No.15 「呪詛」
祖父から聞いた話なんだけど
この世には「ワラベサマ」という呪いの言葉があるらしい
なんでも、この言葉は
見た、聞いただけで効果があるらしく
これを聞いた者は血反吐を吐いて
ぶっ倒れるんだとか
女にしか効果がないらしく
逆に男が聞くと幸福になれるんだとか
だから
女には絶対に使っちゃいけない言葉で
元々は男を呪い殺す言葉だったらしく
ある集落で強姦された女たちが復讐のために作った言葉だったらしいんだが
儀式が罰当たりだったぽくて
それが原因で呪いが跳ね返ったのではないかとか
オヤジたちの間では密かに囁かれていたらしい
なんでも
死産した子供たちの腹を掻っ捌いて
臓器の一部を布などにくるんで
「ワラベサマ」という男避けのお守りとして
女たちだけで共有してたらしい
子が母を守ってくれるという意味が込められてるとか…
今では自殺用の言葉として
一部の女たちの間では密かに伝わってるっぽい。
男が幸福になる理由については
「産んでくれてありがとうという
父親たちへの感謝の印なのかもしれない」
と祖父は言っていたが
俺はその話を聞いて、都合よく解釈しすぎじゃね?って思ったな
そうまでしないと女とやれない
男に対する最大限の慈悲として
幸福を与えたんじゃねぇかと俺は思う
こいつは非モテに対する挑戦だ
俺はこの話を聞いて心底不快感に包まれたぜ…
と、Aは俺に話してくれたが
俺はこの話を聞いて、どちらの解釈も違うんじゃね?って思った
子供というのは純粋だから
単に死んでいった恨みより悲しみが勝り
「2度とこんなことしないでね」
という気持ちを込めて
男に幸福を与えたんじゃないかって
俺はそう解釈したんだ。




