仕事になりそうだなぁ…」

 二階建ての屋敷を仰ぎ見る。うーん、ガラスの窓がある。この世界でも領主の屋敷などにしかなかったような…。うん、見なかったことにしよう。

 ソイルはそんな俺の手を取ってニコリとした。

「それなら大丈夫ですよ。私達それぞれで精霊の手伝いを用意しましたので」

「は!?」

 驚いてソイルの目を見るがニコニコしている。

「もちろん人の姿をしてますから大丈夫ですよ」

「え? いや、ありがたいけど、そうじゃなくて…」

 手を握って言いかけるといつの間にか周りにメイドさんが並んでいた。数えると一二人いる。

「フフ、安心して。それぞれ代表として一名ずつにしました。決めるのは大変でした。精霊達は皆、お手伝いをしたがってましたから」

 ソイルがそう言うとメイドの一人が出てきて挨拶をしてきた。

「初めまして。“契約者”様のお手伝いができるなんて光栄です。私はこの者達をまとめる土の精霊、アビアです。御用の際はなんなりと……」

「よ、よろしくアビア。皆もよろしくね」

 挨拶をすると精霊のメイドたちは一礼を返した。各々の紹介は全員揃ってからにしてもらい、一度屋敷に戻ることににした。

 妖精の二人は新しい仲間に嬉しそうだ。って、ただでさえ、大所帯なのにまた増えた……。


 屋敷に入りソイルの案内で大広間に行くと、なぜか全員揃っている。俺達が来ると何か言いたそうな顔をしているがわかる。さらに後ろにいるメイド達を見てモルティットの眉が上がったのが見えた。

 マクレイが俺に気がつくと近づいてきて小声で聞いてきた。

「どうなってんだい? ナオ、詳しく話して」

「いや、手狭になったから家を大きくしようと精霊主に任せたらこうなった」

 小声で返すと、

「もう! そこでコソコソしない!」

 モルティットが声を上げる。あ、そうだよね。マクレイと目を合わせて皆の元へ行き事情を説明した。ついでにメイド達の紹介もして、それぞれの役割を決めた。ちなみに料理は無理そうだったのでしばらくはフィアやマクレイの元で修行することになった。


「ふぅ、落ちついたね。ますますデートが遠のいてく気がするなぁ」

 モルティットが大きいソファーに座っている俺に寄りかかってきた。

「そう? いつでもできるじゃん?」

「ナオはわかってないよ! 私といるときはいつも邪魔が入るじゃん!」

 憤慨しているモルティットに俺の隣で精霊のエキルを抱いたマクレイが苦笑している。

「フフ、モルティットは運が無いんだねぇ。ま、気にしないことだね」

「そんなこと言っても気になるよ。私は二人の時間が欲しいの!」

 俺越しに言い合いしないで欲しい。そこへナイールとユウナを連れてフィアが来た。

「ナオヤさン。ご飯にしまスか?」

「そういえばお腹ペコペコだよ。いつもありがとう、フィア」

 そう答えるとマクレイがエキルを俺に預けて立ち上がる。

「それじゃ、支度しようかね。あっと、メイドにも教えないとね。行こうかフィア」

「ハイ」

 二人は手をつないでメイドを二、三人引き連れて広間を出て行った。ナイールとユウナは俺が預かっている……。

 助けを求めモルティットを見るとあからさまに目を逸らして立ち上がる。

「そ、そういえば私も手伝おうかな? じゃあね!」

 ニッコリ手を振ってマクレイ達の後を追って逃げていった。何故だ…。エキル達は甘えているのかベタベタしてるし。

「ほら、エキルにナイール、ユウナもそろそろ独り立ちしないとね?」

「もう少し甘えたいのー」

 可愛い笑顔でエキルが答える。ナイールとユウナもコクコク頷く。ああ、もう!

「明日らからはちゃんとするんだよ? 後、屋敷のお手伝いとかもしないとね?」

「わかった! 頑張るー!」

 ナイールが握り拳を上げて応える。エキルは頬を膨らませて抗議しているし、ユウナは相変わらずベタベタしている。

 しかし、この三人の扱いには悩むな。かわいいからマスコット的な感じだけど。まあ、いいか……。


 それからカレラやリンディ、ソイル、ベネットと談笑してると料理ができたので食堂へ移動して楽しい夕食に舌鼓を打った。

 ドヤ顔で料理を並べるメイド達、上手くできたので満足なのかな?

