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骸骨との関わり

今回はステータスがあります。長いようで、いつものと同じくらいです。

名前:ムルト

種族:月蝕の偽骨王(ブレンドムーン・バッドスケルトン)


ランク:B→S

レベル:17/70 →1/90

HP7920/7920 →12000/12000

MP3200/3200 →4800/4800


固有スキル

月読

凶剛骨 →月違骨

下位召喚

下位使役

魔力操作

変温

味覚

欲器(憤怒・怠惰) →欲玉(憤怒・怠惰)

火事場の馬鹿力

悲哀の弱体 new



スキル

剣技Lv10→剣豪Lv3

拳闘術Lv8→10

戦斧術Lv6→8

鞭術Lv6

灼熱魔法Lv3→5

風魔法Lv6→10

水魔法Lv5→10

暗黒魔法Lv8→10

危険察知Lv10

打撃耐性Lv7→9

隠密Lv10

見切りLv6→9

身体強化Lv8→身体超強化Lv2

不意打ちLv8

カウンターLv6→8


称号

月を見る魔物、月の女神の寵愛、月の女神の祝福

月の使者、忍び寄る恐怖、心優しいモンスター

挑戦者、嫌われ者、人狼族のアイドル、暗殺者

大罪人、救済者、欲深き者、罪の器

月の女神に愛されし者、人族の英雄、剣豪

人を愛したモンスター


「Aランクを飛んでSランクになっている」


「おぉ!すごいじゃないか。私に追いついたな」


ティングは素直に喜んだが、ムルトはあまり喜べなかった。


「あぁ。さらに強くなれたが、少し怖いものも多いな」


「確かにそうですね……」


鑑定眼で見ているハルカも、ムルトと同じ不安を感じた。

Sランクに上がり、強くなったものの、欲の器が欲玉になっており、悲哀の弱体というスキルまで増えている。


「で、ですがっ、スキルも強くなっていますし、称号は何やらいいことばかりですよ!」


「あぁ。そうだな。月の女神に愛されし者、か」


「人を愛したモンスター。ロマンチックですね」


ミナミがその称号を読み上げると、レヴィアが不機嫌な顔をした。


「へぇ。人を。ねぇ。誰を愛したの?ムルト」


「む?愛する……というものがよくわからないが。好きだと言うのなら、ハルカもミナミもサキもティアも。もちろんゴンやダンも愛しているぞ?」


「うへぇ。気持ち悪いこと言うなよムルト」


「嫌だったか?ダン」


「別に嫌じゃねぇが。好きと愛してるは別だからよ。俺もムルトは好きだけど」


「む、そう言うものなのか」


「私もムルト様好きですよー。えへへ」


ハルカはムルトの肋骨にグリグリと頭を当てている。


「ま、魔法も戦闘スキルも軒並み上がってるし、いいんじゃない?」


「そうだな。種族名にも月が入ってるし満足だ」


そしてムルトは続いてハルカを見る。



名前:ハルカ

種族:魔人族


レベル:73/200 →92

HP10560/10560 →13500/13500

MP14850/14850(+730) →18900/18900(+920)


固有スキル

鑑定眼

氷獄の姫(アイス・プリンセス)

魔力操作

アイテムボックス

自動操縦(オートパイロット)

美食の徳(堅固)→堅固の美徳

限界突破

不死鳥の聖火(1)



