エピローグ
エピローグが第一話です。
どうぞ、お楽しみください
ここはバルバル洞窟
バルバルの街にある、勇者が所有する特別保護対象のダンジョンである
ダンジョン内にはスケルトンのみが生息している。そこに住んでいるスケルトンは、人を襲わず、ダンジョンの外にも出ることはない
私は毎晩そのダンジョンへと足を運んでいる
国や街が所有するダンジョン内には、普通松明などの照明が取り付けられているのだが、このダンジョンにはそれがない。理由は簡単で、余計な光がダンジョン内に入るのを防ぐためだ
私は夜目を活かしダンジョンの中を進んでいく。途中のひらけた場所には、天井に穴が空いており、そこから月の光が入り込み、ダンジョン内を照らしていた
その下で月を見上げるスケルトンが一体いる。私は彼に会いにきているのだ
「こんばんは。ムルト様、また来ましたよ」
そのスケルトンは何も答えず、ただ月のみを見ている。月の光に照らされたスケルトンはそれだけで美しかった。純白のように白い骨に、青い月が色をつける。
そしてそのスケルトンは、他のスケルトンとは身につけているものも違う
右の腰には短剣を3本さし、左腰には装飾がなんとも綺麗な長剣、手袋やブーツも、普通ならば手に入れることのできないような最上級なもので、豪華なものばかりを身につけている
私はそのスケルトンの横に立ち、共に月を見上げる。共に泣き、共に笑い、共に旅をしてきた彼を私は思い出す。彼をこのダンジョンに連れてきたのも私だった。彼と初めて会ったのはこのダンジョンで、この場所を一番気に入っていたと教えてくれた冒険者がいた
このスケルトンは手を引けば、抵抗もせずについてきてくれた。ただ、休ませてあげようと、腰にさしている短剣や長剣に手を伸ばすと、それを、手で払われてしまったこともあった
このダンジョンにつくなりそのスケルトンは引いていた手を放し、ここにくると、もう動き回ることはなくなってしまったのだ
「ムルト様との旅は、本当に楽しかったです」
スケルトンは何も答えない。毎晩こうして洞窟に来ては声をかける。当然反応することなどなく、私は今日も涙を流してしまう
「申し訳ありません、ムルト様」
謝ってしまうのも今日に限ったことではなかった。私は涙を拭き、また月を見上げる
「本当に……美しいですね」
私は二人を優しく照らす月を見て独り言を漏らす
「あぁ。本当に、美しい」
私はハッとして横のスケルトンを見る。が、そのスケルトンはカタカタと顎を鳴らしているだけだった。
それが幻聴だったのか、彼の声だったのか、私にはわからない。それでも私は……
これは、彼の物語。人と触れ、寄り添い、時に絶望し、時に怒り、人を助ける。美しいものを見て、食べて、冒険する。そんな、人に憧れたモンスターのお話
★★★★★
名前:
種族:白月の不死王
ランク:error
レベル:1/100
HP38000/38000
MP26000/26000
固有スキル
月読
純白骨
スキル
剣聖Lv10
暗黒魔法Lv10
称号
月を見る魔物、月の女神の寵愛、月の女神の祝福、月の使者、救済者
いつも応援してくださる皆様に多大なる感謝を
書籍化も確かにしたいのですが、それよりは、今読んでくださっている読者の皆様を大切にしていきたいです。
今後も応援よろしくお願いします