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不運死する幼馴染を救ったら懐かれた  作者: ChaCha


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ふたりの合格通知

掲示板の前は、人で溢れていた。

紙が何枚も張り出され、名前がぎっしりと並んでいる。

合格者一覧。

それぞれの進路の、始まり。


私は背伸びをして、視線を走らせた。


……あった。


セナ・リーヴェル

配属:変成科


ほっと息を吐く。

一瞬、肩の力が抜けた。


ちゃんと、ここにある。

私の名前と、私の居場所。


「……あ」


そのすぐ下、少し離れた位置に――


ラウル・アインハルト

配属:魔術科(戦闘特化)

実地討伐班候補


名前を見つけた瞬間、

胸の奥が、きゅっと鳴った。


「……離れちゃった」


思わず零れた言葉は、

自分でも驚くほど素直だった。


同じ学園。

同じ敷地。


でも、科は別。

役割も、動く場所も、違う。


横に立つラウルが、少しだけ視線を落とす。


「同じ学園だ」


低く、落ち着いた声。

揺れない言い方。


「距離があるとは言わない」


そう言って、

そっと、私の手を握ってきた。


指先が触れて、

確かめるみたいに力が伝わる。


私は、ぎゅっと握り返した。


「……ラウルは、戦闘寄りだね」


「ああ」


一切、誤魔化さない。


「前に出る。

必ず――セナのそばに戻る」


その言葉は、

約束というより、前提みたいだった。


そこへ、教師の声が響く。


「合格された方は、

 本日中に入学手続きを済ませてください」


人の流れが、一斉に動き出す。


繋いだ手の指先が、自然に絡む。

力は強くない。

でも、離す気もない。


「行こう」


短い言葉。

命令じゃない。

確認でもない。


“一緒に行く”という、

当たり前の選択。


「うん」


返事をして、歩き出す。


手を繋いだまま、

人混みの中を進む。


離れた進路。

違う役割。


それでも今は――

この手が、まだここにある。

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