出会い⑤
「ふんふんふ~ん♪」
「……珍しいね、リンダが鼻歌を歌うなんて。良いことでもあった?」
「うん!あの後良いことがあって♪」
リンダは自分に酔っていた。それもそのはず、好きな人とレストランで一緒に食事して色んな事を話し、メアドも交換したのだ。恋する乙女にとってこれほど嬉しいことは無いだろう。
「何があったの?」
「う~んとね。…あ、ちょっと待って」
「何?」
「ドアとか開いてないよね?」
リンダはそそくさと動き、ドアや窓を確認しては開いてるとこを閉めた。リンダがこういう行動をする時はルームメイトであり親友であるアキに話す事があるか相談する時だ。リンダは全部の窓やドアをチェックするとアキの隣に座って話し始めた。
「それで?何があったの?」
「うん♪あのね?携帯を拾った時計のとこに行って携帯の持ち主を待ってたんだよ。そしたらね、不良に絡まれちゃって」
「えぇっ!?大丈夫なの?」
「うん。そしたらね、偶然携帯の持ち主が来て助けてくれたの!助けに来てくれたりしないかな~?って思ったら本当に来たんだよ?すごくない!?」
「へ~、そんな偶然もあるんだね。良かったじゃん。それで?」
「そしたらあっという間に不良達を倒したんだよ!殴りかかってきたのは二人だけど…」
「なんで殴りかかってきたの?」
「そいつ馬鹿でね。その持ち主を倒したら私と遊べると思ってぶちのめそうとしたみたい。もう一人はその馬鹿がやられたから仕返しに殴りかかってきたけどこっちも簡単に終わっちゃった」
「本当にとんだ馬鹿だね。まさに大馬鹿。ところで持ち主の名前は分かるの?」
「あ、うん。滝川 薫って言ってた。私は薫って呼んでるけど」
「へ~滝川君ね。あ、続きをどうぞ」
「うん!それでね、お礼にねレストランに誘ったんだよ。そこで食事しながら色んな事を話したの」
「今日のスペシャルパフェ食べたよね?よく食べれたね…。」
「少ししか食べてないから大丈夫だよ!」
「お肉つかないと良いね。それで?その後の展開は?」
「メアド交換してさよならして現在に至ります。すっごく楽しかった!好きな人とお話ししたり一緒に食事したりするのってすごく楽しくて幸せだった……。…一緒に居るだけでドキドキするものなんだね…。でもお別れしたら少し寂しくて…切なかった。でも思い出すとまた幸せな気分になれて…♪ポワワ~ン」
「あはは…。まだ恋したこと無いから良く分からないけど良かったね。幸せになれて。私たちの目標に近づいてるじゃん。」
「うん。そうなるけどちょっと違う気がするな…」
「何で?」
「だって「みんなが幸せになる」が目標でしょ?私だけが近づいてもちょっと違う気がするな。」
「一理あるけど、結局は個人個人が幸せにならなきゃいけないんだしさ。それにみんな同時に幸せになるなんて難しいでしょ?だから一応目標には近づいたよ」
「うん、そうだね…。」
「がんばってねリンダ。応援してるよ。リンダの恋」
「…うん。ありがとう…。」
「それに」
「それに?」
「リンダとかと話してるだけでも幸せだよ、私は。だからみんなも少しは幸せのはずだよ。「あの頃」よりは…ね」
「……うん!」
「わっ。抱きつくな!」
「だって嬉しいんだも~ん♪」
今思えば少しは人並みの幸せは掴んでるよね、私たち。「あの頃」よりは…きっと…。
お読みになってくださってありがとうございます。
変なとこやおかしいとこがあったら指摘してくださるとありがたいです。感想や質問をどんどん書いてくださって構いません。修正を入れる可能性あるのでご了承ください。それでは次回をお楽しみください
恋愛感情のとこは自分の体験談をもとにしています。きっとみんな同じ気持ちだよね、恋してるなら。