そして人はいなくなっちゃいました「その13」
1話目:聖魔光闇さま http://ncode.syosetu.com/n3089r/
2話目:真野優さま http://ncode.syosetu.com/n3101r/
3話目:日下部良介さま http://ncode.syosetu.com/n3133r/
4話目:大塚紗也さま http://ncode.syosetu.com/n3372r/
5話目:ふぇにもーるさま http://ncode.syosetu.com/n3460r/
6話目:円藤さま http://ncode.syosetu.com/n3494r/
7話目:Miyukiさま http://ncode.syosetu.com/n3718r/
8話目:MOWさま http://ncode.syosetu.com/n4404r/
9話目:ゆららさま http://ncode.syosetu.com/n4553r/
10話目:雪人さま http://ncode.syosetu.com/n4736r/
11話目:ゆららさま http://ncode.syosetu.com/n0506s/
12話目:日下部良介さま http://ncode.syosetu.com/n0789s/
桂木琉球という俺自身の証明をしかしながら俺はすることが出来ない。
それは自分が脆いからとか自分が儚いとかそういったのではない。自分自身に虚無感と言ったものを覚えているからだ。
凄い才能があるわけでもなかったらとりわけ落ちこぼれという訳でもない。普通に普通。異常でもなければ最低でもない。
会社員。
男性。
既婚者。
三十路。
どこにでもいそうな人間の特徴を並べたのが俺だ。
そう言ってしまえば証明はできるのだがしかしそれは証明したことにはならない。
俺自身が何者なのかを証明することはできない。
『ヒトノ』『タメダケニ』『ツクラレタ』『ニセ』
俺がごく世間一般で言われる至極標準的な性格だというのなら、他の『偽』たちは俺の性格を元にしてつくられた性格なのか?――何で俺は今こんなことを考えているんだろう。本当に自分がわからなくなる――。
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誰かが何かを話しているのはわかる。
しかし何故かその言葉を理解することが出来ない。
まるで聞くのを拒んでいるかのような――
「ねえパパ」
「……」
「パパ!」
「……ああ。なんだ」
軽く気を失っていた俺の気をとりもどすように目元に涙を浮かべながら娘が話しかける。
娘が?おかしい、確か砂漠でいなくなったんじゃ……
「ねえパパ」
次の瞬間、俺に言葉を話すことは禁じられた。
娘がそういうと同時に――俺自身にナイフを刺してきたからだ。
「ごめんね、パパ――。さ よ う な ら」
聖魔光闇様のリレー小説13話です。
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