友として?黒き暗殺者として?②
「さて、どうやって闘うか…」
薫はそんなことを考えながら夜道を走っていた。
俺の能力「身体強化」は運動能力を100%引き出す能力。成人男性が相手でも充分勝てる。相手が凶器を持っていなかったらな。相手はテロリスト、銃器を持ってる可能性が大だ。いくら「身体強化」でも避けきれる自信は無い。
それに刃物の可能性も無くは無い。刃物なら勝機はあるけど、1回でも刺されたらアウトだ。相手は戦闘のプロかも知れないし。……やっぱり、黒き暗殺者として闘うしか無いか。
薫の服装は黒き暗殺者の服装だ。そして薫は、友達として篠本を助けに行き、黒き暗殺者として闘うことにしたのだ。
家を出て約30分後に薫は港に着いた。薫は直ぐに近くのコンテナに隠れて様子を見た。
テロリストの数は、1人、2人、3人。武器は……スタンロッドか?銃器じゃなくて良かったけど、刃物より最悪じゃ無いか、くそっ!
所で篠本はどこだ…?……あの貨物船のどれかか?
沖には貨物船が四つ並んでいる。一つ一つ調べている暇は無い。様子を覗って密入国に使った貨物船を見つけるしか無い。
……数分経つと、男が数人港に荷物を運んできた。
なんだあれ、妙に分厚いな……。……まさか銃器か?何か話してるな。近くに影は……あった。
積み重なるコンテナ達の間に影があった。薫は影の中に入り、話を盗み聞きした。
「ぶ…はど……ら………あ…ま…た」
「……」
「これ………あ……れ…じゅう……」
遠くて良くは聞こえないが何かを集めたらしい。何かと闘うつもりか?反SEED派のテロリストだからこの街の能力者達か?でも反SEED派のテロリストは非能力者は殺さないはず…。どうやって殺す気だ?それとも能力者の集団でも居るのか……?
「あし…の………決行……」
決行だけは聞き取れたぞ。かすかに聞こえたのを合わせると……、明日決行、か?何時かは聞き取れなかったが、厄介なことに首を突っ込んじまったな。
正直こいつらの計画を止めたい。でも俺一人の力では無理だ。テロリストの集団相手に一能力者が勝てる確率は低い。今回は篠本の救出だけを考えるんだ。
さらに様子を覗うと男達はさっきの荷物を貨物船に積み込み、中に入っていった。今がチャンスだな……
薫は静かな脚通りで貨物船の中に潜入した。
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