学力調査テスト!⑤ Re
大幅に書き足したので出し直しました
学力調査テスト当日
「よっ、薫おはよ~」
「お~原井。おはよ~」
「今日は早いな」
「まぁね、なんか早く起きちゃってさ」
そう。昨日は結構夜遅くまで勉強してたから寝坊するかと思ったけど何故か早起きできた。早起きして登校すると清々しいよね。
「にしてもお前いつもこの時間帯に来てんの?」
「あぁそうだよ。バス通学なんで」
「あ~そう言えばそうだっけ」
そりゃバス通学ならいつも早いわけだ納得。
「あ、そうだ」
「何だ?」
「早速携帯見せろ」
「いきなりだなおい」
「だって昨日約束したじゃん」
「確かにそうだけど…、勉強は良いの?」
「昨日一緒にやったじゃん」
「メールだけどな」
俺はズボンのポッケから携帯を取り出すと原井に渡した。
「ほい」
「どれどれ」
見ても何も無いけどな。
「あ、本当に無い」
「言ったろ?違うって」
「消してないよな?」
「消してないわ。ところでみんなって俺らの仲の奴らだよな?」
「あぁ勿論だよ。流石に入学して間もないのにクラス全員に広めるわけ無いじゃん。まず興味ないだろうし」
「だよな。そう言えば今日のテストは数学と英語だよな」
「そうだよ。昨日のテスト順は酷いと思います」
「あ~、だよな~」
昨日の内容は一時間目国語、二時間目理科、三時間目が社会なのだ。先生まじ鬼畜。
「てかさ、英語勉強した?」
「一応した」
「薫って英語出来る方?」
「出来ない方」
「基本何点ぐらい?」
「40点から50点」
「同じ位か」
「あぁ」
「英語とかマジ無理」
「だよね~」
原井と話していると不意に教室のドアが開いた。入ってきた人物はそのまま俺の所に来て…
「リア充爆発しろ!!」
と同時に全力の回し蹴りを繰り出してきた。
「当たるかぁぁぁぁ!!」
頭を屈ませて避けた。ちょっとだけ髪の毛にかすったが問題ない。
「能力使って避けんな!!」
「能力使わないと普通に喰らいますからね!?俺のSEEDが「身体強化」じゃないと当たるからね!?」
「うっせ!!当たって死ね!!」
「お前空手部だろうが!!冗談になんねぇよ!!」
「良いから見せろ!!」
「自分勝手だなおい!!」
「あははは!!」
さっきから俺たちの攻防を見てた原井が笑い始めた。まぁ笑うよね、俺は必死だけど!!
「はいはいほらよ」
「どれどれ。げっ、ねぇ。まじでねぇ」
「言ったろうが。てかお前あの後勉強は?」
「え?何それ美味しいの?」
やはりやってないかこのスポーツ馬鹿。
「今スポーツ馬鹿って思ったろ」
「何故分かったし」
「顔が語っている!」
「しまった!」
「取り敢えず教えて!」
「何でだよ!?」
結局、スポーツ馬鹿こと篠本に数学を教えた。公式だけだけどな。
そして一時間目の数学のテストが終わった。一応心配して篠本のとこに行った。
「結構できた!」
「出来なきゃおかしいだろお前…」
今回の数学のテストは中学の基本問題しか無かった。学力調査テストだからか、基本的な物しか出なくて簡単だった。
「原井達は?」
近くに来ていた原井達に聞いてみた。因みに他の二人は遅刻寸前で来た。
「出来た」
「同じく」
「オワタ」
一人できなかったらしい。まぁこいつは昔から数学とか出来なかったしな。
「まじ数学とか無理」
「でもお前他は出来るよな」
「ドヤッ?」
「さぁ英語勉強しようぜ」
「スルー!?」
そして英語のテストが終わった。
さて篠本は…あ、机に突っ伏しながら頭から煙り出してる。そこまで頭使ったのか。原井はっと、もう帰る準備してる。取り敢えず篠本起こして帰るか。
「おい篠本起きろ」
「へへっ、もう終わりだ…赤点確定だ…」
「明日挽回しような。取り敢えず帰ろうぜ」
「おう」
直ぐに篠本は起きて支度を始めた。
「帰ろうぜ~」
原井は準備が終わってこっちに来てた。
「お~もうちょっと待っててくれ」
「今日もファミレスで勉強すんの?」
「今日は良いだろ。明日は保健と家庭科なんだから」
「それもそうだな」
「…、よし。帰るか」
「お~」
翌日のテスト明け
「じゃあ俺達部活あるから行くわ」
「あぁ、じゃあな」
テストが終わって部活に入ってない俺以外の四人は部活に向かった。俺は今日どうするかな?
校門を出て少し歩いてたらふと思い出した。以前にリンダが何でも屋で働いていると言っていたことを思いだしたのだ。予定もないし気になったから薫は何でも屋「ドリーム」がある中央街に向かった。
「確かここから少し先だったな…」
街の地図を見ながら何でも屋「ドリーム」を探していた。良く行くファミレスの先を1㎞位歩いた先に小さい店があった。…何でも屋「ドリーム」。どうやらここのようだ。2階建てではあるが確かに小さい店だ。
店を見ていると玄関らしきところから少年が一人出て来た。ひじょうに目立つ格好だった。いや、この季節には場違いな服装をしていた。
春の真っ最中だというのに長いマフラーで顔半分を埋めており、膝まである白い防寒コートを着込み、腰の部分までコートのボタンを閉め、コートのポケットに手を突っ込んでいた。その少年は薫の隣を通ってきた。そこで初めて薫は彼の顔を見た。
髪は銀髪で、ライオンのような鬣に似た髪型をしており、クールそうな顔つきをしていた。少年が通り過ぎると少し寒い風が取り抜けた。そこで薫は気付いた。自分と同じ能力者であると。能力者はSEEDが強力過ぎると影響が出ることを思い出したのだ。
例えば炎のSEEDが強力だと常人より常温が高いなど。彼の場合は氷のSEEDが強力過ぎるから身体が冷気を出しているのだろう。薫は納得し、店の方に向かっていった。
特に特徴は無さそうだった。どうやら一階部分は家になっているようだ。外に二階に行く階段が取り付けられていて階段の隣に「←事務所はこちら」と看板が取り付けられていた。さっき見えた何でも屋ドリームは二階の窓に書かれている物だった。薫はある程度観察して帰ることにした。