試験
超重量の剣。それをいともたやすく扱う少女は、それによってこの地面に足をつけていられる。
神との契約によって彼女の体から重力が奪われ、その代わりに与えられたそれを軽快に振りさばいて、敵を圧倒的な力で吹き飛ばす。その刃にかかるものは肉を割かれるのはもちろん、骨を砕かれるか、それとも彼らの相棒ともいえる剣を粉々に砕かれるかのどちらかである。
その剣はとても特殊だった。なにせ造り手の分からぬ代物であり、長い間神殿の中に収められていたのだから。その上剣身には神聖文字が刻まれており、それを解読できるものはこの世にもういないだろう。神代の文字を刻むその剣のそもそもの役目は分からない。そして、なぜ彼女がそれを持っているのかも分からない。