骸骨の仲間
髑髏、俺と同じ骸骨なのだ
「む、驚かないのか」
「あぁ。慣れている」
「慣れている?お前、やはり同族か?」
「あぁ」
俺は手袋を少し脱ぎ、手首を見せた
「やはりか、同族は久しぶりにみたぞ。
俺の名はコットン、よろしく頼む」
(柔らかそうな名前だ…)
俺も手を差し出し、握手を交わす。
「私はムルト、こちらこそよろしく頼む」
「ふむ、ここで話すのもなんだ、休憩所で話をしようじゃないか」
「いいだろう」
俺とコットンはギルドの休憩所に行き、席につく、コットンは開口一番俺にこう言った
「なぜスケルトンについて調べていた?」
唐突だった。自分がスケルトンだから、とは言いだせはしなかった
「うむ、自分と容姿が一緒のモンスターだからな、興味が湧いたのだ」
「ふむ。俺にもそういう時期があったな。何か知ることができたか?」
「魔核のことや漆黒の悪夢のこと、とかは新たに知った」
「魔核は俺たち骨人族が持っているものだからな、て、お前は漆黒の悪夢のことを知らなかったのか?」
「あ、あぁ」
「ガキの頃に怖い話として語り継がれていると思ったが」
ガキの頃?骨にも子供の頃があるのか…?まさか俺もポップしたころは小さかった…?
いや、洞窟でそんなおかしなスケルトンはいなかったし、これも骨人族特有のようなものだろう…生殖はどうしているのだろうか…
「き、聞かされたことはないな、一体どんな話なのだ?」
「お前は相当温室育ちだったのだろうな。簡単に言えば、俺たちの迫害の元だ」
「迫害?骨人族は迫害されているのか?」
「?。本当に何も知らない奴だな。漆黒の悪夢のせいで俺たちは嫌われているんだ」
「なぜ?種族が同じってだけだろ?」
「いや、漆黒の悪夢は骨人族ではなく、知能を持ったスケルトンらしい」
「それならなおさら関係ないのではないのか?」
「俺たち骨人族はスケルトンから襲われないだろ?だから漆黒の悪夢は骨人族と繋がっていたのではないか?と考えられてな。」
という訳はだ、俺と漆黒の悪夢は同じ物を考え、知能を持っているスケルトン、という共通点がある。まさか俺と同じ月が好きなのだろうか
「漆黒の悪夢は全身が黒い骸骨ってことでな。俺たちはもともと白いが、オシャレとして骨を染めているんだ。漆黒の悪夢のせいで嫌われはしたが、俺たちは漆黒の悪夢を仲間だと思っている。現に、漆黒の悪夢はスケルトンや骨人族は傷つけなかったらしい」
「なぜ骨を染める必要があるのだ?」
「俺たちは次の漆黒の悪夢かもしれないぞ。色の違う骨人族を殺せばそれは、無抵抗な者を蹂躙することになる。だから色の違う骸骨でも無闇に襲ってはいけない。もしかしたらいるかもしれない次の漆黒の悪夢が襲われないようにする知恵だな。色の違うスケルトンがいても、喋ったら骨人族かもしれないだろ?」
そうか、骨人族は漆黒の悪夢を嫌っているわけではない。むしろ、手助けをしようということだ。ならば、俺のことも助けてくれるのかもしれない
「ちなみにだが…」
コットンは口を近づけ小さな声で囁いた
「お前…骨人族に無知なようだが、本当はスケルトンか?」
俺はない心臓の高鳴りを感じた。
ここで話してしまうべきなのか、はたまた、先ほど出会ったばかりの者の言葉を信じるべきなのか。葛藤をする。
俺はあたりを確認し、人がいないことを確かめると、静かに口を開きこう言った
「私は…スケルトンだ」
着ている外套を少しはだけさせ、骨人族に本来あるはずの場所に魔核がないことを見せる
「ほぉ。大丈夫だ。敵対する気はない」
コットンもそういって、自分の外套をはだけさせ、骨人族の証明とも言える怪しく光る魔核を見せた
「さっき言ったことは全て本当だ。骨人族はスケルトンを仲間だと思っている。間違ってもお前を売ろうとするやつは誰もいない」
コットンが真面目な口調でそう言った
「他に仲間はいるのか?」
「スラムのほうに細々と生活しているやつがいたはずだ。あとは魔都から遠い場所に集落があるぞ」
「そうなのか…では、一番聞きたいことがあるのだが…」
「なんだ?なんでも聞いていいぞ」
「骨人族は…どうやって生殖するのだ?」




