衝撃的な出会い メース視点
わたしはメース、25歳。
母と一緒に託児所で働いているわ。
わたしは他の人とはほんの少し違う趣味嗜好を持っているの。でも、誰もわたしの趣味嗜好を理解してくれない。昔、母に話したら自重するように言われたわ。
そんなわたしだけど託児所で働くことには不満はなかったの。むしろ好きだった。欲求を満たしてくれたから。
だけど、あの日エマちゃんが託児所に来なくなってからわたしの心は満たされなくなった。まるでぽっかり穴が開いたみたいに。
……ああ、エマちゃん
もう一度見たい。見るだけでいい。それだけでもあの子はきっとわたしが望むことをしてくれるから。
あの子に初めて会ったのは託児所だった。あの瞬間は今でも鮮明に思い出すことが出来る。それ程衝撃的な出会いだったのだもの。
美しく輝く白金髪に、引き込まれるような深い青の瞳、透明感のある白い肌。
ひときわ目立つ、整った容姿の子どものエマちゃん……。
エマちゃんは託児所の子供部屋にいる間、他の子たちとお話をしたり、自分より小さい子の相手をしてあげたりしていたみたいだった。ほんとに、気遣いのできる優しい子だったわ。
わたしとはあまり会話してくれなかったけど、そのギャップがまた良かったの。
わたしには昔からかわいい子どもに冷たく接されたいという願望があった。だけど、今までどの子もそうしてはくれなかったから、その願望が叶うことはないと思っていた。そんな願いを叶えてくれたのがエマちゃんだった。それまでは子ども達に囲まれて過ごすだけでも幸せだったけど今は違うわ。冷たくされる快感を知ってしまったんだもの。
もし、エマちゃん以外の子が冷たく接してくれたとしてもわたしの心は満たされないと思う。そして、あの子が成長して大人になっても大丈夫。だって、あの子は大人も子どもも超越した存在だと思うもの。
……はぁ、エマちゃん。もう一度……。
メース視点で初SSを書きました。すごく短いです。