不運死する幼馴染を救ったら懐かれた。
世界の外側。
まぶしい。
とにかく、まぶしい。
光が、光を殴っている。
神々しいとか、荘厳とか、そういうのを通り越して、うるさい。
その中心で。
二柱が、跳ねていた。
『キターーーー!!!!!』
『まさに救済!!!!!』
『いやほんと途中でさぁ、胃にきたよねー』
『分かる分かる! ずっとそばに居て大切にしてたのにさぁ!』
『後からきた奴に、かすめ取られそうになるやつ!!』
『理不尽!!』
『でも回避!!』
『回避した!!』
『報われたーーーー!!』
『幼馴染の恋!!!』
『これはさぁ!!!』
『叶ったよね!?』
『叶ったって言っていいよね!?』
『ね!?』
『ね!?!?』
視線の先。
世界の内側。
セナ。
レック。
ラウル。
リーネ。
関係が絡まり、
歪み、
壊れかけて、
それでも――
『ギリギリだったねぇ』
『ほんと、かすめ取られる一歩手前』
『でもさ』
『“奪われた痛み”を通ったからこそ、気付いたんだよ』
『無自覚、卒業!!』
『強制自覚イベント!!』
『鈍器!!!』
『情緒を殴るタイプのやつ!!!』
二柱は、手を叩いて笑う。
『見て見て!!』
『ラウルの懐き具合!!!』
『振り切ってる!!!』
『振り切りすぎて狂気いってたのに!!!』
『今はどう!?』
『落ち着いた?』
『……いや、別方向に重い!!!』
『でもそれがいい!!!』
『正解ルート!!』
『完全ハッピーエンド!!!』
世界の内側では、
彼は、彼女の隣にいる。
当たり前みたいに。
必死だったことを隠さずに。
二柱が、声を揃える。
『不運死する幼馴染を救ったらー』
『懐かれた』
『タイトル回収!!!!』
光が、さらに強くなる。
『それにしてもさぁ』
『よく不運死、回避できたよね』
『ほんと』
『セナじゃなかったら終わってた』
『何回死線くぐったと思ってんの』
『回避回数、異常』
『もはや職人芸』
『でもさ』
『だからこそ』
『あの執着も』
『あの溺れ具合も』
『全部、意味があったってことでしょ?』
二柱は、満足そうに頷いた。
『物語、完走!』
『お疲れさまでした!』
『いやー、良い幼馴染だったわ』
『良い嫁だったわ』
『良い夫だったわ』
『末永くやってけ!!!』
最後に、ひときわ明るい声が重なる。
『じゃあ次は――』
光が、ふっと遠ざかる。
世界は、再び内側へ。
――物語は、
ちゃんと、幸せな場所に着地していた。
(完)




