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骸骨のカウンター

そして次の日。ヤマト行きの船が昼頃戻ってくるらしいが、積み荷を降ろしたり、積み込んだりでまだ出発はできない。

俺たちは金を稼ぐために冒険者ギルドへきていたのだが…


「今日は特訓よ!」


「特訓?」


「えぇ。今度は魔法じゃなくて近接のね」


「ふむ。いいかもしれないな」


「お金はまだまだ余裕あるでしょ?あなた達はまだまだひよっこだからね」


「あの…なんで私まで?」


遠慮気味に手を挙げ発言したのは青い髪が、服とよく合う女の子。メアリーだ


「あなたはそうね。声で戦えるようになってもらうわ」


「え?なぜですか…?」


「旅についてくるんでしょ?」


「い、いえ」


「なんだ、来ないのか?」


「来ないんですか?」


「えぇ?!いきなり過ぎますよ!なんで旅についていくと思ったんですか!」


「流れ的に…ですかね?」


ハルカがやや目を伏せながら言うが、俺も流れに乗っかって言ったが、あまり理解していない





結果、メアリーは見学。ということになった。ソナーを使って戦闘を聞く(みる)ことができるので、気になった点などがあれば言ってもらうことになった。当然得物は木剣と木の杖だ


「それじゃ、準備はおっけーね。構えて…始め!」


瞬間、ハルカが走って距離を詰めてくる。

レヴィは審判として参加し、互いの動きに注意して修正をいれてくれるらしい。さっそくハルカへとレヴィの激が飛ぶ


「ハルカ!杖を下に流しながら走るんじゃない!!前に構えて相手の攻撃をいなせるようにしなさい!」


「はっい!!」


右手で持っていた杖を前に構え直す。自分の体の線を隠すように構え、左手を杖の後ろに添え、衝撃を流せるように持つ。

俺はハルカのタックルに合わせ、思い切り横へ薙ぎ払いをする


「ふんっ!」


ハルカはそれを受けることもなく、スライディングのような形で俺の股下を抜ける


「んなっ!」


ハルカはそれに合わせ、杖で俺の足を引っ掛ける。俺は突然のことに動けず、バランスを崩してしまった


「ムルト!!自分の予想外の行動をとられても止まらない!!全てを予測しながら戦いなさい!」


「ぐうっ」


俺は前に倒れるのを防ぐため、左手を体の下に回し、地面につけると、そのまま体を捻り、ハルカの方向を向いて着地する。

ハルカを視認する。


(距離は遠くない…)


俺はたいせいを変えることなく、ハルカに向かって走った。ハルカはスライディングから起き上がりの途中だったので、反応できなかったようで、苦し紛れの下段蹴りをした


俺はそれを冷静によけ、ハルカへと迫り、拳を顔のところで寸止めする


「そこまで!!うーん。二人とも可もなく不可もなくってところね…次行きましょう!」


次、というのは、実際にレヴィと戦う。ということだった。前にもやったことがある気がするが、今回は一対一ということらしい。

最初にやるのは俺だ


「縛りを設けるわ。ムルト、あなたの攻撃方法はカウンターだけよ。わかった?」


「なぜ…?」


「あなたは相手の動きをあまり見ていない節があるのよ…予想外の攻撃をよけれなきゃすぐにやられてしまうわ。月読と危険察知は当然使っちゃダメよ?」


「ふむ。それは骨が折れるな」


「…じゃ、始めるわね。スタート!」


レヴィはゆっくりと歩いて近づき、俺の目の前へとくる。俺は木剣を構え、攻撃に備える。が、レヴィは俺の前で仁王立ちをしたまま動かなかった。俺たちはそのまま10分ほど見つめ合うこととなった


「レヴィ、攻っ」


俺が構えを少し緩めた瞬間、レヴィが俺の懐に入り込み、思い切りパンチをしてくる。拳を捻り、加速をつけているようだ


「ごっは」


吹き飛ばされる。ということもなかったが、体が浮き、2mほどは飛んでしまっただろう


「予想より早かったわ。ムルト、何があっても油断をしないこと。今のは練習のようなものよ。次はもっと早くに攻撃するわ」


「ぐっ…1分以内で頼む…」


「仕方ないわね…」


気を取り直し、レヴィはまた俺の前で仁王立ちを始める。右腕がピクリと動く、


(既に1分経っているのでっ)


俺の顔面が横殴りされた


「他のこと考えない」


「…すまない」


「さぁ、どんどんいくわよ」





結局その後もひたすら続けた。レヴィは5回目ほどから待つのをやめ、フェイントを挟みながら攻撃を繰り出すようになった。その前の4回は、俺が他のことを考えたり、視線を動かしたり、構えが緩んだりと、油断をするなということを叩き込まれたようだ


