出会い①
ジリリリリ!ジリリリリ!
うるさい時計のアラームをまた叩いて止める、何回止めただろう?
…………
!
「あーーーーーーーーー!!今日入学式じゃん!!」
少年はそう叫びながら布団から飛び起きた。少年は急いで制服に着替え、朝食も取らずに家を出た。
今日は少年、滝川 薫が入学した高校の入学式なのだ。
今日から合格した朝日高校の一年生。と言っても普通の高校だ。唯一取り柄なのは朝日がよく見える位だ。だから朝日高校なのだろう。
街の人混みを駆けているとニュースが聞こえてきた。良く聞くニュースだ。
『昨夜未明、麻薬を取り扱っていたと思われる2名が何者かに襲われた模様です。』
昨日やったことが早速ニュースになってた。そう、昨日の夜いつも通りに「黒き暗殺者」(勝手に付けられた名前だけど)として夜を徘徊していたらたまたま麻薬の売買を見つけたのでとっちめてやったのだ。本来なら悪さをしてる不良やヤクザをぶちのめすために活動してるのに麻薬の売買者をとっちめることになるとは…。ま、麻薬の売買なんてやってたんだ、悪さをしてることには変わりない。罪悪感なんて無い。気絶させて縛っただけだし。…間違ってないよな…俺。そんな事を考えながら走っていると誰かとぶつかってしまった。
「いって!」
「キャッ!」
「いてて、あ、ごめん!大丈夫!?」
急いで起き上がって衝突した人に手を差し伸べる。
「すみません、考え事してたもんで…」
「いえ、こちらこそすみません」
そこで初めて目が合った。金髪の可愛い女の子だった。
可愛い子だなぁ…。ってそんなこと考えてる場合か!
「あの、大丈夫ですか?」
少しぎこちなく聞いてみる。
「はい、なんともないです…」
女の子も何故かぎこちなかった。何故だろう?ふと街の時計を見ると30分前だった。頭を切り換えて落ちた荷物を慌てて拾った。
「すみません!時間が無いんで俺はこれで!」
女の子がなんか言っていた気がするが適当に頷いてその場を去った。学校に着くまでずっとぶつかった女の子のことを考えていた…。
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