表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/330

それぞれの道


「これを頼む」


「はい!ギルドカードをお預かりします!……どうぞ、いってらっしゃいませ!コットン様。」


「あぁ」


その男はギルドカードを受け取り、男は大きな山へと向かった。その山は、この国の冒険者でもあまり近寄らない。人間よりも魔法も、身体能力も長けている彼らが近寄らない理由は実に簡単なことだ。

歯が立たないのである

コットンは一人その山に向かい歩いていく


(レッドドラゴンの活発化か…嫌な予感がするな)


レッドドラゴン、龍種の中で炎の魔法を得意とするドラゴンである。永く生きていると言葉を喋るようだが、そういった者はこちらから手を出さなければ敵対することはない。

コットンが討伐しようとしているのは、縄張りから離れ、商人たちを襲っているらしいレッドドラゴンだ。まだまだ若いことがわかる


(若いといってもSランクのモンスターだ。油断せず行こう)


コットンは懐から小さなメイスを取り出す。銀色で統一されているそのメイスに、魔力を通し、巨大化させる。その大きさは、ダンジョンでムルトが戦ったゴーレムより少し大きいくらいだった。全身が骨でできている細身の彼が、そのあまりにも巨大なメイスを持つ姿から、彼はこう呼ばれている


Sランク冒険者『粉砕骨コットン』




「ふう、大罪を持つ者が3人…か」


「レヴィア様、全てお伝えしなくてよろしかったのですか?」


「ムルトにか?」


「はい」


「そう…ね、でも、あいつは世界を旅するのが目的なんでしょ?だったら世界を巡っていればいつか会う日もあるでしょうし、あいつは少なくとも世界を壊したりしないと思うわ」


王城の執務室でレヴィアとクロムが会話をしている。その声色からは、不安が感じられる


「ま、どう転がっても、戦いに巻き込まれることにはなるわよ。『破滅の7人、罪を背負いし者達』…か」


「伝承のことですか?」


「そうよ。全世界を敵に回すことになる。それまでは楽しく生きていてもいいんじゃないかしら?」


「…レヴィア様も楽しまれてはいかがですか?」


「私は…いいのよ。」


レヴィアは悲しそうに顔を隠す。そしてペンを握りしめ、満面の笑みをクロムに向けた


「私はこの国を、私の国民達をなんとしてでも守るわ!クロムも協力しなさいよね!」


「御心のままに」





王国イカロスの中にある、港町カリプソ

そこに3人組でパーティを組んでいる一行がいた


金髪に金色の目をしていて、その装備までも金、というよりは黄色よりなのだが、豪華なものを着込み、短剣を4本腰に下げている男

ジャック・ヤマモト


ピンクの髪に、困り眉が印象的な、胸の大きな女性、2匹の龍が絡みついたようなロッドを手に持ち、魔法を使っている

サキ・ハナミチ


そして、黒髪に黒目、キリッとした目元からは冷たさを感じるが、その実、内面はとても熱く、優しい。腰には愛刀を下げた、お茶目な女性

ミナミ・フジヤマ


それぞれがS2ランクの冒険者だ、そして、召喚されし勇者だった


「よしっ!これで終わりだ!」


ジャックがそう言って短剣に雷を纏わせ、モンスターへと攻撃を加える


「えいっ!」


サキはロッドを振り、魔法を発動させる。無詠唱の魔法だ。海には渦潮が生まれていたのだが、その渦潮を凍らせ、魔物の動きを止めた


「とどめは私がさすわ。吼えろ。ー秋雨ー」


ミナミは居合切りのような構えをとり、精神を集中させ、一瞬にして刀を抜き、鞘へ戻す。この一連の動作を1秒足らずでやったのだ

モンスターは真っ二つに切られ、ジャックの電撃によって体を消滅させられる


「素材はいらないよなぁ?」


「うん。装備もお金も困ってないし、いいんじゃない?」


「あわわ…かわいそうですぅ…」


「何言ってんのサキ、人々を苦しめていたんだから当然の報いよ!」


「いやぁ。でも久しぶりに食いたかったなぁ…イカのお寿司…」


「だったらヤマトの国までまた行く?」


「おぉ!いいねぇ!サキも行くだろ?」


「そ、そうですね。わ、私も行きたいですぅ…」


「よし!じゃあ次の行き先は決まったわね!ヤマトの国へ行きましょう!」


「あわわ、ミナミちゃん、仕事はどうするんですか?」


「モンスターの捜索でしょ?だったらヤマトの国にいるかもしれないし!そう!それを調べに行くの!」


「ひゅー!ミナミ!わかってるねー!」


「よし!じゃあ明日出発しよっか!」


「おう!」「は、はい!」


勇者一行は目の前のモンスターを放置し街へと戻る。

モンスターの死体は、匂いにつられた他のモンスターが食べにくるので大丈夫だろう。

海の中にて既に命を散らしているモンスターは、クラーケン。Sランク指定のモンスターだが、このクラーケンは普通のクラーケンよりもふた回り大きかった。さらに、このクラーケンは勇者達に発見されてから、10分も持たずにやられてしまったのだ。



ドクン…



ミナミの胸の中で、何かが目を覚ます


登場したクラーケンはS3です

漆黒の悪夢はS5以上。EXです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