「ふぅ。こんなものね。休んでいいわよ。次、ハルカ!」


「はい!」


「ありがとう」


「いいってことよ」


俺はレヴィに礼を言い、木陰へと行く。結局、俺の訓練は4時間ほど続いた。俺のスタミナは無尽蔵なのだが、レヴィは違うはず。根気が凄まじかった。

俺は木陰にいるメアリーの隣に座る


「お疲れ様です」


「あぁ。」


「すごいですね。ムルト様とレヴィア様」


「レヴィの方が私よりもずっとすごい」


「私には二人ともすごいと思いましたよ。あんな自在に体を動かせて」


「メアリーもできるだろう?」


「私、体動かすの苦手でして…」


「そうか」


「はい。だから、その、旅についていったら足手まといになってしまいます」


「私達は気にしないぞ」


「私が気にしちゃうんです…ムルト様の旅の目的は…?」


「これといった目的はないが、美しいものを見る!というのがそうだろうな。あとは美味しい食べ物とか、な」


「そうなんですか…」


「旅にくればその目を治せるものがいるかもしれないぞ?」


「私の目は潰れてしまっているんですよ?」


「部位欠損しても治す魔法を使う人物がこの世界にいるらしい」


「ふふ、それって、物語のお話ですよね?」


「あぁ。英雄伝の話だ」


ハルカはレヴィに注意されながら戦いを続けている


「でも私、この目を治す気はないんです」


「なぜ?」


「これが、私だから、ですかね?」


「どいうことだ?」


「そうですね…目がないのが私なんです。もしも目が治って、物が見えるようになったら、私の歌や耳は悪くなっちゃうのかなって…ムルト様もスケルトンのままでいいと思ってるんですよね?」


「あぁ、人間になるつもりはないな。私は私、スケルトンはどうあがいてもスケルトンだからな」


「同じようなものです。私も私です。目がないのが私なんです」


「喋るスケルトンが私だな」


「ふふ、そうですね」


少し談笑したあと、俺の動きを|聞いていた(見ていた)メアリーに心得がないなりに意見をもらい、ハルカの動きに注目をしていた

驚くことにハルカはレヴィに注意されたことを即座に実践し、どんどん動きが良くなっていく。

最後にはちゃんとした動きをし始めたレヴィにも食いつけるようになっていた。いつの間にか夜になっていたらしい


「ふぅ。今日はこれで終わりね」


「はい!ありがとうございました!」


「ハルカ、なかなかいい動きだったわ。忘れないように特訓しなさい」


「はい!ありがとうございます!」


「すごいなハルカ、もう私より強いんじゃないか?」


「そんなことないですよ!なんというか、その、体が勝手に動いた。って感じです」


「勘がいいんだ。ハルカはすぐに強くなりそうだ」


「レヴィア様にはまだまだ負けますよ…」


「さぁ、ご飯行くわよー!っと、その前にお風呂入りたいわね」


「私は宿で明日の荷物でもまとめておくよ」


「わかったわ。それじゃ二人とも、行きましょうか」


「「はい!」」




重たいものや大切なものはハルカに預けているので、あまり整理するものがないのだが、なんとか荷物を一つにまとめることができた


「骨が折れたな…」


自然と口から溢れてしまう。


「ジョークとは、難しい」


俺は3人が戻ってくるのを待ちながら、月を見た。お風呂ではないが、宿からお湯をもらい、手ぬぐいで骨を拭く


「綺麗だなぁ…」


俺は一人月を見上げ言った




★★★★★


名前:ムルト

種族:月下の青骸骨(アーク・ルナ・デスボーン)


ランク:C

レベル:47/50

HP3120/3120

MP1080/1080


固有スキル

月読

凶骨

下位召喚

下位使役

魔力操作

憤怒の大罪




スキル

剣術Lv7

灼熱魔法Lv2

風魔法Lv5

暗黒魔法Lv3

危険察知Lv8

隠密Lv10

身体強化Lv6

不意打ちLv6

カウンターLv3


称号

月を見る魔物、月の女神の寵愛、月の女神の祝福、月の使者、忍び寄る恐怖、心優しいモンスター、挑戦者、嫌われ者、人狼族のアイドル、暗殺者、大罪人、救済者



名前:ハルカ

種族:魔人族


レベル:47/100

HP5230/5230

MP4125/4125


固有スキル

鑑定眼

氷獄の姫(アイス・プリンセス)

魔力操作

アイテムボックス

自動操縦(オートパイロット)



スキル

杖術Lv5

経験値UPLv10

火魔法Lv3

光魔法Lv1

氷雪魔法Lv1

闇魔法Lv1

打撃耐性Lv2


称号

転生者、転生神の加護、忌子、勇者の卵


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