第5話
だが、朝起きると、女悪魔は部屋にいた。
最悪の気分だ…
部屋の隅で、寝ている。
「早く、帰れよ!」
と心の中で叫びながら、部屋を出る。
コンビニで弁当を買って、部屋に持って行った。
女悪魔の前に弁当を置いていう。
「悪魔様、朝食です」
女悪魔は、目をこすって起き上がる。
「もう、朝か・・・」
そして、弁当に目を止めるとイライラとしていった。
「だからッ! コンビニの弁当を!」
「朝はまだスーパーが開いていないんですッ」
「いちおう食うけどな、気ぃ付けろよッ! あと! スーパーの弁当も、コンビニの弁当も、おんなじやぞッ!」
「は?」
「客に出すもんちゃうやろッ! 考えろやッ! ワシのいうてる意味ッ!!」
テレビではニュースが流れていた。
「昨夜、NRの電車が脱線を起こし…」
しばらくすると、アナウンサーが別のニュースを伝える。
「昨夜、ビルの窓ガラスがすべて割れるという事件が…」
すると、アナウンサーが別のニュースを伝える。
「昨夜、銀行の金庫が破られ、1億相当のお金が盗まれ…」
なんか、昨日は凶悪犯罪が多いな…
しかも、すべてウチの近所だ…
うん?
ボクは、おそるおそる女悪魔を見ていった。
「悪魔様、ひょっとして、昨日? 何かしました?」
「テヘ」
女悪魔は舌を出して笑う。
ボクは青くなった。
これ以上、聞けない!
知ってるのに、かくまってたら、確かそれも、犯罪だったよな…
気まずい空気を察してか、女悪魔が吐き捨てるようにいった。
「そんなことより! 今日中に何して欲しいか、考えとけよッ!」
「昼食はどうします?」
「準備しとけッ!」
ボクは急いで弁当屋に走って、のり弁当を買ってきた。
女悪魔の前に出す。
「では、昼食は、これで」
見るなり女悪魔は、イライラしていった。
「オマエ、ホンマにわからんやつやなッ!」
「は?」
「だからッ! 客にホカ弁を出すなッ!」
「でも…」
「オマエはアホやから、ハッキリいうたるッ! 百貨店で名店弁当を買おてこい、ていうとんねんッ!」
「いや、お金が…」
「知るかッ! 礼儀やッ! ボケっ!」
もう… 最悪だよ…
「わかったんかッ!? 返事ッ!!」
「ハイ!」