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閑話:クロスオーバー

注意です!

※キャラ崩壊。メタ発言。中身のない話です!!※


本編には全くもって何も関係しません!!

キャラ崩壊、メタ発言苦手な方は日曜の更新までお待ちください!いつもありがとうございます!

気がつけば辺り一面、真っ白な世界にいた。

雪などではなく、無機質な壁とでも言えるような何か。


(ここは……どこかで?)


ムルトにとっては見覚えのある空間だった。

教会で祈りを捧げ、月の女神、アルテミスと話をできる空間。それがムルトがこの空間に抱いた感想ではあったが、何か違和感を感じていた。


(アルテミス様がいる場所ではない。俺はここへ来るのは初めてでは、ない?)


よくわからない空間に来たムルトだが、特に悪意も息苦しさも感じることなく、あてもなく歩いていると、見えない膜のようなものに行き当たる。


(む?)


軽く手を触れると、膜を通り抜け、その先へ腕がいってしまった。

ムルトはそのまま膜の中へ入っていくと、さっきの空間とは打って変わった景色が広がっていた。


「おぉ……すごいな……」


それは、感嘆だった。

見渡す限りの草原。辺り一面には緑の絨毯が広がったており、真っ青な空には純白の雲がちらほらと漂っている。

草原の果ては無く、どこからか吹いている風がさわさわと草達をなびかせていた。


「む?」


そんな景色の中に、先ほどまではなかったはずの建造物が現れる。

白い石造りの六角形の屋根に、白い石でできた柵のような形。ガゼボというものだが、ムルトはそのことを知らない。


「あれは……」


ガゼボの中には、テーブルと二脚の椅子があったが、その椅子の1つには1人の男が座っていた。

真っ黒な装備に、真っ黒なコート。

戦闘用というよりかは、オシャレを取り入れているかのような、そんな風だ。


「やぁ、とりあえず座りなよ」


黒い男はムルトにそう言った。ムルトは何もわからず、椅子に座る。


(同じようなことを同じような男に言われたことがあるような……)


「やぁ、また会ったね。改めて自己紹介しようか。俺はゼブラだ。よろしく」


「……俺はムルトという。ここはどこだ?」


「ムルト、よろしくね。そうだね。その質問は……真面目に答えると、ここは世界の狭間。俺の作った別世界だ」


「別世界……?俺のいる世界とは違うということか?」


「そういうことだね。そしてもうひとつ」


「もうひとつ?」


ゼブラはムルトに向かって言った。

『真面目に答えると』と


「本当はここは……クロスオーバーの世界なのです!!」


ムルトは聞きなれない言葉に、少し戸惑ったが、ゼブラの言った言葉を確認するように繰り返した。


「く、くろすおーばー?」


「そう!クロスオーバーとは!!