スキル

杖術Lv10

拳闘士Lv2→8

経験値UPLv10

火魔法Lv4→炎魔法Lv1

聖天魔法Lv1→10

氷雪魔法Lv10

闇魔法Lv5→9

打撃耐性Lv6→8

状態異常耐性Lv8

遊泳Lv7

気配遮断Lv5

潜水Lv5

突進Lv10→突撃Lv3

邪眼Lv1

家事Lv5→10

身体強化Lv5→10

器用Lv5→8

飛行制御Lv3

脚力Lv3→6

怪力Lv5



称号

転生者、転生神の加護、忌子、勇者、超人、限界を超えし者、救世主、月の女神の祝福、月の女神の寵愛


「やっぱり転生者の経験値アップてのは強力ね……」


ハルカのステータスは軒並み上がっている。ステータスだけ見ればムルトより遥かに強い。


「不死鳥の聖火、ハルカの美徳の魔法?」


「恐らくそうでしょう……隣の(1)というのが気になりますが……」


「地球のゲームでいう使用可能回数ではありませんか?死人が生き返るなんてチートな気がしますっ」


「ゲームに関してはジャックが詳しいけど、サキもやるんだったわね」


「はいっ!この異世界に来てステータスを見れるのは嬉しかったですっ」


同じく美徳を持つティアとミナミ。そしてハルカと同じ地球から転生したサキが話す。


「あと1回は死ねるということですね……」


「それはダメだ!」


突然声を荒げたムルトに、皆の注目が集まった。ムルトは慌てるように言った。


「2度もハルカを死なせるようなことなど、俺がさせない。皆も、またハルカが死ぬなど嫌だろう?」


「確かに、そうね」


「そりゃそうだ」


皆ムルトの言葉に納得してくれる。

ハルカはまた嬉しくなり、ムルトに抱きついた。


「えへへ。ありがとうございます。デメリットもあるでしょうし、痛いのは嫌ですもん。……あと変わったのは……」


「美食の徳が、堅固の美徳になっているな」


「そうですね。徳から美徳になったのは良いことですが、美食がなくなっていますね」


「ハルカちゃんの言うデメリットというのがこれに当たるんじゃ?」


「そうかもしれませんね……つまりもう1回死ぬと、美徳を失う?」


「なら心配はない。美徳は必ず失わない」


「うふふ、ムルト様、なんでですか?」


分かりきった質問だったが、ハルカは聞かずにはいられなかった。ムルトは自信満々に言い放つ。


「俺がハルカを守るからだ!」


「えへへ。ありがとうございます」


ハルカはまたにんまりと笑う。


「ふふ、お熱いですね」


「妬ましいわ……」


キアラが口に手を当てて上品に笑う横で、レヴィアは勢いよく肉を食いちぎる。


「それと、ハルカはアルテミス様の祝福を授かったのだな」


「えぇ。そうみたいですね。これもムルト様と一緒ですっ」


「それのおかげ、ハルカにアルテミス様おろせた。魔力も軽く済んだ」


「本当にアルテミス様々ですね……」


「よし、ティングのステータスも見よう」


「頼む」


次にムルトはティングを見た。


名前:ティング

種族:偽欲の骨王(クレイ・ワイトキング)