 マクレイとフィアに様子を聞くと苦笑して返された。……大変だったみたいだ。

 片付けを手伝おうとするとメイド達に止められたのでお願いして任せた。

 暇なので腹ごなしに散歩がてら庭を調べているとロックと共にダイロンがやってきた。

「ナオヤ! 家を建て直すとは聞いてたが、俺の屋敷よりでかいとはどういうことだ!?」

「こんばんは、ダイロン! これには訳があって……」

 慌てて説明すると納得したのかわからないが渋い顔をしている。

「……なるほどな。ところで部屋は余ってるのか?」

「え!? ああ、余裕はあるよ。誰か泊めるの?」

 すると何を思いついたのかニヤッとしたダイロンが俺の両肩をつかんで厳つい顔を近づけてきた。

「よし! それじゃ、俺もここに住むわ。使用人も連れてくるからよろしくな。明日、荷物をもってくるから、部屋を開けとくように」

「は!?」

 唖然としていると、手を上げて

「最初からこうすればよかったよ。これなら安心だな! ワハハハ!」

 そう告げ去って行ってしまった。ロックを見ると肩をすくめられる。ってか、すっかり門番になってるな、ロックは。

 しばらく呆然としていたが、屋敷に戻ると皆を集めてダイロンの件を説明する。

「えー、お父さんが来るの? 嫌だなぁ」

 露骨に嫌な顔をしているベネットをほっておいて、メイド達と共に割り当てる部屋を綺麗にした。

 また人数が増えた。これからどうなるの?


 翌日、馬車に荷物を満載したダイロン達が来ると、全員総出で引っ越しを手伝う。ベネットは嫌々だったけど。

 ダイロンの部屋は執務室と寝室の二部屋として、使用人達にも部屋を割り当てて荷物をそれぞれ好みの位置へ机などを配置していった。力仕事なのにメイド達は楽々こなしていてビックリした。精霊ってそんなに力があるのかな?

 元の屋敷に置いてある荷物も含め、一日かかって移動を終える。この家より小さいとはいえ、さすがダイロンの屋敷の荷物は多かった……あー疲れた。

「正直、俺の屋敷より良い所だな。ここなら問題無いだろう。ワハハ」

 腰に手を当てて部屋を眺めたダイロンが笑っている。横に控えている使用人もほっとしているのか嬉しそうだ。いいのか?

「お父さん、私の邪魔をしないでね」

 ジト目でベネットが訴えている。

「ワハハ。好きにすればいいさ! ここは皆の“家”だな! ハハハハ…」

「ありがとう!」

 親子が抱き合っている。まったく感動できない。俺達の家なのに……。マクレイ達に目を向けると苦笑いで見ていた。

 それから居間にロックも含めた全員が集合し、この屋敷の使用について話し合い決めた。精霊の子供達と妖精達は既に寝ている。

 屋敷の一室をダイロンの客間として使用し、メイド達にも理解してもらう。元からいたダイロンの使用人は主人の補佐を行い、家事全般はメイドが担当する事になった。メイド達からは不満は漏れずニコニコと了承していた。……いいのか?

 俺も家族も異議はなかったので、細かく決めた後はそのまま雑談になり、夜も更けてきたので就寝するために別れた。


「はぁー、なんか疲れた……」

「フフ。まあ、こんな事になるなんて思わなかったけどね」

 ベッドでマクレイと横になっている。話し合いの中でどうも俺があちこちへフラフラ、夜な夜な訪れているのが問題になり、順番に奥さんの部屋で過ごす事が本人の反対にもかかわらず決定してしまったためだ。

 それぞれの部屋で二日過ごすことになり、最初はマクレイになったようだ。ちなみに次はモルティット。

 よく考えると俺の部屋が無いことに気がついたが、たぶん家族は知ってて決めていた感じがする。ま、いいか。

「だけど、やっと落ち着いた感じがするねぇ。毎日が楽しいよ」

 俺の頭をくしゃくしゃしてマクレイが微笑む。

「そう? マクレイが幸せなら俺は何でもいいけどね」

 身体を抱きしめると耳元で囁いてくる。

「あたしはナオといれれば幸せだよ。フフ」

 唇を重ね瞼を閉じると、そのまま記憶が遠くなっていった……。



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