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骸骨は喋った



バルバル洞窟

それは、バルバルの街に近く、徒歩30分ほどの森の中にある。Gランクに認定されている初心者御用達のダンジョンだ。


階層は5階層と少なく、出てくるモンスターも

ラット、ゴブリン、スケルトンなど、低ランクのモンスターばかりで、ボスモンスターはおらず、Fランクのゴブリンがダンジョン内では一番強いと言われているほど弱いダンジョンだ


洞窟の中に無数にいるうちの、モンスターの一体。

スケルトン

スケルトンとは、白骨化した死体が魔気に当てられ、モンスター化するか、自然にポップするアンデッドだ。ランクはG。

理由は簡単、何も考えず、ただただ突撃をしてくるので、対処がしやすいから。いわゆる『雑魚』と言われるモンスター


そんなスケルトンのうちの一体に、不思議な行動をするものがいた。

本来、スケルトンは何もせず、ボーッと立ち、敵が来れば襲いかかる。

仲間がやられてもひたすら突き進む。

敵がいなければまた突っ立ったままなのだ。

そのスケルトンは、敵が来れば仲間と共に攻撃し、何もなければただ、棒立ちをするだけだったのだが、夜になると、洞窟の天井にポッカリと空いた穴から、空を見上げている。

入り口近くで立っていても、2階層へ降りる階段の近くに立っていても、夜になれば、天井に穴が空いている場所へ行き、空を見上げる。


そこには、いつも綺麗な青い月が出ていて、スケルトンはそれを見ているようだった。


「美しい…」


本来喋るはずのないスケルトンが、感嘆の声を漏らす


この日からスケルトンは変わった。

昼間になっても、ただ立つだけではなく、仲間に話しかけたり洞窟の中を歩くようになっていた。

夜にはまた月を見上げ、翌日にはまた洞窟を歩く

そしてスケルトンは気づいた。自分は他のスケルトンとは違うことに


「俺の種族はスケルトン。独りぼっちだ」

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