ランク:S2

レベル:1/100

HP24000/24000

MP26200/26200


固有スキル

黄土骨

不殺の誓い

下位召喚

下位使役

不死族創造クリエイト・アンデッド

魔力操作

不死者達の曲芸団デッドリー・サーカス

がしゃどくろ

不死者達の兵隊達デッドリー・アーミーズ



スキル

拳闘術Lv7

暗黒魔法Lv10

危険察知Lv10

打撃耐性Lv7

隠密Lv10

身体強化Lv10

不意打ちLv10



称号

忍び寄る恐怖、心優しいモンスター、嫌われ者、暗殺者、冤罪人、仮の器


「なっ!S2?!」


「ふははは!追いつかれたと思ったら離していたな!」


「ふふ、まだ1つだろう?」


素で驚く人間達を置き去りにして、人外の2人は笑い合う。


「ゴンさん、S2ってすごいんですか?」


勇者ではあるが、転生者であるミナミ達は、なぜゴン達がこれほどまでに驚いているかわからなかった。


「ミナミ、S2ランクってのはね、Sランクモンスターとは格が全く違うのよ」


「あぁ。S2ランクってのはSランクが2体とか、10体分の強さってわけじゃねぇ」


「つまり?」


「有名なところでいうと、ドラゴンだ。ドラゴン1体はSランクだが、それを100体同時に相手にしろって言われたらどうする?」


「それは……難しいですね」


「だろ?だが今のティングはそれらを相手どることができるくらいの強さ。もっと言うと、国を1つ攻め落とせる」


「えぇ?!そんなの特別討伐対象じゃねぇか!」


「バカ!声が大きい!」


ダンへシシリーの拳骨が飛ぶ。


「従業員とかに聞かれてたらことよ……」


「そうだな。すまねぇ」


その話を聞いて、ティングは誇らしげにしている。


「ちなみに、私もS2ランクよ。嫉妬の大罪込みでいいならS3はあると思うわ」


「私もS2ですよっ。色欲の大罪は支援特化ですがねっ!」


レヴィアはない胸を反らし、キアラは豊満で暴力的な胸を反らして言った。レヴィアの視線が悔しそうにキアラの胸を見つめていたことに、皆気がつかないふりをした。


「ふむ。強くなれたのは嬉しいが、偽欲、不死者達の兵隊達、冤罪人、仮の器というのが気になるな……」


「偽欲は、暴食と強欲の罪を無理矢理入れられたからではないか?冤罪と仮というのはその時についたものだろう。大罪が抜けた今、気にすることはないと思うが」


「あぁ。そうだな。兵隊達という新しい力を得られたのは嬉しい誤算だな」


「いやぁ。実際に戦ったけどよ、硬かったし強かったぜ」


「そうね。メイスでも一撃で粉砕できなかったし、ダンの宵闇でやっとって硬さだったわ」


「うむ。強いということがわかったのはいいが、それで人を傷つけていたのは難しいところだな……謝罪する」


「いやいや!そういえば俺、その兵隊に殺されそうになったんだが」


「何?!それはすまないことをした!!」


「いやいや!それは大丈夫だって!今生きてるんだから!不思議なのがよ、その兵隊達、トドメを刺そうとしなかったんだよ。俺にも、他の奴らにも」


「何、そうなのか」


「それは、きっとこの不殺の誓いがティングの召喚したモンスターにもあったからではないか?」


「不殺の誓い?……あぁ」


その話を聞き、ティングは思い出すように遠くを見た。少し悲しそうな、懐かしい顔をした。


「昔にな、ある男と約束をしたのだ。人は何があっても殺さない。と」


「……ティングも、良い人間に会ったのだな」


「あぁ。そういえば、会った時に思ったが、ムルトの骨格はその人間に似ているのだ」


「そうなのか?この体はある洋館で譲ってもらったものだ」


その話を聞き、ティングは微かに揺れた。


「洋館……屍者の森の近くの洋館か?」


「あぁ。そうだ」


「譲ってもらったというのはどういうことだ?」


食い気味に話しかけてくるティングは珍しかった。ムルトは洋館であった出来事を要約して話した。

洋館に泊まったこと、美しい絵画があったこと、家主と話したが、名前は聞けなかったこと、骸骨が3つあったこと。


「……ティッキーの家だな」


「……」


「ティングさん」


ハルカは、アイテムボックスから、2体の白骨死体を出した。

それを見たティングが震えるように座り込み、白骨死体を優しく撫でた。

ゴンは俯き、微かに震えている。


「クルミカ……カリミナ……」


ティングは顔を上げ、ムルトを見た。


「ムルト、この2体を譲ってはくれないか?」


「あぁ。いいとも、知った顔がいたほうが、喜ぶだろう」


「ありがたい。不死者達の曲芸団」


室内に、タキシードを着たワイトが出現する。ティングは、そのワイトに2体を丁重に扱うよう命じた。カリミナとクルミカの遺骨はタキシードのワイトが出てきた時のように、地面に吸い込まれ、消えた。


「だがおかしい。遺骨は4体いると思うが。あの屋敷にはリーナというメイドがいたはずだ」


「リーナのことだ。……あそこで死にたくはなかったんだろ」


少し目を赤くして、ゴンが言った。

だが、ムルトの話では、リーナはまだ生きている可能性が高かった。

ゴンとティングがあの洋館に逃げ込んだ時、人の気配は感じなかった。きっとどこかで、幸せに生きていることを願った。


「あぁ、すまないな!暗い話になってしまって!さぁ!宴はまだ終わっていない!楽しもう!」


明るくティングがそう言った。


「なぁムルト!次は俺のステータス見てくれよ!ギルドで見ると金かかるからよ!」


「おぉ!じゃあその次は俺だ!」


ゴンもティングに合わせるように元気に言い、ダンがそれに続いた。


ダンは俯くシシリーの肩を優しく叩く。


「ム、ムルト、私もいいかな」


「あぁ!いいとも!全員分のステータスを確認しようじゃないか!」


先程のような楽しい空気に戻る。

ムルトが一人一人のステータスを見て、それを告げていく。

宴はさらに楽しく続き、皆満足している。

一発芸大会が始まり、キアラが皆に淫夢を見せようとしたのをレヴィアが止めたり、ムルトとティングをバラして、福笑いのようなこことをしたり。


楽しい宴は、太陽が傾くまで続いていた。

だがそこに、突然の訪問者がやってきた。


「失礼致します」


料亭の従業員だった。


「あ、少し騒ぎすぎたか?」


自分の冒険を、動きを入れて力強く力説していたダンが、申し訳なさそうに聞いた。


「あ、いえいえ、防音魔法などもかかっているので大丈夫なのですが……ミナミ様とサキ様に書簡が届いています」


「書簡?」


「はい。こちらです」


従業員が出したのは、2匹の鳥。


探鳥(たんちょう)か」


鳥を見たゴンが、その種類を当てた。

探鳥、簡単に言うと、ギルドや国が伝書鳩のように使っている鳥だ。

伝書鳩が場所と場所を行き来して手紙を運ぶのとは違い、探鳥は個人それぞれの魔力を覚え、その魔力に向かって飛んでいくため、場所を選ばずその者に手紙を運ぶことができる。


1匹に1人の魔力しか覚えさせられないため、数を確保することができず、貴重な鳥だ。


ミナミとサキは王都のギルド本部の十英傑にも名を連ねているので、当然専用の探鳥が登録されている。


「ギルド本部から……なぜ今探鳥を……」


従業員は探鳥をミナミとサキに渡すと、そそくさと退散していった。


皆が注目する中、ミナミとサキが書簡の封を切り、中身に目を通す。

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