14話 はあ。疲れたよ、パト◯ッシュ。
「タツヤ、この女の人誰?」
「旦那様、この女性は何なのでしょうか?」
「ん? 妻だよ?」
「「妻だよ?じゃ、ありません!」」
「おっ、おう。」
「むぅ。」
「旦那様、私達と言う者が居りながら、他の女にも手を出すなんて……流石です、旦那様!甲斐性が違いますね!」
……えっ?
「ですが、報告くらい有っても良いと思います!スサノオが急に知らされたら、後ろから刺されるかもしれませんよ?あの娘ヤンデレ拗らせてますし。」
確かにスサノオはそんな設定だった気がする。
「ルシフェルから伝えれるのか?」
「出来ますが、召喚して自分で伝えられた方が宜しいかと。」
「了解。じゃあ、明日やるよ。」
「では、夜ご飯をお作り致しますので、リビングでお待ちください。」
◆◇◆
くっ、キツい。
まさか、二人ともあれだけの量を作るとは思わなかった。
唯一良かったことは、とても美味しかった所だ。
取り敢えず、もう眠ろう。
◆◇◆
あれ?何か柔らかい感触が……
「んっ!」
女の声?いや、そんな訳無いだろ?オレは昨日一人で寝たし……
じゃあ、誰だ?
「おい、ルシフェル。何をしている?」
「朝の旦那様を頂こうかと思いまして……テヘッ!」
「テヘッ!じゃないだろ。本当に止めろ。心臓に悪い。」
「あはは、じゃあ朝ごはんの用意をしてきますね。」
はあ、精神的に疲れるよ。
まあ、楽しいから良いけどさぁ。
昨日言った通り、召喚魔法と交換しようか。
◆召喚魔法◆
所有者によって召喚に必要な物が変わる。
通常召喚 百ポイント
推しキャラ指定召喚 十万ポイント
十万か。かなり、ギリギリだけど無理では無いな。
「指定召喚 スサノオ」
蒼く発行した八芒星の魔法陣が現れる。
大量の光と共に大気中の魔素が集約される。
それらが人の形を取り、やがて光が収まる。
現れたのは、美女だった。
艶やかな翡翠色の髪。妖しげな紫色の瞳。陶器の様に真っ白な肌。足はスラッと細く長く、腕も同様に美しい。
それはまるで、一つの芸術。完成された究極の美。
キャラクター名『破壊神 スサノオ』
オレの推しキャラ達の一人だ。
「久し振りだね、スサノオ。元気にしてたかい?」
「はい!はいっ!お久し振りです、主!」
彼女はイベントクエストのボスとして現れたキャラで、討伐に三十以上も死に戻りプレイをしたのは記憶に新しい。
そんな彼女のレアりティーは当然ながら最大の星七。
主に大剣主体の先頭スタイルで、防御力も高いので騎士としては最上級に位置する。
「所で主。」
「何?」
「主から知らない女の香りがするのですが、どうしてでしょうか?」
うわ、怖ぇ。
レイプ目っつうの?目が死んでるよ。死んでるよ、この娘!
「新しい妻だよ。」
「私を差し置いてですか?」
「いや、あの時は嫁は一人しか選べなかったからさ。でも、今は違う。お前もちゃんと愛してるよ。」
「あ、主ぃ。」
抱き寄せながら、耳元で愛を囁く。
いやぁー!これ完全に黒歴史確定じゃん!