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骸骨は狙われる

数日歩き、俺は川を見つけることに成功し、今は川に沿って海に向かっている途中だ。

あの後湖から離れた後、俺はまた夜通し歩くように旅をした。


夜通し歩いていると、夜から朝に変わる時、月が沈み太陽が浮かんでくる時、空が白みがかってくるというものを見た。

それを見ながら


(これを同時に目に収めるためにどうすればいいのか…)


と考え、浮かんだ答えが海に行き、太陽浮かぶ時に一緒に見れるのではないか?という結論にいきあたった。障害物のない海に太陽、逆に障害物のある方向には月という。ギャップというものだろうか。それを見たくなった


数日歩き続け、時にはモンスターを狩ったり、人知れず助けられるものは人を助ける。そんな旅をしていて、自分のステータスを確認してみると、【憤怒の罪】という、見慣れないスキルをみつけた


憤怒の罪

悲しみが怒りに、憎しみが怒りに、そして力も怒りに変わってしまう。憤怒の罪を発動した者は怒りに呑まれてしまうが、その分力を手にすることができる


よくわからない説明文ではあった。俺は理解をすることがうまくできなかったが、さらに強くなれる。と確認してそのままだ。


この数日特に変わったことは起こらなかった


「む、人がいるな」


目の前には大きな岩の上であぐらをかき、竿を川の中に垂らしている人間がいた。


(あとどれくらいで海につくのか聞いておこう)


今の俺を隠すのは外套にブーツ、それにモンスターの皮で作ったマスクと手袋と、不恰好ではあるが、自分がスケルトンとは気づかれないような服装をしていた。

声が届くぐらい近づくと、その人間は上に顔を上げ、ピクピクとしている。

どうやら匂いを嗅いでいるようだ?

そしてギュルン、と顔をこちらに向け、俺を見つけると


「貴様何者だ!」


岩の上に立ち上がり、竿をその場に捨て、戦う姿勢を見せてきた


「怪しい者ではない!道を聞きたいだけだ!話したくないようであればすぐにここから去ろう!」


そう言葉を返すと、今度は腕を組み考え始めた。こちらが害意のないことが伝わったのだろうか。道を聞けるのであれば聞きたいし、話すのを拒まれればすぐにこの場を去ろうと思っている。道を聞ければそれが一番いいのだが…



「ぬっ、モンスターかと思ったが言葉が話せるのか…吸血鬼?いや、私たちと同じ…」


「訳あってこのフードは脱げないが、怪しいというのであればすぐにここから立ち去ろう!」


「待て!貴様の種族はなんだ?吸血鬼か?もしやエルフ?まさかエルダーリッチではあるまいな!」


種族を聞かれてしまう。きっとこの獣の臭いマスクや手袋でそう思われてしまったのかもしれない。


(正直に言って拒まれてしまったならすぐに去るか…)


「私の種族はスケルトンだ…あなたは?」


「我らは誇り高き人狼族(ウェアウルフ)だ!…って、スケルトン?!嘘をつくな!スケルトンは言葉を話すことができない!」


人狼族?側から見れば完全に人間ではないか。耳も尻尾も生えていないようだ

そしてこの人狼族の目は、敵視するでも、恐怖するものでもない


(…これは…歓喜と困惑…といったところか)


敵対する意思は感じられないため、俺は大丈夫かと思いフードとマスクをとり、青い頭蓋骨を見せた


「ほら、これで信じられるか?」


「えぇっ!?本当にスケルトン!みんなに知らせてくる!!」


「あ!待て!」


人狼族と名乗った者はそのまま森の中に走っていった。人狼族と言われた通り、その者は二足ではなく四足歩行で地を走っていったのだ。


(仲間を呼ばれたら襲われてしまうか?だが、悪い奴ではなさそうだったな…)


俺はしばらく悩んだが、下手な争いは産むべきではないと思い、その者が帰ってくる前にこの場を後にすることに決めた


(ぬっ、これは…)


その瞬間、俺の危険察知が作動し、大勢がこちらに素早く向かってきていることに気づいた。すぐに月読でその方角を見て、どれほどの数がいるのかを確認する


「15…16人か」


総勢16名、さっきの者を除き15名がこちらに向かっている。それもものすごいスピードで、みな四足歩行で森の中をかけていることから、全てが人狼族だということがわかる


(すぐにここから離れなければ…!)


だが、時すでに遅し、あたりには人狼族、囲まれてしまっていた。

間髪いれずに人狼族の1人が噛み付いてきた


(この目は…!)


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