15話 領地を貰ったので、こうした。
後日。
王様に呼び出された。
「ようこそ、婿殿。招集への早期参加、感謝する。」
「いえいえ、仕える主であり、妻の父上でもある王の招集に、急ぎ参るのは当然の事でしょう。」
「そうか。……まあ、こんなお堅い喋りはここまでにして、今日喚んだのは、タツヤの領地と家名を決める為だ。」
「領地と家名ですか?」
「おう。領地はここから程近い、草原を開拓してもらう。勿論軍資金として一千万エンを出す。」
「そんなに重要な土地なんですか?」
日本円換算で六千万円も出す位だ。
何か訳が有るのだろう。
「ああ。タツヤに任せるのは、帝国に近接する草原だ。ダンジョンが近くに在る事で冒険者が集まっている場所だが、帝国との戦争になった時真っ先に争いの場になる為に今まで、開拓してくれる貴族が居なくてなぁ。」
「成る程、そこで僕に白羽の矢が立った訳ですね。」
「ああ。厄介事を押し付けてすまないが、成功時には伯爵位を与えよう。」
「了解しました。」
「家名の方は自分で幾つか案を考えて来てくれ。」
「では、エニアグラムでお願いします。」
「了解した。これより貴殿はタツヤ=エニアグラムとなり、貴殿の家族等もエニアグラムの家名を持つ事を許す。」
─エニアグラムの家名を授かりました。─
ルシフェルが実体化し、現世に降臨したからか、ナビの声がルシフェルの声ではなく、推しキャラの一人ガブリエルの声だった。
「では、その土地の視察に近々参ろうと思います。」
「頼んだ。これが軍資金の一千万エンだ。」
無限収納庫に回収してっと。
「では、失礼しました。」
さて、風属性魔法で視察しますか。
◆◇◆
おおっ!だだっ広いな。
目の前に広がるのはひたすらに、緑緑緑。
勿論、草原だから草だ。
視界には境界線ともなる背二門。
その反対側には、塔型のダンジョンとそれの近くに寄り添う様に佇む村が一つ。
取り敢えず、ダンジョンから門までが千メートル以内になるように外壁を作りますか。
先ず、外壁作製用の石を大量購入。
─購入額が一定量を超えた為、食材購入が進化します。食材購入の進化に対し、固有スキル『傲慢無敵』と称号『最強の天使を超えし只人』の介入を確認。食材購入が進化し、万物購入となりました。─
傲慢無敵、最強の天使を超えし只人、万物購入を鑑定。
◆傲慢無敵◆ 固有スキル 大罪系スキル
全ての法則を任意で無視叉は一時的に書き換えられる。
叉、進化を所有者の望む様に実行する。
◆最強の天使を超えし只人◆ 称号
所有スキル、入手スキルのレベルを最大まで引き上げる。
◆万物購入◆ 固有スキル
所有者が一度でも居た世界の有りとあらゆる物を購入できる。
叉、食材購入の時百エンで1ポイントだったのが、十エンで1ポイントに変わる。
チートかよ!
まあ、諦めた。
オレが強過ぎのニューゲームだって事は、もう十二分に理解した。
取り敢えず、万物購入で不壊金属を購入する。
石百キログラムに対し、アダマンタイト一キログラムの割合で錬成する。
名付けて強化石材。
これを半径十キロメートル程の大きさで、街壁を作る。
背二門からは二キロメートル、ダンジョン付近村からは一キロメートル離れた距離の街が出来た。
ついでに、王都までとダンジョンまでの道を土属性魔法で作る。
幅は大体十メートル。門も大体この大きさにしてある。
さて、街の中心に西洋風の城を作る。
強化石材と魔銀を混ぜた、特殊石材と不械金属筋の城を作る。
外装には煉瓦や金、銀等をふんだんに使用する。
また内装は武器庫や防具庫、貯蔵庫を庭に作る。
どれにも無機物に時間経過停止の魔法が掛かる様になっている。
後は騎士団の鍛練所と詰所を作る。
詰所には冷暖房を完備している。
少しの魔力で十分な効果を発揮してくれる。
因みに、これらの施設を含めた領主館は土属性魔法を使い、上げられた地盤の上に建てられている。
因みに迎賓館は領主館内には無い。
一応、法律としても迎賓館は領主館外に建設せよ。と有るので、問題無いだ。
さて、我が家へと帰ろうか。
因みに温泉旅館はグレードアップさせた物をもうこちらに作っているし、酒蔵は移動させてあるし、畑も同様だ。
まあ、帰ります。