『ある作品のキャラクターが、同じ設定のまま別の作品へ登場すること』(Wiki引用)」


「うぃ、うぃき?」


「まぁ、君と俺は全く別の世界の住人なのだけれど、俺の力で君をこちらへ呼んだ。ということさ」


「そんなことが、可能なのか?」


「可能だよ。俺ならね」


ゼブラはそう言うと、指をひとつ鳴らした。

すると真っ青な青空が割れ、違う景色を映し出す。


「こ、これは……アルテミス様?」


「そう。君の世界の月の女神アルテミス。今俺はそっちの神界と俺の空間を少しだけ繋げた」


「アルテミス様に何をするつもりだ」


ムルトの体は真っ赤に染まっている。それかま憤怒の魔力だということは、ムルトもゼブラもわかっている。


ゼブラはそれを見ると、もう一度指を鳴らした。アルテミスの映像は消え、元の真っ青な空へと戻したのだ。


「別に何をするってわけじゃないよ。俺が話あるのは君だしね」


「む?なぜ俺に?」


「言っただろう?クロスオーバーだって」


「そのクロスオーバーとやらが何か俺はわからない」


「んー……」


ゼブラは頭をかくと、開き直ったように立ち上がり、明るい声で高らかに言った。


「よし!それは置いといて!さっそく今回の本題に入るよ!」


「本題?」


「俺が君をここへ呼んだ本題さ!」


「なるほど、その本題というのは?」


「ズバリ!!500万PV、総合評価18000目前!ネット小説大賞2次選考突破!感謝回!!」


「……は?」


聞いたことのない、理解のできない、全くわけのわからない単語を並べられ、ムルトは柄にもなく呆けてしまう。


「君には何を言っているかわからないよね……ということで!こちらをどうぞっ!」


ゼブラは一枚の紙をムルトに手渡す。

ムルトはそれを受け取り、開けろと言われ、素直に言われた通りにする。


「なんだこれは?」


「いいからいいから!読んで!」


「む、むぅ……あー。『この度は、スケルトンは月を見たを応援してくださり感謝する。勝手ではあるが、この場をかりて読者の皆様に感謝の言葉を伝えたいと思う』……なんだこれは」


「いいから続き!」


「……『まずは、日々この作品を読んでくれている読者に感謝を。投稿当時から読み続けてくれている方、途中からハマってくれている方、皆様の応援のおかげで筆を折ることなくここまで書けました。ネット小説大賞では、約1万作品の中の73作品に残ることができました。只今は最終選考の真っ只中だと思いますので、続報をお待ちください』これで終わりか?」


「今度はこっちを」


「……読者の皆様に一言?」


「まずは俺が手本見せるわ。……クロスオーバーをご覧の皆様!おはこんばんちわ!!かつての魔神は世界を見る!で活躍中のゼブラです!今回はね。こんな機会をもらってね!読者の皆様に感謝をー!!イェーイ!!ありがとうー!!」


そんなゼブラをムルトは横目で見ながら、自分がどうすればいいかを考える。


(意味のわからない言葉が多い……それに、それは一言なのか?)


とりあえずわかる範囲でムルトは一言を考える。


「あー……ムルト、という。好きなものは月。好きなことは月のよく見える景色を探すことだ……よくはわからないが、読者?の皆に感謝を」


ムルトは丁寧なお辞儀をする。


「うんうん。いいね、いいね。今回のクロスオーバーは大成功だね!前回はボロクソに言われてしまったけど今回はどうだろうか……」


「前回?前にも同じようなことをしたことがあるのか?」


「ふふ、そうだよ。俺も、君もね」


「俺も?そんな記憶、ないが」


「そう。記憶を持ってるのは俺だけさ」


「……お前は、一体……」


瞬間、ゼブラがムルトへと肉薄していた。

ゼブラは、人差し指を一本、ムルトの仮面の額へと当てていた。


「君はそれを知るべきではない。知ってはいけないんだ」


「っ……!」


圧倒的な力の差、次元の違う化け物に、ムルトはかくことのできない汗をかいてしまう。


「前回も……と言っても君は覚えてないけど、ここはifの世界なんだ。俺たちがどうこうできる世界じゃない」


「それほどの力を有していても、動かすことのできないものなのか?」


「そゆこと」


「……それほどの、世界を超えるほどの力を持つのであれば……こちらの世界へ来て、俺たちの手伝いをしてくれないか?」


「手伝い?」


「あぁ。こちらは邪神というものが復活したらしくてな。その封印か討伐を手伝うことはできないか?」


ゼブラはムルトのその言葉を聞き、椅子に腰掛け、目を閉じた。


「確かに。俺がそちらの世界へ行けば邪神を殺すなんてことは朝飯前だ。だけど」


「なんだ?」


「俺はただの傍観者だ。主人公でもなくモブでもない。そちらの世界はそちらの人間がどうにかするべきだ」


「……」


「仮に俺がそちらの世界に行くことになったとしても、俺は人々を、世界を救わない。破壊するだけだ。君たちが、いや、君が死んだ時、俺がそちらの世界へ行って、その世界を壊すだろう」


「……」


「俺がそちらの世界へ行かなくても済むようにするには、君の行動、そして世界の動向が大切になってくる」


ゼブラはそこまで言うと、溜息をひとつついた。


「話しすぎたね。ちゃんちゃらおかしいクロスオーバーの閑話の予定だったのに。時間切れだ」


ゼブラが手を前に出すと、ムルトの背後にブラックホールのようなものが生み出される。


「っ!」


ムルトは、背後からただならない力を感じる。そして抵抗することもできずにその闇の中へと引きずり込まれる。


「また、会おう」


ムルトがゼブラの最後の短い言葉を聞くと、ムルトはそのまま意識を手放してしまった。


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