一人を選ぶ
『一人を選ぶ』
私は17才で学校をさぼるようになった。7月31日から学校に行かない。両親はいない。彼氏は一緒に住んでいる。22才の彼氏だ。
心が病んでいく。きっと誰のせいでもないんだね、彼氏は別にいてもいなくてもいい。ただ温く、時折想う。
私はこの彼氏はいなくなったとしても、黒髪に染めてロリ系の服装をして、次のナンパされるのを待っている。
「結婚しようか」
彼氏のいつもの言葉だ。
「嫌だ。一人でも働ける場所知っているし。まあ、そのうち生活保護で、アパート暮らしをするから。国なんて借金だから。一応生活保護になってもいいんじゃない。消費税払っているし。小さい頃はコンビニに通い詰めだったからね。一人で生きていける。もう来ないでいいから」
14才の時から一緒に暮らしている。それからずっと二人暮らしになった。別にこの彼氏でもなくてもいいんだけど。
就職は中々決まらないらしい。私はただ睡眠薬を飲んで寝ている。それで、就職先が遠いので、同棲は解除された。
何もする気がしない。長い付き合いだったのにな。
「結婚すれば幸せになれると思う?」
「私は一人がいい」
「結婚する気があるなら、結婚したかった」
「しょうがないね。私はここを離れる事は出来ない」
強がりだと思う。これが最良の道だと思った。二人で不幸を共有する訳ではなかった。
「さようなら」
本当のお別れをした。何故結婚を断ったのかは、一人の方が辛いから。幸せになって欲しかった。もっと、私が不幸になるまで。