第6話
クソッ! 家にもイジメっ子がいる気分だよ!
学校に着くと、またヤツらがやって来る。
「オラッ! ジュースっ! 走れよッ! バカ!」
チクショウ!
「遅っせえなッ!!」
…そして、腹を殴られる。
チクショウ!
体育の時間では、体操服を隠された。
そして、何も知らないフリをする先生に叱られる。
「どうして、体操服を忘れたの?」
どうして?、じゃねえよ!!
含み笑いでこっちを見る、アイツら!!
チクショウ!
ボクはおまえたちの命を助けてやってるんだぞッ!
家への帰り道、ボクは思った。
ああ、帰ったら、今度は悪魔に責められるんだ…
心の休まる時がない…
いや、体の休まる時もない…
ツラい…ツラすぎる…
落ち込んで歩いているボクの目に、教会の建物が見えた。
教会? 神様?
それって… 悪魔の敵だよな…
「そうだ! 教会なら、悪魔を退治してくれるかも!」
ボクは、教会のドアを開けて中に入った。
誰もいない。
「すいませ~ん」
呼びかけると、女性が出てきた。
「何か御用ですか?」
ボクには、彼女が本当の天使に見えた。
取りすがって、叫んだ。
「シスター! 助けてください! ボク、悪魔に取り付かれて…」